満場一致特別試験を終えて、佐倉愛理(さくら・あいり)の退学を端に発した、クラス崩壊の危機にある堀北率いる2Bクラス。
読者の多くが思ったであろう、なぜ退学する生徒が櫛田ではなかったのか、という疑念をどう解決していくのか。
6巻では、このあたりをメインに描かれます。さらに、体育祭も間近に迫っている状況で・・・どう乗り切るのか?
登校拒否する生徒
クラスの雰囲気は絶望すぎるほど最悪。さらに深刻なのは、満場一致特別試験以来、登校拒否する生徒が現れてしまったことだ。
登校拒否する生徒王 | クラスのみんなに平田が好きなことがバレ登校拒否 |
櫛田 | 綾小路に本性ばらされたことで開き直り暴言吐き登校拒否 |
波瑠加 | 親友の佐倉が退学したショック、綾小路・堀北への恨みから登校拒否 |
堀北は、みんなの前で櫛田を退学させなかった理由を説明したものの、だからといって、クラスメイトが完全に納得するわけもなかった。
綾小路グループも、仲間の一人・佐倉を失ったことで、関係修復にはどうがんばっても難しく、事実上崩壊してしまった・・・
綾小路の判断は正しかったのか?
ここで前回5巻の内容をふりかえると、当初綾小路は満場一致特別試験において、櫛田を退学にするために動いていました。
ところが、堀北の直感(合理的・戦略的判断ではないという意味で)によって櫛田は退学させないという選択をした。
堀北の選択した「裏切者である櫛田桔梗を退学させない」という考えは、存在しないものであり不合理であり、ミスである
出典:ようこそ実力至上主義の教室へ2年生編6 衣笠彰梧
綾小路は、この判断はミスだと言ってたものの、最終的に「不合理な失敗」ともいうべき判断を受け入れました。
なら、どうして堀北を支持することにしたのか。この答えとしては、堀北の成長した姿がみたいからだといいます。
堀北の考えを支持した理由はたった1つ。身も蓋もない言い方だが、堀北の成長、方向性、その結果を見てみたいからだ
出典:ようこそ実力至上主義の教室へ2年生編6 衣笠彰梧
櫛田を残すことで堀北がさらに成長していくと考えたみたい。実際、6巻では堀北のリーダーとしての実力がいかんなく発揮されました。
- クラスのわだかまり解消
- 櫛田を説得し登校させた
- 龍園と協定結ぶ
綾小路の支えはあったものの、堀北がリーダーとしての資質、そして成長をみせていたのが、6巻における一番の特徴でしたよね。
堀北の手腕と櫛田のポジション
間近に迫った体育祭を前にクラスの現状は最悪、このまま放置すれば、結束は崩れ一気に最下位へと転落しかねない。
これまでは綾小路が裏で動いていたけど、今回は堀北が中心となってクラスの難題を解決していくことになります。
堀北と櫛田の交渉
本性がクラスのみんなにバレてしまった櫛田、彼女をどう協力させるか、佐倉を退学にしてまで残した堀北に課せられた課題です。

まず、堀北がしたのは、櫛田と話し合うこと。けど彼女の部屋を訪れるも居留守をつかわれ、一度として会ってはくれない。
だが、堀北は粘り強く櫛田の部屋を訪れ、粘りに粘って櫛田との話し合いの場をもうけ、そして、説得させ登校する約束と取りつけた!
櫛田のクラスでの立ち位置
櫛田が復帰したのはいいけど、彼女のクラス内での立ち位置が一番の問題です。本性がバレたことによって櫛田は今度どう立ち振る舞うのか?
満場一致特別試験後にはじめて登校した櫛田は、まず、みんなの前で謝罪しますが、そこには強気の櫛田の姿がありました。
これまでのように、ある程度の体裁は維持するつもり。だから時と場合によっては他クラスの情報を集めてくることもできる
出典:ようこそ実力至上主義の教室へ2年生編6 衣笠彰梧
私に敵意を向けてくる人には、誰であっても容赦しない。特別試験で暴露したのなんて本当に一部だけ。隠したい事実をもってる人は他にもいっぱいいるよね?
出典:ようこそ実力至上主義の教室へ2年生編6 衣笠彰梧
クラスにはこれまで通り貢献する、でも、本性がバレた今、もし私を貶(おとし)めようとする人がいたら容赦なく潰す。
それが、櫛田がこのクラスでの立ち位置であり、自分を守る方法。この櫛田の態度が今後クラスにどう影響していくのか???
成長する生徒たち
満場一致特別試験を端に発した今回の危機、完全に関係性が修復したとは言えないけど、堀北の健闘により危機は脱した感じです。
そして、堀北以外にも、平田や須藤たちも自主的に動いていました。綾小路に相談する場面こそあったけど、各自の判断で動いていたのも事実。
綾小路に頼るこれまでのクラスとは違う、新たなクラスへと成長した、そのきっかけになったのが、奇しくも満場一致特別試験でした。

