一部で伝説となったポエムアニメ『灰と幻想のグリムガル』、残念ながらアニメ版は失敗してしまいましたが原作のラノベはなかなか面白い。
文章に多少のクセがあるものの、1巻を読み終えることができれば以降それほど気にはならなずハマっていくと思う。ただもっと気合入れて単行本作れよと出版社には言いたい、説明と心情がごちゃごちゃで読みづらいにもほどがある。
せめてセリフ部分は行を変えてくださいよオーバーラップさん。
あらすじ・ストーリー
赤い月が照らす世界グリムガルのとある塔で目を覚ました12人の男女。なぜここにいるのか、自分が誰なのかすら分からないまま、案内人と名乗る女性ひよむーの先導でレッドムーン事務所に連れていかれる。
そこでおかま所長のブリトリーから人間族は正規軍や義勇兵を組織し存亡をかけてモンスターと戦っていること、レッドムーンは民間の義勇兵団組織であることを知る。
この世界で生きる術(すべ)を知らない彼らは義勇兵なることを決める。その中の一人ハルヒロが、この物語の主人公。
ギルドに入り職業を選びスキルを学んでいくハルヒロ。塔で出会ったメンツでパーティを編成し、いざ戦いへと赴く、が、そこは命と命の駆け引き、殺すか殺されるかの死闘への入り口。ハルヒロたちは残酷な現実を目の当たりにする。
リアル視点で描く冒険譚
俺tueee設定が多いラノベ業界の中で、もし異世界に転移して右も左も分からない状態で「モンスターを倒せ」と言われたら、多分こんな感じになるだろうなといったリアルな視点で描いてるラノベ。
HPがゼロになればモンスターが死亡といったデジタル設定ではなく、モンスターもモンスターで生活があり生きている。その命を奪う感覚をしっかりと描いている。
「命のやりとりだから!」とマナトが叫んだ。「これは命のやりとりなんだ!俺たちも、相手も、泥ゴブリンだって、真剣なんだ!これ以上ないくらいの真剣勝負なんだ!簡単なわけ、ない!誰だって、どんな生き物だって、死にたくないだろ!」
出典:灰と幻想のグリムガル1 十文字青
泥ゴブリンとの戦いでは致命打を与えても死ぬその瞬間まで抗に生に執着する。頭部の三分の一が潰れてさえも逃げまどい生きようと必死になる。
文章は多少読みにくさはあるものの、作品の世界観に慣れればきっとハマる人は多いと思う。こうしたご都合主義を排したストーリーでは「ダーク」な部分も当然あるので、そこらへんのハラハラ巻も面白い。
そして、ハルヒロは特別な才能もない平々凡々なモブキャラ的存在ときている。いつだれが死んでもおかしくない、そんな世界観。
グリムガルという世界
戦い(殺し)なれていないハルヒロたちの描写を中心に描かれているため、序盤ということもありそもそもグリムガルムという世界については分からないことだらけ。ただ物語の方向性は提示している。
最終的なゴールとしてはそもそもなぜハルヒロたちはグリムガルムにいるのか、グリムガルムとはなんなのかについての謎を解決していく展開になっていくと思う。
1巻ではそこまで詳しくは触れてませんが、
「しかし、おかしいよな。何もかも。俺たち、何やってるんだろ。剣とか、魔法とか。まるでゲームみたいだ」
「ゲームか。ほんと」
ハルヒロはまばたきして、首をひねった。「げーむって、どういう?」
「え?」
マナトもしばらく考え込んでいた。
「わからない。でも、今、俺が言ったんだよな。ゲームみたいだって。そのときはそう思ったんだけど」
出典:灰と幻想のグリムガル1 十文字青
この世界はゲームみたいだとハルヒロの仲間の一人マナトが言うのだが、どんなゲームなのか思い出すことができない。
まるでRPGの登場キャラたちを彷彿とさせる設定に、ゲーム画面の中をリアルに描いていのかもしれない。「この世界が本物でなく、まがいもの」といった説明もあるので余計気になる。
「灰と幻影の」なんてタイトルからしてもこの世界って幻なの??と推測は容易にできちゃいますからね。ハルヒロはいったい何者なのか、ここが最大の伏線。
不死の王討伐への道
ハルヒロが何者なのかも気になりますが、そのカギを握ってくるのがグリムガルドの覇権を握っていた不死の王という存在。
まだまだ駆け出しルーキーのハルヒロですが、1巻のエピローグでは不死の王が復活する兆候があることが明らかになる。
義勇兵として不死の王討伐もこの物語の重要な幹となり謎が明かされていくんでしょうか。こんな風に読むべきゴールが分かりやすく提示されているので文章に馴れればサクサク読んでいけますよ。
1巻まとめ・感想
1巻の序盤は「読みにくい文章だなぁ」と思ったんですが、中盤から面白くなっていきました。ただし!ちょいエロ要素はありますが、お色気はあまり期待できないw
おさらいすると、リアルなRPGラノベでいつだれが死んでもおかしくない緊張感がたまらない作品となっています。作品のゴールとしては次の二つ。
- ハルヒロやグリムガルムという世界とは一体なんなのか?
- 不死の王の討伐
これを主軸にしてストーリーが展開されていきます。毎巻毎巻ハラハラさせるので途中で飽きることがなく読めるはず。リアルダークファンタジーを所望している方にはもってこい。
つづく
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