ルノワールはデブ専!名画に隠されたメッセージを読み解く2

美の巨匠たちが残した名画の数々、ただ、どうしても時代とともに絵に託したメッセージを理解するのはなかなか難しい。

時代時代の共通認識はどれも異なり、しかも日本人の私たちにとっては文化や宗教の壁というやつも存在するため余計に厄介。世界史で暗記する程度。

そこで、ここでは歴史的背景を補足しつつ名画に込められたメッセージを(ざっくりとですが)説明してみることにしました。

今回紹介するのは、どれも学生時代に一度は聞いたことがある画家ばかりなので、少しでも興味がわいてくれたら幸いです。

レンブラントにフィルメール!名画に隠された歴史の遍歴と誤謬
美術館やテレビなどでお目にかかる名画には、時代の流れと共にさまさまな変容を遂げていることが多い。

↑以前に書いた記事です。美術史に興味があればコチラもぜひ。

スポンサーリンク
※ここで扱っている画像はパブリックドメインとして利用可能な画像のみを使用しているためクレジット(出典元)は明記しておりません

セザンヌ「首吊りの家」

セザンヌ「首吊りの家」

1873年頃にセザンヌが描いた作品「首吊りの家」。第1回印象派展に出品され、はじめて買い手がついた作品でもあります。

ですが、それよりも気になるのがタイトル。「首吊り」となにやら不吉な題名が付けられていますが、実はこれ、セザンヌが遊び心で付けたタイトルだと言われているんです。

モチーフとなったこの家の家主がイタリア語で首吊り(pendu)と発音が似ていたことから、文字遊びの一種で「首吊りの家」と付けられたといいます。つまり、

佐藤さん、小林さん、首吊りさんの家というわけですw

ルノワール「ド・ボニエール夫人」

ルノワール「ド・ボニエール夫人」

ルノワールと言えば印象派を代表する画家ですが、それよりも印象深いのは彼がぼっちゃり好きだったこと。彼の性癖は作品に現れ、現代でもこうして全世界の人々が知ることになったわけです。

ルノワールは苦労の多かった青年期を過ごしたこともあり、有名になっても昔のトラウマから描きたくない仕事も断ることなく引き受けていました。ド・ボニエール夫人もそんな渋々ながら引き受けてしまった一枚。

なぜ渋々だったのか?理由は簡単。ルノワールの好みの女性ではなかったからw彼の理想はこのようなふくよかな女性なのですから。

ルノワール「アリーヌ・シャリゴの肖像」

ルノワールが50歳のときに結婚したアリーヌ・シャリゴはまさにセザンヌの理想の女性(というか好み)でした。田舎育ちのふくよかな女性。女遊びが激しかったルノワール、それまで二股をしていた末に、結婚相手に選んだのがアリーヌでした。

ルノワールはアリーヌをモデルにした作品を数多く発表していますが、その中に「都会のダンス」と「田舎のダンス」という作品があります。これらの作品は、どちらもルノワールが付き合っていた女性がモチーフとなっています。

田舎の女性とは、もちろん後の妻となるアリーヌ。では都会の女性とはだれか、これはのちに画家となるシュザンヌ・バラドンと言われています。性癖には抗えなかったルノワール。

ブリューゲル「農民の婚礼の踊り」

ブリューゲル「農民の婚礼の踊り」

農民の生活を切り抜いた楽しげな作品・・・と思いきや、ここには作者ブリューゲルが込めた皮肉や戒めそこらじゅうに散りばめられている作品なんです。

まず、この絵がなぜ婚礼の一場面を描いているののかというと、右上の布に冠が描かれていますが、これは花嫁の印を意味しています。

ブリューゲル「農民の婚礼の踊り」

結婚する2人を祝うために踊っている場面と解釈することができます。しかし、よ~く見るとどこか違和感がありませんか?アソコが異様に突出しているのが分かりますよねw

ブリューゲル「農民の婚礼の踊り」

やけに誇張された股間。これはコッドピース(股袋)と呼ばれる詰めもの。お祝いの席とはいえかなりハレンチです。しかし、女性の方も恥ずかしがるどころか、男性と一緒に踊っています。

さらに見ていくとキスしている人達もいて、どちらかというと俗物的な印象を与える絵になっているんです。

農民画家として有名なブリューゲルですが、実は農民の生活一部を切り取った作品というよりも、反面教師としての戒めとして農民を題材にしていたんです!ちなみに、ブリューゲルがバリバリの都会っ子、田舎とは無縁の教養人でした。

ゴヤ「カルロス4世の家族」

ゴヤ「カルロス4世の家族」

ゴヤが首席宮廷画家を務めていたときに描いたカルロス4世の集団肖像画。詳しい歴史を知らなくても、この絵を見ただけで思うことがあるはずですw

女房(王妃)の存在感がハンパない!

ということ。王子を差し置いて真ん中にドーンと居座ってます!夫の威厳はどこへやら・・・これが一般家庭の夫婦だったら尻に敷かれる夫ですむんですが、国の主ともなると規模が違います!政治の実権は王妃マリア・ルイサにありました。

夫は傀儡(かいらい)でしかなくただいるだけ。この絵の構図を見てもそれが露骨に表現されています。カルロス4世は正面を向いていますが、王妃は王子のほうを向き笑顔どころか不満な面持ち、怖い怖い。

また、そのほかの人物にもそれぞれ意味合いがありまして、左の青い服を着ている男性は甥のフェルナンド皇太子ですが、彼が手をつないている隣の女性の顔が分からないように描かれています。

ゴヤ「カルロス4世の家族」

これは、フェルナンド皇太子の未来の皇太子妃、このときまだ独身だったため顔は描けなかったのです。それにしても、この一枚で当時の政情が読み取れてしまうとは、いやはや面白い。