波瑠加(はるか)の復讐フラグ
ただ、今回の騒動による一番の問題は、間違いなく波瑠加です。親友を失った悲しみが恨みとなり、綾小路と堀北に向けられた。
どうすれば堀北さんときよぽんに復讐できるか、私はその答えを探している
出典:ようこそ実力至上主義の教室へ2年生編6 衣笠彰梧
波瑠加の心の闇は深そうです。ただ、綾小路の言動から、波瑠加のこの対応も想定内な感じがするんですよね。
はじまる!体育祭
クラスの問題解決も大切だけど、もうすぐ始まる体育祭の準備も重要!ただ、ここでも堀北が手腕を発揮します。
堀北がしたのは、龍園とクラス間の協定を結んだこと。しかも、堀北側への不利な条件が一切ない対等な関係だ。

体育祭の結果
龍園と協定を結んだことで、坂柳率いるAクラスを抑えることに成功させた堀北。さらに、万全を期すためのもう一つ手を打っていたようだ。
それが
Aクラスの司令塔・坂柳を体育祭に出場させないことで、Aクラスの実力を半減させる作戦だ。この作戦を実行したのが綾小路だった。
坂柳体育祭欠席のカラクリ
綾小路がとった作戦とは、坂柳の自分(綾小路)に向ける好奇心を利用したもの。体育祭当日、綾小路は棄権を選びます。
ホワイトルームから送り込まれる来賓との接触を避けるためというのがその理由(口実)で、体育祭前に理事長に伝えたのだ。

そして、身体的ハンデから坂柳がもし欠席したら被害を受ける可能性があるといい、坂柳にも話してほしいと言ったのだ。
綾小路の読みどおり坂柳は欠席した。体育祭で得られる報酬よりも、綾小路の動向に関心の針がグッと動いたためだ。

さらに、寮には綾小路と坂柳だけ。二人で話し合うにはこれほど絶好の機会はなく、欠席することでの恩恵は十分にあると判断したのだ。
綾小路の告白
基本的には坂柳、おまえのしようとしていることと同じだ。おまえはオレを倒すことで天才の意味に答えを出そうとしている。オレはオレでホワイトルームの教育はけして完璧なものじゃないことを、オレなりのやり方で証明しようと考えてる
出典:ようこそ実力至上主義の教室へ2年生編6 衣笠彰梧
坂柳との密談で綾小路が気になるセリフを言っていたんですよね。しかも、今後のストーリーにおいてかなり重要とみた。
綾小路は最強のクラスを作ろうとしていますが、彼の最終目的は、あくまでホワイトルームの教育の不完全さを証明することです。
最強のクラスを作ることが、ホワイトルームの不完全さを証明することになるのか、ここが分からないというか、繋がらないんですよね。
ただ、そのヒントになりそうな箇所が、ラストのほうで描かれていました。それは、綾小路が独白する部分です。
おまえの成長を見届けた後、オレは、おまえのクラスを離れる
絶対に勝てると確信したクラスをもってしても、勝てない現実と向き合う時が来る
オレがそれを教える
ほかの誰でもない自分のために
オレはオレが勝っていればそれでいい
オレが敵になり堀北と倒すと決めたら、それは確定事項だ
だが、倒されたいと願うからこそは離れようとしている
出典:ようこそ実力至上主義の教室へ2年生編6 衣笠彰梧
綾小路は、堀北をはじめクラスメイトの成長を促しているけど、それは、いずれ綾小路自身と戦うためだといいます。
綾小路の最終目的はホワイトルームの教育制度の否定、堀北と戦うことで、それを否定してほしい(倒してほしい)からなのか?
よう実2年生編6巻まとめとクラス変動
体育祭の結果は、龍園と堀北の協定、坂柳の体育会欠席により、Aクラスは最下位となり独走状態に歯止めがかかった!!
- 2A 坂柳(1106ポイント)
- 2B 堀北(871ポイント)
- 2C 龍園(651ポイント)
- 2D 一之瀬(628ポイント)
問題はまだまだ山積しているものの、堀北をはじめとする各生徒たちの成長っぷりが際立っていた回でした。
一方、一之瀬クラスが出遅れてきています。このままでは、上位クラス争いから完全に脱落していきそうな状況です。

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