凶悪なモンスターたちをダンジョンに抑え込んだウラノス神。オラリオ創設メンバーの一人として、度々名前は登場していました。
特に、ヘルメスが発言(アニメ最終回とか)している印象がありますが、9巻でついにウラノスの正体が明らかになります。やはりヘルメスとつながっていましたか・・・。
ちなみに、この巻で扱っているエピソードはダンまち初の上下巻の構成になっているので、10巻まで読まないと完結しませんので、そこは注意が必要です。
ウラノス神、ギルド、そしてダンジョンの謎がまた一つ明らかになっていきます!
ダンジョンから産み落とされた異端児
9巻では、ダンジョンから産み落とされたモンスター、いや、モンスターと形容するには躊躇してしまうほどの、美形の竜女(ヴィーヴル)が登場します。
竜の胴体の代わりに生えた細い二本の脚、慎ましやかな乳房。肌の色や鱗さえ目を瞑(つむ)れば、僕と同じくらいの女の子にしか見えない。
出典:ダンまち 9巻 大森 藤ノ
本能によって冒険者たちに襲いかかってくるモンスターとは異なり、人間並みの知性と理性を持ち、なによりも人の言葉を理解し話すモンスターがベルの前に現れる。
美形の竜女の名前はウィーネ。そして、ダンジョンにはウィーネと同じく、こうしたイレギュラーなモンスターが存在し、彼らはゼノス(異端者)と呼称される。
異端者の存在が明らかになったことで、ダンジョンの秘密や、今まで謎に包まれていたギルドの詳細な内部構造が明かされることになる。
ダンジョンとギルドの謎
この巻で明らかになったオラリオの秘密はたいだい次に3つ。
- ウラノス神とは何者
- モンスターはどこから生まれどこへ行くのか
- ギルドの組織構成(トップは誰?)
いずれもダンまちにおいてかかすことのできない重要な情報です。
ウラノス神の役目
ウラノス神についての言及はダンまちには何度か登場してきました。アニメ最終回でも、ヘルメスのセリフに
「ああ、ウラノス・・・・祈祷(きとう)はどうした。」
出典:ダンまち 5巻 大森 藤ノ
がありました。オラリオ建設当初から現在に至るまで、祈祷を捧げる(ウラノスの神威)ことで、ダンジョンに棲まうモンスターたちの力を抑え込んでいる。
彼(ウラノス)が『祈祷』を行うことで、絶大な神威(しんい)でダンジョンを抑え込むことで、『古代』から繰り返されてきたモンスターの大移動や地上進出の動きは抑えられている。そう言われている。
出典:ダンまち 9巻 大森 藤ノ
ここでちょっと話が代わりますが、ギリシャ神話をひも解いていくと、ウラノスは世界の最初の支配者になります。神々の祖とも呼ばれ、実はゼウス神の祖父でもあるんです。
もちろん、これはギリシャ神話の設定ですが、9巻にしてウラノスが登場してきたことで、ここら辺でベルの祖父であろうゼウスとの関係の謎も明らかになるのかなと、少し期待しています。
ギルドの新のトップ
ベルが18階層で遭遇したゴライアスとの死闘(アニメ最終話)のイレギュラー事件も、結局はギルドによって真実がうやむやにされてしまいました。
そんな謎多きギルドですが、実は、ギルドにもウラノスが深く関わっていることが明らかになったんです。

出典:ダンまち 9巻 大森 藤ノ
巍然(ぎぜん)たる不動の王、ギルドの『真の主』は、ゆっくりと顔をあげ、ヘスティアを見下ろした。
出典:ダンまち 9巻 大森 藤ノ
時代の転換期、『古代』の節目に最初に降臨した神々とともにこのオラリオの地へ降り立ったこと。『大穴』から溢れ出るモンスター侵攻防止に尽力し、子供達とともに迷宮都市の前身となる要塞都市、ダンジョンの『蓋』を築き上げたこと。
出典:ダンまち 9巻 大森 藤ノ
ギルドを己の派閥とし、都市と迷宮の管理に明け暮れていること。それと絶対中立の立場を示すため、団員である職員達に『神の恩恵』を与えず武力を放棄していること。
出典:ダンまち 9巻 大森 藤ノ
これらはウラノスについての説明になります。
なるほど、ギルドとは何かと言えば、ウラノスの派閥(ファミリア)ということになるわけですか。ただし、中立を掲げているため「神の恩恵」は受けていないということらしいです。
たしかに、ウラノスがギルドのトップであれば、神たちも無下な対応はできないはずです。名実ともにオラリオの平穏に尽くしているわけですから。
ヘスティアはこの事実を知らなかったみたいですが、ロキやフレイヤあたりの巨大派閥ともなれば、さすがに知っているはずです。だとすると、フレイヤたちがギルドの命令に従っていたのも納得がいきます(8巻のラキア王国討伐とか)。
モンスターたちの出生の秘密
さて、モンスターのイレギュラーである異端児、そしてギルドの真の長(おさ)であるウラノスの存在。かなり見どころが多い巻になっていますが、ウラノスはダンジョンから生み出されるモンスターについても言及しています。
人間であれば、天寿を全うした子供達の魂は天界に還り、神々の手によって多くのは再び下界で生を受けることができる。
神自ら言うのだから間違いない。なら、モンスターはどうか。そもそも、モンスターは人間とは違って、神からの恩恵は一切受けていない。そのため、神様と言えどもモンスターの死後どうなるのか分からないらしい。
しかし、モンスターにも魂と呼べるものがあるのなら、死後、母なる迷宮(ダンジョン)へと還り、再びモンスターとして産み落とされるという。
「これは私の憶測だ。しかし、確信でもある」続けざまにウラノスは言った。「死後、モンスターの魂は、母なる迷宮へと還り・・・そして再びあの迷宮の奥で、姿形を変えて生れ落ちる」
輪廻転生(りんねてんせい)
出典:ダンまち 9巻 大森 藤ノ
幾千の生まれ変わりを経ることで、モンスターたちにも「変化」が起こり、異端児と呼ばれるような、今までとは異なるモンスターが生まれ始めているのかもしれないというのだ。
こういう展開になってきますか、ダンまちは。正直言いますと、ぼくが思っていた展開とは違いますね。
英雄譚を題材にしているところから考えても、王道の冒険ラノベを望んでいたのですが、方向性が違ってくる予感がしてならない・・・。
今後の展開
ベルくんはこの回でも、「お人よし」気質を遺憾なく発揮してしまい、厄介ごとに巻き込まれていきます。まぁ、9巻ともなれば、いつも通りな流れなんですがね。
憧憬一途(リアリス・フレーゼ)のスキルは能力こそ飛躍的な上昇が見込めますが、それに伴って精神も一緒に成長することはどうやらないらしい。
今後はファミリアのリーダーとしての器をどうやって成長させていくかが気になるところ。そして、この巻で最も気になるのがモンスターの位置づけ。
単なる「敵」ではなく、「人間と共存」しようとしているモンスターがいることが明らかになったことで、純粋な冒険活劇とはいかなくなるのかなと心配が残ります。
ただ、今回はしっかりとダンジョン回もありましたし、何気にベルくんのスキルも上達していましたから、読み応えは十分にあります。
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