前回、進撃の巨人スピンオフ『進撃の巨人 Before the fall』についてあれこれ書きましたが、
スピンオフ第一弾!進撃の巨人Before the fallは面白い?面白くない!?
ここ数年読んできたマンガの中でも、最強に面白い進撃の巨人。 原作以外にもスピンオフ作品があると言うことでラノベを読んでみたん ...
今回も証拠にもなく野暮な企画第二弾です。
前作では手がすべって出版社をボロクソに言いましたが、進撃ファンなら読めば分かります。
というわけで、今回も(勝手に)しっかり調査していきます!原作者以外の進撃の巨人はどうなんだ!!と目を光らせていきます。
時代設定
スピンオフ第二弾となる本作は川上亮による『進撃の巨人隔絶都市の女王』。
上下2巻にわたるラノベ作品で、漫画化はまだされていない。
気になる設定ですが、巨人によってローゼ・マリアが突破された(単行本1巻の冒頭)を描いています。年号で言えば845年あたり。
ウォール・マリアの西側に位置するクィンタ区が舞台。巨人が内地に侵入し、逃げ惑う人々を守る駐屯兵団のリタがこの物語の主人公。
クィンタ区はシガンシナ区の左側にあるウォールマリアより突出した都市。シガンシナ区より近い位置にあるため逃げ遅れた住民も多い。
巨人の侵入を防ぐため、内地との唯一の交通路である開閉扉を閉じざるおえず、クィンタ区は隔絶された城塞都市と化してしまう。
原作の設定をうまく利用した展開
スピンオフとはいっても原作との繋がりは当然大切。今作は原作を読んでいたとしても違和感はほぼなし、むしろスピンオフ作品に自然な設定としてはめ込まれている。
たとえば、入団2年目のリタがクィンタ区が駐屯兵団代理にまで昇格できたいきさつを読むと、
上官が死んだら次に階級の高いモノが指揮を引き継ぐ。いまのところあんたより上はいないんだから
出典:進撃の巨人隔絶都市の女王(上) 川上 亮
これは単行本18巻でエルヴィンが言っていたセリフとも繋がる。
出典:進撃の巨人18 諫山創
単行本の方が後に出版されたことを考えると、講談社、あるいは諫山創先生と十分な打ち合わせをした上で作品を書いたのかも、前回の反省を踏まえてw
ともかく、前回のスピンオフ第一作『進撃の巨人Before the fall』のダメダメさからうってかわって違和感はほぼなし。
リタが壊れていく伏線
ストーリー序盤、リタの上官が立体起動装置をうまく操作できずに殉職してしまう。一見すると「ご都合主義」にも読めますが、リタが所属しているのは調査兵団ではなく駐屯兵団です。
出典:進撃の巨人1 諫山創
100年余り巨人の脅威を知らずにいた彼らにとって、立体起動装置の扱いがギコチナイのはむしろ自然。しかも、この設定が伏線となってリタが次第に壊れていく。
こうした何気ない設定を丁寧に書くことで、原作の世界観を意識することができる。スピンオフとしてなかなか。原作を把握してないとスルーしがち。
調査結果
今回のスピンオフ作品は読んで損なしです。違和感もほぼなく、原作と適度な距離を取りながらも世界観を壊してない。
ラノベとして読み応えあるんじゃないでしょうか。おすすめです。
ただ、あとがきが意味不明。ポストモダンってなんだよ、余韻壊すような自己マン解説はいらない、読み飛ばされるだけだからね。
進撃の巨人スピンオフ第二弾作品調査報告終わり。