レンブラントにフィルメール!名画に隠された歴史の遍歴と誤謬

美術館やテレビなどでお目にかかる名画には、時代の流れと共にさまさまな変容を遂げていることが多い。

たとえばタイトル

レンブラントの『夜警』などは絵ともマッチしたタイトルがついていますが、実はレンブラント本人が付けたのではなく、のちの画商たちが扱いやすい(売れる)ように付け替えたものという事実はあまり知られていない。

こうした名画に込められたメッセージとは異なる、いわば「名画のウソ」が潜んでいることが多いんです。そこで、今回は誰もがしっているであろう名画の本当の姿を紹介していこうと思います。

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レンブラント「夜警」

レンブラント「夜警」

レンブラントの代表作『夜警』、しかし実はこのタイトルは本当のタイトルではないんです。正式名は『隊長フランス・バニング・コックと副官ウィレム・ファン・ラウテンブルフの市警団』。

さらに、これまた残念なことに、ここに描かれている場面は夜ではなく真昼間。というのも、この画に塗られているニスが時間とともに褐色化したため夜に見えるだけなんですw

タイトル、いや通称に惑わさてはいけない!

ちなみに、レンブラントは大工房を持っていたことから、当時はレンブラントの作品だと思われていた絵が、実は弟子が描いた一枚だったなんて作品もありました。

ベラスケス「ラス・メニーナス」

ベラスケス「ラス・メニーナス」

宮廷画家として活躍したベラスケスの有名な一枚。この絵には1つミステリーがありまして、後ろの鏡に映っているのはスペイン王国フェリペ4世とマリアナ王妃。

ということは、絵の左端にある大きなキャンバスは国王と王妃のツーショットを描いているのではいかという憶測といいますが説があるんです。

しかし、実際にはこの説は誤り

今の常識をこの時代に当てはめてはいけません。当時の王侯貴族の肖像画というのは、1人ずつ対となるように描かれるのが一般的でした。

また、ベラスケスの作品には夫婦一組で描かれた絵は一枚もありません。彼のアトリエに国王夫婦が遊びに来たと考えるのが一般的なようです。常識は盲目。

マネ「死せるキリストと天使たち」

マネ「死せるキリストと天使たち」

近代絵画の父と評されるマネの作品はどれも意欲的!この『死せるキリストと天下たち』で一番目がいくのがキリストの胸毛w

今までのキリストに胸毛なんて描いた画家なんていしゃしません!まさに近代画家の父マネ!そして、もう一つ注目したいのが、キリストに刻まれている胸の傷跡。

マネ「死せるキリストと天使たち」

ポイントは胸にある傷跡の位置。通常この傷はに描くのが一般的でした。しかし、マネはあえて左の胸下に傷跡を描いています。つまり近代画家の父!ただ、当時は異端児扱いされていたようです。

フェルメール「真珠の耳飾りの少女」

フェルメール「真珠の耳飾りの少女」

フェルメールの超絶人気の高い「真珠の耳飾りの少女」。肖像画には当たり前ですがモデルとなる人物がいるわけですが、ならこの作品のモデルになった少女は誰なのでしょうか?

答は、誰でもない

なぞなぞでもホラーでもありません。実はこの少女はトローニーと呼ばれるもので、実在する人物がモデルではなく、架空、あるいはモデルとなる人物がいても肖像画のように似せる必要はありません。

今でいうマンガやアニメのモブキャラ。コマには必要だけど、別に一人ひとり実在の人物を描くわけではない。絵も同じく、脇役として人物を配置するときトローニーが使われていました。

17世紀のオランダは絵画の投機ブームが真っ盛りで、トローニーを描いた作品までも買い手がついた時代でした。

デ・ヘーム「卓上の果物と豪華な食器」

デ・ヘーム「卓上の果物と豪華な食器」

ルイ14世の時代に活躍した画家ヤン・ダヴィス・デ・ヘームさんの作品。一見すると静物画のように見えますが、ここには作者の戒めが込められているんです。

というのも、17世紀にオランダで描かれた静物画には道徳的なメッセージを盛りこんだ作品が多く描かれ、このジャンルを「ヴァニスタ」なんて呼んだりします。

では、この作品に込められているメッセージとはなんなのでしょうか?たとえば、左に描かれている楽器のリュートと笛は女性器を象徴しており、楽器の演奏は性行為を意味します。

つまり、肉欲に対する戒めを描いています。また、果物にもそれぞれ意味があり、リンゴは原罪、ブドウは贖罪(しょくざい)、サクランボは天国の果物になります。

それらの果物たちが傾いた大皿の上に乗っているわけです。さらには、テーブルの左端ギリギリのところに青いヒモが付いた懐中時計があり、時間の儚さを表現します。どれをとっても戒めが隠れているわけですねw

ルイ14世といえば、絢爛豪華なバロック式で建設されたヴェルサイユ宮殿が有名です。あんなバッキバキな建物を建設するぐらいですから、お金がいくらあっても足りはしない!

さらには諸外国との戦争で戦費もかさんでいき財政は万年赤字、この財政難がフランス革命の要因の一つとなってしまった・・・。