進撃の巨人感想 第一話「二千年後の君へ」の伏線とアルミンとの約束

進撃の巨人22巻で明らかになってきた座標と始祖の巨人の正体。そして今まで張られていた伏線も一気に回収されてきた感じです。

今回22巻を読んでもう一度1巻から読み直した人は多いと思います。エレンが座標を使った回やライナーたちのリアクションを読み返すとまた新たな発見があって面白いですからね。

そしてなにより、1巻冒頭で描かれていたエレンの意味深な行動がようやく考察できるまでに材料がそろってきたと言えます。そこで、あのシーンを振り返っていこうと思います。

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泣いてるの?

進撃の巨人第一話「二千年後の君へ」という意味深なタイトル。リヴァイ率いる調査兵団の巨人駆逐からはじまる冒頭。

その次に描かれていたのが大木の下で眠っているエレンでした。そこへミカサが

エレン、エレン

と声をかけ起こそうとする。

進撃の巨人考察
出典:進撃の巨人1 諫山創

寝ぼけ眼で夢から覚めたエレンはなぜか涙を流している。しかし、なぜ涙を流していたのか本人さえ理由がわからない。と、その時、風が吹きあれ年号が描かれる。

よくよく見ると、何か帯びているように数字の周囲にうっすらと線が描かれており、ただ年号を表記しているだけではないこが分かります。

みえない道

エルディア人の血に刻まれた始祖エミルの呪縛。目には視えない道を通じて血や骨、そして記憶や意志までもが空間(あるいは時間)を超越して送られてくる。

第一話タイトルにあった「二千年」を始祖ユミルからはじまるエルディア人の歴史と考えると、エレンがなぜ涙を流していたあのコマには、ものすごい深い意味が込められていると思うんです。

ここまで緻密なストーリーになっているとは脱帽を通り越してもはや圧巻。壁内の未来を1巻の冒頭ですでに予見させていたんです。

そして年号に纏わりついていた帯状の線。これは22巻でエレンがヒストリアの手を握ったときに頭の中に飛び込んできたときの演出と似ています。

進撃の巨人考察
出典:進撃の巨人22 諫山創

この時はヒストリアの王家の血に反応して「始祖の巨人」が発動した可能性が高いので同じ現象とは言い切れませんが、「見えない道」を通ってエレンは夢で何かを見ていたという意味では同じ演出と考えていいのかなと。

つまり1巻のはじめからすでに壮大な伏線が敷かれてたってことです。

エレンとアルミンの約束

そして1巻でもう一つ気になる部分が、終盤に描かれたエレンが壁外に行きたいと思いはじめたキッカケ。

進撃の巨人考察
出典:進撃の巨人1 諫山創

アルミンがこっそり持ち出してきた壁外の世界を描いた一冊の本。そこには「海」と呼ばれる塩水があり、世界のほとんどが塩水で覆われていることが記されていた。

半信半疑だったエレンもアルミンのイキイキとした目を見て信じ、いつか壁の外を見ることが2人が調査兵団に入団するきっかけとなった。

この回想シーンはエレンが巨人に喰われたときのアルミンとの最後のやり取りで差し込まれたシーン。そして、巨人の口の中でエレンは「お前(アルミン)が教えてくれたから」と壁の外への想いを絞り出す。

進撃の巨人考察
出典:進撃の巨人1 諫山創

この目で「海」を見ることが2人が戦い続けきた理由でした。これは第72話「奪還作戦の夜」(単行本18巻)にて再度描かれています。

22巻表紙の意味

22巻の表紙は海を見たいという2人の夢と現実のギャップを表現しているエゲつないものとなっています。

進撃の巨人考察
出典:進撃の巨人22 諫山創

浜辺でエレン、アルミン、そしてミカサの後姿が描かれています。エレンが海の向こうを指さしなにかを言っているように見て取れます。この構図は最終ページのこのコマのアングルを変えたものだと分かります。

進撃の巨人考察
出典:進撃の巨人22 諫山創

なら念願の海を見たエレンがこのときなんと言っていたのか?

それは

進撃の巨人考察
出典:進撃の巨人22 諫山創

壁外で見たのは「自由」でもなんでもなく「敵」。壁の外は自由が広がっていると思っていたあの頃の想いは粉々に砕け、海の向こうにいる本当の敵を殺せば自由になれるのかとアルミンたちに問います。

エレンの心境が真逆なほど変化した瞬間です。

1巻を読み返してもういちどこのラストを読んでみると震えたね。そこにはもう自由はないんだよ。エレンの胸中には何が芽生えたのだろうか。

ヤバイね、物語がさらに面白くなっていくじゃあないか。もうスゲーの一言、これにつきる。

進撃の巨人(22) 諫山創
コミック: 192ページ
出版社: 講談社
発売日: 2017/4/7
ISBN-10: 4063959090

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KaoruAnatu
毎夜カタカタ投稿している中の人。本とサブカルを中心に執筆中。独自視点でレビューが書けたらと思っている今日この頃