漫画「ゴールデンゴールド」考察 寧島とフクノカミの関係と今後

マンガ「ゴールデンゴールド」のレビューは以前書いたんですが、やっぱりねぇ堀尾作品は伏線と思しきコマがいくつもありまして考察せずにはいられないわけです。

このマンガの考察班もネットにも多数見かけますが、このブログでも整理しながら気になる部分と、あと作者インタビューにも触れながら考えていきます。

ちなみにゴールデンゴールドの感想記事もよろしければどうぞ▼

『刻刻』でデビュー作を飾った漫画家・堀尾省太さんの新作『ゴールデンゴールド』が2015年より月刊モー
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フクノカミの正体と能力

このマンガの一番のナゾは不気味マスコット・フクノカミの正体であります。

琉花が祈ったことでフクノカミは動き出し、寧教会を作り島民に祈らせるように仕向けていたことから、フクノカミのエネルギー源は「人々の祈り」のようです。

なら今後の展開を考えると祈り=心が1つのキーワードになってくるはず。そういえば琉花は心を感じとる鋭い感性を持っていたけど関係あるのかな(後で触れます)

寧島で育った住民だけがフクノカミを違和感なく受け入れているのも見逃せない。住民にはあのハゲ小僧が「小さいおっさん」として見えていた。ただ島外から移り住んできた住民は異形のモノと見えていた。

ゴールデンゴールド考察
出典:ゴールデンゴールド2 堀尾省太

寧島に移り住んで10年にもなる人達は、フクノカミが小さなおっさんには見えなかった。つまり寧島で生まれ育ったことがポイントらしい。

またフクノカミを見た島外の人が寧島を離れると記憶がなくなっているのも寧島との因縁を感じる。

1巻のはじめでは

寧島は福の神が立ち寄った島

と説明されていた。となると、前作「刻刻」を参考にすれば「血筋」が関係してくるのだろうか。

フクノカミ化

寧島と深い関係があるとすれば歴史辿ることで何か見えていくるかもしれない。2巻では江戸時代に一時的に寧島の経済が栄えていたことが明かされる。

それによれば江戸時代、寧島内で反乱・争乱の類が起こったことが示唆されていました。幕府に不祥事が発覚するのを恐れこの事件をもし消したため詳しい資料が残っていない。

ただ今も昔も金に関する問題は、血のつながった身内でさえ骨肉の争いになるわけだから、島という小さなコミュニティにおいて金問題は死人が出るほどの亀裂が入る理由として違和感はない。

また、さっき「血筋」が関係しているのではないかと指摘したが、寧島で生まれ育った住民はフクノカミを受け入れる体制みたいなものを持っているため、フクノカミ化されやすいのではないか。

ゴールデンゴールド考察
出典:ゴールデンゴールド2 堀尾省太

作中では「なじむ」といった表現をしています。今でも寧島で生まれ育った住民がいることから、江戸時代に起こったであろう反乱で生き残った子孫たちは、フクノカミになじんだ血が受け継がれ見え方に差異が出ているのかもしれない。

冒頭のコマの意味とは

なら寧島の住民は最後にはどうなってしまうのか?

1巻の冒頭では江戸時代に生きていた寧島の住民の死体が波打ち際に多数転がっているコマがありました。

ゴールデンゴールド考察
出典:ゴールデンゴールド1 堀尾省太

意味深なコマですが、実は作者インタビューにおいてこのコマについて言及している発言があるんです。これはナゾを解くヒントとして非常に有効な素材です。

作品の冒頭に出てくる侍とフクノカミの死体のシーン。あれは侍が彼らを斬り殺しって決めつけないでおいてほしいなって。よく見ていただければわかるんですが、まず刀に血が付いていないんですよ。返り血も浴びていないので。
出典:堀尾省太インタビュー|マンバ通信

あのコマはどうやら住民同士が殺し合った後の場面なんだそうです。住民の顔がすべてフクノカミになっていることから、馴染んでいくことでフクノカミ化が起こってしまうのでしょう。

琉花の祖母が一番分かりやすいフクノカミ化だと思います。なら再び現れた現在の寧島は江戸時代のような住民同士の殺し合いが起こるバッドエンディングになるのでしょうか。

琉花の鋭い感性は伏線か

最悪なラストを防ぐ可能性のある人物として主人公の琉花の能力が今後重要なカギになっていく可能性は十分にあります。

ゴールデンゴールド考察
出典:ゴールデンゴールド1 堀尾省太

人々の祈りがフクノカミにとっては何よりのエネルギーになるのなら、琉花の読心術のような人の心を読み取る能力が役に立ってきそう。『刻刻』のように能力がパワーアップしたりするのかな。

民宿をはじめた女性

琉花の祖母が営む民宿に置いてある仏壇。そこにいるのは民宿をはじめた女性。民宿をはじめた女性という説明だけしかないが、祖母の姉(あるいは妹)だった人ではないかと思います。

そして、どうもフクノカミはこの女性を知っている素振りを見せていた。客足が少ない民宿の改修工事、そして護岸工事を境に客足が伸びてというセリフから、琉花と同様、貝広いで偶然見つけたのかもしれない。

ゴールデンゴールド考察
出典:ゴールデンゴールド2 堀尾省太

セリフが薄くなっているのは祖母を通してフクノカミがしゃべっている演出と考えると、祖母のようにフクノカミを祈るようなことはしなかったのではないだろうか。

しかし改修工事のさなかで入院し帰らぬ人になってしまった。「甲斐性は無い」というセリフはそんな彼女の対するフクノカミの感想なのかもしれない。

祈りる人がいなくなったフクノカミはエネルギーをもらえずそのまま置物へと萎んでいき、見つけてくれる誰かを待っていたのでしょうか。

おわりに

ゴールデンゴールドについてざっと考えてきましたが気になる伏線は多くナゾはさらに深まっていきます。堀尾作品はやはりおもろい。

ただ刻刻のようにはじめの掴みは申し分ないけけど、急展開すぎる(尻つぼみな)ラストだけはやめてけれ。

ゴールデンゴールド 堀尾省太
出版社:講談社
発売日:2016/6/23
販売:株式会社講談社
ASIN: B01H1GXRFK

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KaoruAnatu
毎夜カタカタ投稿している中の人。本とサブカルを中心に執筆中。独自視点でレビューが書けたらと思っている今日この頃