北欧神話から考える「ダンまち」の考察が思いのほか面白い!

以前「しょーちゃんさん」という方からダンまち記事に、面白いコメントをしてくださいました。

アーサー王の聖杯伝説やアラジンの冒険。様々な神話や童話、物語集を集めた聖書がダンジョンオラトリアなんだなぁと思います。こうなるとファミリアとは宗教色が明確になり、オラリオの派閥というのは宗教戦争じみてきますね。

ダンまちは世界の神話や寓話をモチーフに描かれていますが、登場人物だけでなくストーリーにおいてもその傾向が強いという指摘です。

ぼくは人物の関係性こそ考察していたものの、ストーリーにまでは及んでいませんでした。こういうコメは作品の面白さを広げてくれるのでとても参考になります。

そして、しょーちゃんさんによると「北欧神話」もモチーフにしているとのことですが、残念ながらばぼくには北欧神話についての知識がほとんどなかったので、今回は北欧神話に絡めがならダンまちに触れていきます。

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ユグドラシルからはじまる物語

北欧神話の物語を知ると、ダンまちにかなり影響を与えていることが分かります(コメをくれたしょうーちゃんさんに改めて感謝)。

今回参考にしたのは、 実業之日本社から出版されている『いちばんわかりやすい北欧神話』という本。

いちばん分かりやすいと言ってるんだから、初心者にはこれで十分でしょうというわけで、こちらをチョイス。

まずはじめに、北欧神話とはなんなんだ!と一言でまとめるなら、

神々の滅びと再生の物語

ということになります。「ユグドラシル」なんて言葉をどっかで(ゲームとか)で聞いたことありません?

実はこれ、北欧神話に登場する世界の中心にそびえ立つ宇宙樹の名前。そして北欧神話ではユグドラシルから人間はもちろん、神や巨人などが誕生する、いわば生命を育む樹。

北欧神話の世界観では大きく分けて3つの種族が登場します。

神族と巨人族と人間族

この三種族のうち、主に神族と巨人族の活躍を描いているのが北欧神話と思ってください。

北欧神話は世界滅亡の物語だった

北欧神話では神族と巨人族との間で対立が生まれ、ラグナロクと呼ばれる最終戦争によって一度世界は滅亡します。

世界の滅亡の物語を描いているのが北欧神話最大の特徴です。神は老いこそしませんが、人間と同じように「死」が存在するようです。

その後、ラグナロク(最終戦争)によって種族が全滅したかといえば、実際にはわすかな人間族と神族が生き残ります。

神族は天上に住処(すみか)を移し、地上には人間が住み、子孫を産み、家族を増やし、次第に広がっていきました。

ちなみに、このとき生き残った人間の名前は、男はリーブと女はレイヴスラシルで、新たな人間の始祖とされています。

フレイヤと北欧神話

ダンまちの中でも巨大派閥(ファミリア)の二大勢力となるフレイヤとロキ。

ストーリーにおいても重要な人物ですが、この二人の元ネタは北欧神話をモチーフにしているようです。

まず、北欧神話におけるフレイヤの人物像を見ていくと、彼女が愛した人間にオッタルという人物がいます。

また、フレイヤは「恋愛の女神」と呼ばれており、周囲の男神から求愛を受けまくっているのも同じ設定です。

そして、彼女には「戦争の女神」という呼び名もあり、そこから死を司る女神という一面もあります。

ダンまちではオラリオ最強の派閥とも称されていましたし、ラノベ7巻ではイシュタル神をメッタクソにしてましたからね。これも神々の戦争の話でした。

つまり、フレイヤは自分の欲望に忠実な女神ということになるんでしょうか。ベルくんお察しします。ただ、アニメではエロ枠としていろいろ悶えてたのはとても好感が持てました。

そして、一つ気になったのがフレイヤのもう一つの別名。「恋愛の女神」「戦争の女神」といろいろな名前で呼ばれているのですが、その他にも「豊穣の女神」なんて名前もあったんですよね。

