六花の勇者 第1巻 ラノベミステリー劇場「この中に裏切りものがいる!愛と強欲の果てに」

2015年夏アニメの中でオススメはどれ?と聞かれたら、間違いなく「六花の勇者」が面白いと答えますね。

一見すると、冒険ファンタジーのようなタイトルなんですが、実際はミステリー要素がかなり含まれています。

読んでて思ったのが、海外ドラマの『ウォーキング・デッド』みたいなテイスト。敵がソンビだと思ったら、実は仲間内に本当の敵が潜んでいた!みたいな、心理戦が繰り広げられます。

こうした仲間内での心のさぐりあいは、緊張感がものすごく伝わって面白い。ただ、一巻にして「あれ!?ラスボスの魔神退治の話じゃないの?」と置いてきぼりをくらう感覚に一瞬ですがなった(笑)

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この中に裏切り者がいる!

タイトルの「勇者」なんてあるものだから、モンスターなんかをバッサバッサと倒して、経験値上げて、ツインテールのロリ神さまにステイタス更新するようなラノベかと思いきや、そうではない。

六花の勇者の冒頭はこんな感じではじまります。

闇の底より魔が目覚め、世界が地獄へ還られる時。
運命の神は六人の勇者を選び出し、世界を救う力を授けると。
これから語られる物語は、世界を救う定めを背負った湯者たちの物語だ。
彼らの物語を語る上で、一つ重要な点がある。
世界を救うために選ばれるのは、必ず六人であることだ。
五人ではなく七人でもない。必ず六人であることだ。
出典:六花の勇者① 山形石雄 (著) 宮城 (その他)

えらく「六人」を強調してます。

わかりますかね、わかりますよね。最初からしっかりと伏線をしいてくれているんです。7人、8人と勇者たちが登場するのかな~と予測した方、正解です。

アニメでも、この部分はナレーションでしっかりと入っていたので、ネタバレというほどでもないんですが、ここからでもミステリーの匂いがプンプンしてきます。

テレビでもそうですが2時間もののミステリードラマといえば、矛盾推理が一番の醍醐味。

登場人物たちのセリフの一つ一つを整合性を読み取り、不可解な行動がないかを丹念に読み込んでいくことで、怪しい人物がうっすらと浮かび上がってくる!

なんだかワクワクしてきませんか!?

容疑者は七人の勇者

「六花の勇者」に登場してくる容疑者(魔神の復活を望む者)は全部で七名。

そこで、ここではそれぞれのキャラクターたちの特徴を一巻からピックアップしながら紹介していこうと思います。

アドレット

六花の勇者
出典:六花の勇者 山形石雄

自称「地上最強」を名乗るアドレット・マイア。年齢18歳。

出身は白湖(はつこ)の国ウォーロ。十歳のとき、とある事情で故郷の村を離れ、師であるアトロ・スパイカーの下で過酷な修行の末、現在の秘密道具を櫛する独特な戦術スタイルを習得した。

