単行本24巻の98話「よかったな」で登場していた東洋出身のヒィズル国の着物おばさん。エルディア人の子どもをかばていた様子は、どこか意味深な匂いがプンすか。
もしかしたら、今後のストーリーで重要な人物となるのか、ならないのか、気になったので調べてみることにしました。
ヒィズル国は日本人がモデル
出典:進撃の巨人24 諫山創
98話に登場した着物女性、通称、着物おばさん。エルディア人の給仕が着物にワインをこぼしてしまうのだが、このとき「どんな目に遭うかか分からないでしょ」といってかばうシーンがあった。
このあとガビちゃんから
東洋から来たヒィズル国の人だ
というセリフがあった。
東洋人、そして着物姿となれば、モデルは日本人かなと推測。また、ヒィズル国の「ヒィズル」は日(ヒ)出(ィ)ずる(ズル)国をもじった、という説もあるらしい。
聖徳太子ですな。
この着物おばさんがなぜエルディア人をかばう行動をしていたのか、考えられるとすれば、エルディア人の歴史を知っているからってことになる。
東洋人といえばミカサの母親も東洋人だった。
レイス家の「記憶の操作」が効かない一族として迫害を受け続けてきた歴史があるが、そもそも壁内にいることから、フリッツ王と共にパラディ島に渡ってきたことになる。
つまり歴史的にみても東洋人とエルディア人との間には、交流していた接点があったことは確実なわけで、そうじゃなきゃ壁内に東洋人が住んでる説明がつきませんからね。
今回、着物おばさんが登場したことで、その繋がりがより鮮明になったように思わないでもない。
着物の紋章
もう一つ気になるのが着物に描かれていた紋章。
出典:進撃の巨人24 諫山創
モデルが日本人とするならば、この紋章は普通に考えて「家紋」の類でしょう。戦国時代をみても日本は家紋パラダイスなお国柄ですから、着物に描かれているのは家紋だと仮定して考えてみる。
家紋の成り立ちは基本、自己アピールとして付けていったものが多い。時代劇なんかで装飾品や衣服に家紋を付けることがあるけど、他の者と区別するために付けられたのがはじまり。
ヒィズル国の家紋を見ると、円の中に刀が三角形に組み合わさっているように描かれている。この家紋は実際に存在する。
「三つ組み筋違(すじかい)」と呼ばれるもので、筋違(すじかい)というのは、二本の直線を斜めに交差させた幾何学的な紋様のこと。
この意匠は、家や城を守るという意味があり、武術に恵まれた一族が付けていることが多いという特徴がある。
ヒィズル国の家紋を見てみると、筋違になっているのは直線ではなく刀である。そのため、武術に長けた一族がヒィズル国ではないかと推測。
ケニーの回想を検証
ケニーの回想によれば、壁内にはエルディア人以外の民族も少数派ながらいた。彼らの特徴は「記憶操作」を受けないこと。多くの少数民族は王政に支持するが、二つの民族が王政に反発した。
出典:進撃の巨人16 諫山創
アッカーマン家と東洋の一族である。
アッカーマン家は王側近の武家であり、王政の懐刀としてパラディ島に来たと言える。そして、ここからは推測になるが、フリッツ王に同行した東洋人も、アッカーマン家のように武術に長けていた一族(着物の紋章から推測)ではないだろうか。
ヒィズル国の着物おばさんがエルディア人をかばったのは、王政に反発した東洋の一族が、実はヒィズル国だったなんてことはないだろうか。
ミカサとの関係
そう考えていくと、1つの伏線が回収されるかもしれない。それが、ミカサの右手に刻まれている印の謎である。
出典:進撃の巨人2 諫山創
ミカサの父親はアッカーマン家の分家であり、母親は東洋人。そして、母から右腕に一族が受け継いできた「印」が刺繍されているコマが描かれていた。しかし、ミカサの刺繍については今まで一切言及してこなかった(と思う)。
母親とミカサとの会話から、この印は父親ではなく母親の家系が受け継いできた印であるといえ、着物おばさんに描かれていた家紋とミカサの右腕に刺繍されている「印」となにか関係があるのではと考察できる。
ミカサに刻まれている印が着物に描かれていた家紋なのかなとも思ったりもするが、どうなんでしょうね。