ダンまちでは「豊穣の女主人」という酒屋がありましたが、フレイヤと何か関係がある可能性が高いのかなと。

そういえばフレイヤシル(ベルにお弁当を作っていた娘)とのつながりが8巻で示唆されてましたしね。

「ふふ、貴方が助けれくれて、娘(シル)も感謝していると思うわよ?」
「・・・・・」
娘(シル)は笑っていなかった?」
フレイヤの言葉に、アレンは口を閉ざし黙りこくる。
出典:ダンジョンに出会いを求めるのは間違っているだろうか8 大森 藤ノ

ロキと北欧神話

そしてもう一つの巨大派閥(ファミリア)のロキも北欧神話に存在します。こちらはフレイヤとは違い巨人族(両性具有)として登場します。

ただし、巨人族ながら神族に迎え入れられた経緯があるため「神族」と考えてもいいようです。北欧神話でのロキはちょっと怖い設定なんですよね。

ロキは善と悪と、両方の顔を持つ神である。その名前【Loki】(ロキ)は「閉じる者」「終える者」を表し、世界の終末をもたらす神とされている。
出典:いちばんわかりやすい 北欧神話 実業之日本社 杉原 梨江子

その性格は気まぐれで悪知恵を働くというもので、ダンまちのロキの設定と似ているように思います。

そして、一番気になったのが北欧神話ではフレイアのお気に入りのオッタルを殺したのがロキ、さらには世界滅亡のきっかけを作ったのもロキでした。厄介ごとのほとんどにロキは関わっています。

ダンまちではヘスティアとロキで乳対決をしたほど因縁の関係ですから、ロキの悪戯(あるいはちょっかい)からヘスティアと衝突し、フレイヤ乱入で二大派閥を交えた三つ巴の大戦争??なんていう展開があるのかもね。

まぁ、あくまで北欧神話になぞらえた妄想ですけど・・・。

神族と人間族の関係

ダンまちが北欧神話をモチーフとされる設定はほかにも見つけることができます。たとえば、神族と人間族の関係です。

人間が住んでいる街はミズガルズと呼ばれるところなのですが、神々が住んでいる街は人間の暮らしぶりが見渡せるところにあるんです。

そのため、神様はしばしばミズガルズにまで降りてきて、人間たちにちょっかいを起こし楽しんでいたそうです(もちろん人間の方が位が下です)。

まさにダンまちのロキやヘスティアのようなことを北欧神話の神々もしていたわけです、面白い。

オーディンは登場しない?!

さて、今までみてきたようにダンまちは北欧神話もかなり参考にしていることが分かりましたが、ここで一つ疑問が浮上します。

それは、オーディンが登場していないということです。北欧神話の主要キャラは誰かと言えば、間違いなくオーディンです。

ロキやフレイアがいるわけですから、オーディンを描いていてもいいんじゃないの?と思ったんです。

ただ、よくよく考えてみるとオーディンは北欧神話における最高神、ギリシャ神話でいえば全知全能の神ゼウス的な立ち位置になります。

ということはですよ、オーディンとゼウスのキャラがかぶっちゃてます。ダンまちは世界各地の神話がモチーフになっている作品です。

ベルくんを両親に代わって育てたのはゼウスであることは確定済みですから、オーディンの出番はダンまちでは却下されたのかも。

どうなんでしょうかね?

いちばんわかりやすい 北欧神話 杉原 梨江子
古代の北方ゲルマンの神話は、スカンジナヴィア半島とアイスランドで『エッダ』『サガ』として豊かな物語世界に結実した。オーディン、トール、ロキ、ヴァルキューレ!極北の神々の物語
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コメント

  1. 通りすがり より:

    ベルに出会い云々の話をした祖父は神話の性格的にゼウスというよりもオーディンっぽいですけどね。