ナッシェタニア

六花の勇者
出典:六花の勇者 山形石雄

ビエア王国第一王女にして、〈刃〉の聖者。ナッシェタニア・ルーイ・ビエナ・アウグストラ。年齢18歳。

白い鎧を身にまとい、頭にはウサギの耳を意匠(いしょう)化した兜をかぶっている。明るい亜麻色の髪に大きな赤い瞳の美少女。自由奔放でいたずら好き。

ゴルドフ

六花の勇者
出典:六花の勇者 山形石雄

ビエア王国の騎士団の一つ。ビエア国随一の強さを誇り、ナッシェタニア姫に忠誠を尽くす騎士。年齢は16歳。

黒い鎧と兜には羊の巻み角を模した意匠(いしょう)がある。大きな鉄槍(てつそう)を持ち、柄と右手首を頑丈な鎖でつないでいる。
 

フレミー

六花の勇者
出典:六花の勇者 山形石雄

〈火薬)の聖者。フレミー・スピッドロウ。年齢不明。

右目が眼帯に覆われ、左目は透き通るような青色をしている。顔の印象は少し幼さが残る。銃と爆弾を操る。

チャモ

六花の勇者
出典:六花の勇者 山形石雄

〈沼〉の聖者チャモ・ロッソ。年齢は14歳。

フリルのついたチェック柄のドレスに、道化の防止をかぶった傲慢な少女。若干14歳にして聖者の中でも随一の力の持ち主と言われている。

モーラ

六花の勇者
出典:六花の勇者 山形石雄

〈山)の聖者モーラ・チェスター。万天(ばんてん)神殿の長。年齢は20代後半。

万天神殿は聖者たちを統括する組織。聖者の力が悪用されないよう監視している。この世界に存在する七十八名の聖者全員の顔と名前、そして能力を覚えている。

ハンス

六花の勇者
出典:六花の勇者 山形石雄

ハンス・ハンプティ。殺し屋。年齢不詳。

くしゃくしゃの髪の毛で目が隠れて、麻のズボンとシャツ、柔らかい革の靴をはき、腰には鉈(なた)のような剣を差している。尻には猫のシッポを付けている。

魔神討伐に参加した理由は金のため。既にこの国の王様から前金をもらっている。

推理

さて、容疑者七人がそろったところで、いよいよ推理に移っていきます。裏切り者を突き止めるヒントとして、キャラたちのセリフの矛盾を追っていくのは得策とはいえない。

それよりも、行動の描写に注意を注いで読んでいくと、思ってもみなかった犯人像が見えてくるかもしれません。

隙を一切みせない裏切り者ですから、しっぽをつかむのはなかなか難しいと思います。しかし、霧幻(むげん)結界を発動させる神殿が今回の事件のすべてのはじめりだったわけです。

そう考えていくと、一つ一つの事がらを遡ってみてください。だれがアドレットをあのような状況にしたのかと考えていけば、自ずと犯人に辿りつくかもしれません。

あとがき

第一巻を読み終えてのアドバイスを一つ。かのアガサ・クリスティーの名言にこんなセリフがあります。

もし事実と理論が合っていないとしたら、捨てるのは理論の方ね

犯人とはきまって、予想を裏切る人であることが多いものです。へんな思い込みを捨て去ることによって、真実が見えてくることもあります。そう、真実はいつも一つ!なのです。

最後に、うれしいことにこの一巻で裏切り者が判明します。なので、一巻だけを読んでも、モンモンとする気持ちにはなりません。ただし(ここ要注意!)、解決したのも束の間、エピローグで新たな謎に遭遇して2巻へと続くことになりますが・・・

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約束の地に集った勇者は、なぜか七人いた。その直後、霧幻結界が作動し、七人全員が森に閉じ込められてしまう。七人のうち誰かひとりが敵であることに気づいた勇者たちは疑心暗鬼に陥る。そして、その嫌疑がまっさきにかかったのはアドレットで―
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コメント

  1. 通りすがり より:

    これが本当にミステリなのか気になったんで、ヴァン・ダインの二十則に照らし合わせてみたら全部違反してる事が判明した。
    六花はミステリではなくてアンチミステリジャンル(うみねこと同じ)に入ると思う。
    うみねこでさえ二十則全部は破ってないけどね。

    • KaoruAnatu anabre より:

      通りすがりさん

      コメントありがとうございます。

      なるほど、通りすがりさんの指摘によると、六花はジャンルでいったらアンチミステリジャンルに入る可能性があるんですね。正直「ヴァン・ダインの二十則」というのは知りませんでしたが、深く掘り下げていくと面白いかもしれない!

      個人的にはジャンルは別として、「謎解き」要素がある作品という意味で、ミステリ(単なる直訳)が前面に出ている作品に思います。なので、この記事も、六花の一番の魅力と感じた謎解きを前面に出した記事構成にしています。

      ヴァン・ダインの作品や関連本などに目を通して面白かったらここで扱わせていただきます。