普段なにげなく食べている食品の本当の姿がこの一冊で分かる

お弁当

著者の安部司さんは、食品添加物の商社に勤めていた方で、まさに食品業界の裏の裏までを知り尽くしていることもあり、サラリーマンだった当時の体験を交えならが、食品業界のタブーを暴露した本となっています。

たとえば、金曜日から出版されている『買ってはいけない』シリーズだとか、花咲アキラ先生の『美味しんぼ』だとか、食品会社を痛烈に批判した書籍は以前にもありましたが、本書はなんといって、実際に食品業界で何十年と働いていただけあって信憑性が違います。こうした業界人が書いた書籍というのは今までなかったように思います。

本書が出版された当時、かなりの物議を呼び、食品業界やジャーナリストからの痛烈な批判を受けたそうです。

ただ、実際読んでみると、別段、食品添加物がすべて悪いといった全否定はしてるわけではありませんでした。むしろ、消費者と企業との折り合いをうまく保ちならが書いているように思います。

必要悪として、一消費者がこれから食品添加物とどう付き合っていけばいいのか、きっと参考になるはずです。

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なぜコーヒーミルクを無料で提供することができるのか

ファミレスやカフェのサービスには、必ずといっていいほど砂糖やコーヒーミルクを無料で使うことができますが、あれって、原価が安いから提供できるとぼくなんかは思っていたんです。

でも、もう少し突っ込んで考えていくと、「いくら原価が安いからといっても、無料で提供できるのか?」という疑問が湧いてきます。

本書によると、実はコーヒーミルクの原材料のほとんどすべてが食品添加物でできているというんです。コーヒーミルクというと、その名前のイメージから「牛乳」などが入っているものだと思っていたんですが、コレが違っていたんです。

植物油に水を混ぜ、添加物で白く濁らせ、ミルク風に仕立てたもの、それがあの小容器の正体なのです。植物油を使うことで、牛乳や生クリームを使用するよりもはるかに安くできる。だから「使い放題」にできるのです。
出典:食品の裏側 安部司 p106

コーヒーミルクの正体は「牛乳」や「生クリーム」といった成分が入っているのではなく、「乳化剤」「増粘多糖類」「PH調整剤」といった、いわゆる食品添加物が材料だといいます。そして、これがタダのカラクリだったんです。

加工食品の驚くべき原材料

衝撃を受けたのが、食品添加物まみれの食品というよりも、扱っている食材そのものの質に驚きました。たとえば、子どもたちに人気のハンバーグがどのような原料を使っていかご存知でしょうか?

まず、安い廃鶏(卵を産まなくなった鶏)のミンチ肉を加え、さらに増量し、ソフト感を出すために、「組織状大豆たんぱく」というものを加えます。これは「人造肉」とも言って、いまでも安いハンバーグなどには必ず使われています。
出典:食品の裏側 安部司 p38

さらに、健康のために買っていたサラダについてもこんな処理がされていたんです。

「体のため」と買って食べているパックサラダが、「殺菌剤」のプールで何度も何度も消毒されているのを知りようがない。
出典:食品の裏側 安部司 p3

また、梅干の製造に使用されている梅にはとくに驚きました。

梅自体も、梅焼酎に使われた「リサイクル梅」なのか、風味もうまみもなにもない。
出典:食品の裏側 安部司 p71

廃鶏(はいけん)やリサイクル梅なんて言葉はじめて聞きましたが、こんな材料が使われていたとは読んでいてショックでした。

常温保存しても何日も腐らない食品は当たり前になりましたけど、しっかりと理由を考えてみれば、そこには食品添加物が必ず含まれているということを、ぼくたちは忘れてはいけないということでしょうね。

食品添加物のメリット・デメリット

安部さんがこの本を通して主張したいことは消費者に恐怖心を与えることなどではなく、情報公開をするために執筆したといいます。

私が主張したいのが、「添加物の情報公開」ということです。添加物の世界には、消費者には見えない、知られていない「影」の部分がたくさんあります。食品製造の「舞台裏」は、普通の消費者には知りようがありません。
出典:食品の裏側 安部司 p6

そして、食品添加物による健康への影響については、まだ分かっていない部分もあるため、国が認めているからといって安心することはできないといいます。

ただ、著者はこの本において、食品添加物のデメリットにばかりに目を向けていないところが、従来のいわゆる「批判本」とは違うところでした。

本来ならすぐに腐ってしまうはずのものが、長持ちしておいしく食べられる。忙しいときや面倒くさいときは、加工食品を使えば楽に簡単に食事が用意できる。そんな「安さ」「手軽さ」「便利さ」それは食品添加物があってこそのものです。
出典:食品の裏側 安部司 p5

食品添加物のいい面も悪い面も両方知って、あとは消費者が考えて選択していけばいいといいます。

食品業界は消費者に対して、情報がきちんと情報公開されていないという著者の意見は、昨今の企業の不祥事をみればとても共感するはずです。

本書は衝撃的な内容には間違いありませんが、普段食べている食品の内情を知るには非常に参考になる一冊だと思います。

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