食すこと、これ、すなわち兵法なり|食の軍師 

久住昌之原作で週刊漫画ゴラクに連載されている「食の軍師」。主人公の本郷(ほんごう)がいかに食べ物をおいしく食していくか、その作法、いや、もうこれは戦略といってもいい、勇猛果敢な食との戦いを描いた爆笑作品。

本郷が何かを食べるとき、必ず彼の中から食の「諸葛孔明」がむくむくっと顔を出す。一緒に食べに行くと面倒な人ではあるが、傍から見ればむしろ面白いということはよくあります。

彼はまさにそんなタイプ。お目当ての店に入り、最高の布陣で挑み、そしてほぼ敗戦する(笑)。いや、笑ってはいない、ただ可笑しいだけ、腹を抱えるくらい。同じなようでも、ちょっと違う。食べることもまたしかりである。

そんなちょっと王道とはズレるグルメ漫画。久住昌之さんと言えば、ドラマにもなっている「孤独のグルメ」。やっぱり切り口が面白い!そんな「食の軍師」一巻からの見どころを紹介します。

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森羅万象をあらわすおでん陣形とライバル「力石」との出会い

本郷の趣味は食べ歩き、仕事帰りに立ち寄るお店で一杯やるのがなによりも幸せなのだが、1巻の1話目にして彼にライバルとともいえる敵が登場する。

食の軍師
出典:食の軍師 [kindle] 8ページ

このフードを被っている男が、孔明こと本郷との熾烈な戦いを繰り広げていく力石である。まずは初陣となるおでんの話を見てみよう。

食の軍師
出典:食の軍師 [kindle] 9ページ

「おでんの兵法」、おでんは注文の順にそのおでん者の知力・能力・経験が現われているという。本郷は敵(力石)の所作に、戦術の美しさを感じたようだ。

しかし、あくまで本郷の一人相撲、空想の世界であるため、なぜそうなるのか深くは考えてはいけない。つまり日本古来からある「イキ」という便利な言葉がこの漫画にはピッタリと当てはまる。 イキに理由を求めるのは「ヤボ」というものだ。

はやくも宿敵から戦友へ!?アウェイ救った力石の一言

本郷は食に強いというと、実際はそうでもない。寿司屋の話では、たまにしか行けない皿が回っていない店で、大将にスキを見せまいとするあまり自分の戦術に溺れてしまう。まさに、敗走、孔明らしからぬ失態であった。

出典:食の軍師 [kindle] 43ページ
出典:食の軍師 [kindle] 43ページ

そんな本郷を救ったのが、宿敵力石。ちなみに、本郷居るところ力石ありである。

出典:食の軍師 [kindle] 45ページ
出典:食の軍師 [kindle] 45ページ

憤死になっていた本郷に「その穴子うまそスね」の一言で、寿司屋でのアウェイ感が一気に吹っ飛び、もう少し長居を決めこむ本郷であった。

久しぶりの長旅で目の当たりにした力石の兵法に白旗

寿司屋の一件もあってか、しだいに食の戦友となっていく二人。この話では二人が新幹線で旅をすることになる。もちろん、ここでも兵法は健在だ。電車の旅といえばお弁当。二人が選んだのは奇遇にも「シュウマイ弁当」

食の軍師
出典:食の軍師 [kindle] 145ページ

まず驚かされたのが力石の食べる早さだ!本郷はこの戦術を新幹線のスピードになぞりながら焦りをみせる。

食の軍師
出典:食の軍師 [kindle] 146ページ

もちろん「美味さ」に「早さ」がのっかることは決してないのだが、本郷の内なる孔明が言う。

「これが食の兵法であると!!」

完敗を帰した本郷であるが、この先の戦で必ずや力石にリベンジするはずである。今夜あたり酒の肴に読んでみてはいかがでしょうか。