日本列島はイザナミとイザナキとの交わりによって生まれた子どもたち|眠れないほど面白い『古事記』 由良弥生

古事記

日本最古の書物『古事記』。天地開闢(てんちかいびゃく)から天孫降臨(てんそんこうりん)にいたる神々の物語を描いた「上巻」。神武天皇から応神天皇までを描いた「中巻」。

そして仁徳天皇から推古天皇までを描いた「下巻」が収められています。神々と天皇の系譜を辿る壮大な物語。

どうしてもお堅く、退屈なストーリーと思いがちですが、読んでみると、いやいや破天荒な神様のオンパレード!ツッコミどころ満載のお話でございました。

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特に面白かったのが上巻。古事記において一番といっていいほど有名な神様といえば、日本を創ったイザナミ(女神)とイザナキ(男神)。

しかし、このお二人の神様はすぐには登場してきません。はじめは高天原(たかまのはら)と呼ばれる天上界に神様が誕生なさいます。

アメノミナカヌシノ神にタカミムスヒノ神、カムムスヒノ神の三神です。その後も沢山の神様が誕生なさいますが、イザナミとイザナキはまだまだ誕生しません。それではいつ誕生するのかというと、実は最後の最後に現れる神様なのです。

イザナミとイザナキは他の神様達から地上を整えるよう言いつけられます。そこでまず、お二人はオノゴロ島を拠点として国づくりをはじめていきます。

どう創るのかというと「まぐわう」のです。つまり性交。人間がまぐわう時にはお互いの同意が必要となりますが、神様においてもそこは同じ。

(イザナミ)自分のアソコを見て
「私の体は、成り成りて、成り合わないところが一ヶ所あります」
(私の体の一部には裂け目があるのよ)

(イザナキ)自分のイチモツを見て
「私の体は、成り成りて、成りあまったところが一ヶ所あります」
(自分の体の一部は突き出ているぞい)
出典:眠れないほど面白い『古事記』
※( )内の訳はイメージです

そしてイザナキはもの凄い一言をはなちます。(神様たちの御言葉は素直で直接的なのです)

「私の余計な出っ張りで、あなたの裂け目を刺し塞(ふさ)ぎたい。どうだろう」
出典:眠れないほど面白い『古事記』

こんなイザナキのプロポーズでめでたくまぐわい、イザナミがふんばって日本を産み落とします。男女のシモの特徴をこんな表現でいいあう神様になんだか愛着が沸いてきます。

これをきっかけにイザナミ・イザナキは次々と子どもたちを産んでいくのですが、神様はまぐわうこと以外でも生むことができるのです。たとえばイザナキの場合ですと

やがてイザナキは水から上がると、最後に目と鼻を洗った。左の目を洗うと、まばゆい光に包まれたアマテラス大御神が、右の目を洗うとツクヨミノ命(みこと)が、鼻を洗うとタケハヤスサノオノ命(みこと)が生れた。タケハヤとは、勇猛迅速の意である。
出典:眠れないほど面白い『古事記』

このように分裂といいますか、誕生するわけです。ちょっと余談になりますが、一番最初に生れてくるアマテラスは女神で、三神の中では一番えらい神様となります。いわばお姉さん。

世界の神話を見てみると、男神が一番えらいイメージなんですが、日本神話においては男神よりも女神がけっこうがんばっていて、興味深いのと同時に世界的にも珍しい物語なんだそうです。

さて、イザナキから生れた三神はそれぞれ昼の世界、夜の世界、海原を治めるよう言われます。ところが、このなかのスサノオという一番末っ子の男神がどうしようもない阿呆なのです。

姉弟喧嘩では姉のアマテラスにう○こを投げつけたり、口やお尻から食べ物をだすオオゲツヒメ神(※残念ながら本書では省略されています)を汚いといって切り殺したり、マザコンだったり・・・

しかし、ヤマタノオロチ退治ではなぜか、今までの阿呆ぶりから一変して二枚目に急変身します。神様なのでなんだってありなんです!

とにかく神様の世界はとびっきり面白い。本書に限らず一度古事記を読めば、その面白さに絶対はまります!!ただし、天皇の系譜を描いた中巻と下巻は上巻ほど楽しめないかもしれません。

本書はとても丁寧に数多く登場する神様や天皇の系図や関係性を説明していますが、それでも省略している天皇がいたり、関係性が掴みにくいところもありました。

が、それでも面白いですし、なによりもこんなに読みやすい古事記があったことに感動ものです。

眠れないほど面白い『古事記』 由良 弥生
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