六花の勇者 4巻 テグネウの切り札と一輪の勇者についての考察

今回はいよいよ、前巻から引っぱっていたテグネウの切り札について謎が明らかになる(ことを願います)!

この巻では、アドレットの故郷で離れ離れになってしまった親友のライナの活躍にページを割いていたこともあってか、思ったほどの暴露はありませんでした。

でも、こういう人情ストーリーも悪くない。描写はなにげにグロいですが、たくさんの屍兵(かばねへい)の中から彼を見つける手段が、冒頭のアドレットの回想シーンと繋がっていたとは・・・

あそこは鳥肌が立ちましたね。あれは伏線でもあったのかと、ストーリーは非常に読み応えがありました。

ライナ奮闘記は本編を読むとして、ここではテグネウが隠し持っている「切り札」と偽の紋章を中心に考察していこうかなと思います。

※六花の勇者はミステリー要素がふんだんにあるので、ネタバレ的な要素を少しでも知ってしまうと、どうしても萎えちゃうので、読み終えてからこの記事に戻ってくることをおすすめします。

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ドズーと偽の紋章

4巻で明らかになるのはドズーが持っていた偽の紋章の謎。しかし「偽の紋章」の入手方法には、ドズーとネグネウの2種類があることことから、まずはそれぞれに分けて整理していくことにします。

まずはドズー自らが語る偽の紋章から考えていきます。

現在ナッシェタニアが持っている、一つ目の偽の紋章。それはもともと〈時〉の聖者ハユハが、私に与えたものなのです
出典:六花の勇者④ 山形石雄

ハユハの力は時間の操作でした。触れることさえできいれば、どんなモノでも時間を自由に操作することが可能というチート的な能力。

ジョジョを思い出しても、ディオの「ザ・ワールド」をもってしても9秒しか世界を止めれませんでしたが、ハユハの場合、「触れたもの」という条件がつくものの、使い方しだいで半永久に時間を止めることができたという素晴しく恐ろしい能力であったようです。

このチート的能力を駆使してハユハは紋章を作り出すことに成功したわけです。

ご存じのとおりハユハは、触れた対象の時の流れを操作する能力がありました。彼女は、その力を六花の紋章そのものに使用したのです。(中略)ハユハは、消滅までの猶予を半永久的に引き延ばしたのです。
出典:六花の勇者④ 山形石雄

かつての六花の勇者たちは、魔神を討伐した後、6ヶ月以内に紋章が自然消滅してしまっていましたが、ハユハはどうやら自身の力を使って紋章が消滅する前に紋章の時間を止めてしまったらしいのです。

ナッシェタニアが魔哭領で平気だったのも、偽の紋章とはいつつ、実際には本物の紋章と同じ能力が宿っていたからだったんですね。そうなってくると、ドズーの魔神の代替わりという計画も納得がいきます。

魔神に攻撃できるのは六花の紋章を持つものだけということが、新たに判明しましたが、一輪の力が宿っていない紋章を持っていたとしても、魔神に攻撃すらできないわけですから。

ドズーの謎はおおよそですが理解できました。しかし、問題はこの次です。テグネウが持っている偽の紋章の謎についての解釈が難しい。

テグネウと偽の紋章

テグネウが手に入れた紋章については、ドズーから語られる情報ということもあり、曖昧なところもあるのですが、まずは整理してみることにしましょう。

時の聖者ハユハがきっかけであることはドズーと変わらないのですが、テグネウの場合、密かにハユハの力を利用して魔神だけでなく、一輪の勇者についても、なんらかの重大な情報を得ていたらしいのです。

ハユハは過去を知るための聖具を残していました。それはハユハの死とともに、失われたものと思っていました。しかしテグネウはそれを密かに手に入れ、一輪の勇者について探っていました。
出典:六花の勇者④ 山形石雄

頭が切れるテグネウ。もちろんドズーの推測も入っているとは思いますが、一輪の勇者について調べ上げたテグネウがその情報を元に偽の紋章を作り上げたという情報はほぼ間違いないとみていい。

そして、この中で「黒の徒花(あだばな)」というテグネウの切り札の存在も明らかになるのですが、ここが少し厄介なんです。

錯綜する真実

3巻のレビューでフレミーが怪しいという結論には一応なりましたが、いざ、4巻を読んでみると黒の徒花が誰なのか以外、実はほどんど分からない。

ドズーやライナからの説明はあるのですが、この二人の説明においても微妙に噛み合ってないのが気になります。

普通に考えれば、ドズーが嘘をついている可能性もあるのですが、今までの経緯を考えると、信じられる情報もあるはずです。

そこで、まずはドズーの説明から見ていくことにします。

一つ目は、テグネウの切り札が聖具であることです。人間の聖者や、神の力を得た凶魔などではなく、あくまで道具であるということです。
出典:六花の勇者④ 山形石雄

二つ目はその聖具の名。これはテグネウが書いた指示書を盗み見ることで判明しました。テグネウはその聖具を、黒の徒花と名付けています
出典:六花の勇者④ 山形石雄

ドズーの口から「黒の徒花」についての情報が語られる。さらに、アドレットの旧友ライナからも情報を得ることに成功します。

黒の徒花は、人間の姿をした聖具。白い髪と額に一本の角を持つ少女。恐ろしく冷たい目をした少女
出典:六花の勇者④ 山形石雄

ドズーは部下を全滅を代償として掴んだ情報であり、一方ライナは己の命と引き換えにして伝えた情報ということで、どちらも十分すぎるほどの信憑性があります(騙されている、あるいは嘘をついているという可能性もありますが)。

黒の徒花が聖具だとすると、フレミーは人間と凶魔から生まれた少女ですから、「聖具」という表現がどうも引っかかります。

聖具とは、聖者によって神の力がこめられた道具の総称だ。アドレットたちが持っている六花の紋章も、聖具の一種である。
出典:六花の勇者④ 山形石雄

聖具の定義は神の力が宿った道具の総称という意味。ドズーの説明によれば「神の力を得た凶魔などではなく」とあり、フレミーに当てはまるかといえば難しい、道具ではないからです。

とすると、さらに深い謎が隠されているのか、ただ単にどちらかの情報が間違っているのか、これだけでは情報が足りなさすぎます。ということは、またまた次巻に持ち越しというわけですが・・・まぁ、ライナに免じて許しますけどね(笑)

あとがき

4巻においての一番の功労者はハンスとなるでしょうか。智略の高さと強さを兼ね備えた行動によって、裏切り者を突き止める情報がまた一つ増えましたしね。

次巻ではいよいよ黒の徒花に限りなく可能性の高いフレミーについて、さらに詳しいことが明らかきなってきそうです。

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「七人目」の脅威がいまだ残る六花の勇者たちは、ドズーの話から、テグネウの策略の一端を知る。「黒の徒花」とよばれる聖具が、「七人目」に関する重大な手掛かりであるというのだ。アドレットはその聖具が造られた神殿へ向かい、正体を暴くことを決める
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