天才・漫画太郎がドストエフスキーの罪と罰の新解釈に挑戦!先生これなんなんですか?

罪と罰 漫F画太郎

ババァ

天才にして鬼才、漫F画太郎先生といえばババァは欠かせない。

ババァという表現は、常識的にはあまりいい言葉ではないのだが、画太郎先生が描くババァにはどことなく「愛」というものが感じられる。実際、ババァのモデルは先生の祖母と言われている通り、想いがこもったババアを毎回の作品で登場してきます。

これほど、ババァと向き合う漫画家はそうはいない。しかも、ババァとは無縁の「エロ」や「暴力」を織り交ぜながら登場してくる。

そして、画太郎先生がスゴイのが、ババァだけでなく、ときおりジジィも描いていることも忘れてはいけない・・・

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難解

ロシアの文豪ドストエフスキーの代表作『罪と罰』を漫画で表現しようとした漫画家たちは多い。特に有名なのが手塚治虫先生の罪と罰。

これはKindleなどの電子書籍を利用すれば、かなりお手頃価格から読めるので、個人的には手塚先生の罪と罰をおすすめしたい。

手塚治虫がドフトエフスキーの名著に挑む!|罪と罰 手塚治虫

しかし、残念ながら(失言)、今回は漫F画太郎先生の罪と罰を紹介しなければならない。

ドストエフスキーの罪と罰の紹介でさえ骨が折れるのに、ここに画太郎先生のぶっ飛んだ新解釈の紹介となると、もうお手上げ手である。そのため、ぼくは最後に挟み込まれていた吉田大介氏による解説を前面に支持してすることにする。

これで少しは漫F画太郎ワールドを紹介できると思う。

昔話

まずは表紙をご覧いただきたい。

罪と罰 漫F画太郎
出典:罪と罰1 漫F画太郎 表紙

非常に文学的な素晴らしい表紙なのですが、ここで画太郎先生の作品を知っているなら、きっと「これはおかしい」という普通の漫画作品ではありえないようなリアクションをしてしまうはず。

ちょっとばかり昔話になってしまうが・・・あれは遠い昔のこと、週刊少年ジャンプに連載された珍遊記に衝撃を受けた人は多かった。今のジャンプでは絶対に連載させてくれないと思うけど、あのときが本当の意味での黄金期だったのかもしれない。

そんなことを思い出しながら、この表紙を見るとどうなろうか?なんなんだこの完成度は!と期待してしまうのも当然。しかし、これは残念ながら妄想であった。

歌舞伎

表紙から見える画太郎先生の新境地。しかし、これが甘かった。「新潮社」という社名にも騙されたのかもしれないが、とにかくそんな心に隙を突いてきたのがこの作品。

本家の罪と罰を読んだことがない人もいると思うので、最低限の知識として、主人公の名前と彼がした行為についてちょっとばかり説明を加えようと思う。

主人公はラスコーリニコフという貧乏青年。この青年がある日、金貸しの老婆を殺害してしまうという話。ここでピンときた方もいると思う。そう、画太郎先生の真骨頂であるババァが登場してくるのだ。

しかし、ここで難解なのが画太郎先生が描く罪と罰の主人公の名前が本家とは違うことである。

罪と罰 エビゾー
出典:罪と罰1 漫F画太郎 p15

彼の名はエビゾーエビゾー=ラスコーリニコフである。

なぜ主人公が歌舞伎役者の名前なのか。エビゾー(海老蔵)にした意味はなにか。頭がこんがらがってしまう。このページを開いただけで笑い死にしてしまいそになり、この後のページを開く気がしない。

ということは、美人妻の小林麻央も登場するのだろうか。残念ながら登場する。マヨと微妙に名前を変えて。

軟膏

画太郎先生の罪と罰にはババァが二人登場する(序盤において)。一人は業突く張りの金貸しババァ。

罪と罰 ババア
出典:罪と罰1 漫F画太郎 p21

主人公エビゾーとの画力の違いから、いかにババァを真剣に描いているかがわかる。

そして、もう一人のババァは、ある病気で苦しんでいる。

罪と罰 ババァ
出典:罪と罰1 漫F画太郎 p180

後半に登場するこのババァの解釈はかなり難関なのでここでは割愛する。

ただし、この続きが気になって2巻目を読むのなら、エビゾーがババァにひたすら軟膏を塗るコマが十分すぎるほど描かれていることは覚悟しておくべきだろう。一巻同様に。

ぼくはこの先を読むか読まないかといったら、きっと読まない。

新解釈

さきほども説明したが、画太郎版『罪と罰』の最後には吉田氏による解説が載せてある。それによれば、この第1巻の第2話目で既にドストエフスキーの罪と罰を描ききっているというのだ。

わずか数十ページで纏め上げてみせる画太郎先生の天才ぶりをうかがわせる象徴といえる。

ただ、つまりは、この作品はドストエフスキーとは全く関係ない作品ということになる。まったくもって斬新です。

ちなみに、今回の作品のペンネームは漫画太郎とFになっていることはお気づきでしょうか。

○や☆、$など、さまざまなスタイルがありますが、先生のことですから、ここにも何かしらのメッセージが隠されているのは間違いない。

罪と罰1 [電子書籍版] 漫F画太郎 ドストエフスキー 
本作は、ロシアの文豪ドストエフスキーの代表作「罪と罰」を題材としながら、日本ギャグ漫画界の鬼才・漫F画太郎が独自の世界観と価値観を再構築したもので、文学と漫画の新たな融合を目指す、究極の挑戦作である
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