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ハンターハンター考察・感想 グリードアイランド編を振り返る!

グリードアイランド編では念のさらなる奥深さ、そして少年ジャンプのまさに王道バトルマンガをしっかりと描いていますw

キメラアント編は神ストーリー(別格)として、グリードアイランド編を好きな回として挙げる読者は多い。

単行本で言えば13~18巻あたりまで

スペルカードの穴

グリードアイラン編ではスペルカードの穴をうまく利用して相手をいかに出し抜くかが攻略のポイントになってくる。

だから読者は今編を理解するためには、まず40種類のスペルカードのすべてを把握するという苦行を強いられる。

単行本14巻に掲載されている40種の全スペルカードは紙面かせぎでもなんでもなく、ストーリーを楽しみたいなら登場するカードの効果は覚えろよという冨樫から読者に向けた命令なのだ。

グリーンアイランド編
出典:HUNTER×HUNTER14 冨樫義博

プーハットでありアベンガネである。まさに「1時間で頭に叩き込んでくれ」という訳だwww

とはいえすべてのスキルカードを暗記するのはともかく、主要なカードの効果は知らないとストーリーに付いていけないのは確か。しかも、スキルカードの説明の穴をつくような使い方もたびたび登場する。

たとえば複製(クローン)の効果は指定ポケットにあるランダムなカード1枚を複製するというスペルカードだが、指定ポケットを空にすることで希望のカードの複製を100%作ることができる。

大天使の息吹を複製で複数枚所有するときに使っていた裏ワザがその一例。実はこの裏ワザはゴン達のセリフの中で度々登場してくるのだが、詳しい説明は一切描かれていない。

グリーンアイランド編
出典:HUNTER×HUNTER14 冨樫義博

大天使の息吹の複製を作るときにようやくその場面が描かれるのだが、複製の「ランダムな指定ポケットから1枚」という説明を覚えてないと、このコマの意味が分からない。

さらにはスペルカードの一覧だけでなく、指定カード100枚すべての設定もその後の巻で掲載していることからその本気度が伝わってくるw

H×Hの中のいち章にこれほどの情熱と労力をかける作品はない、というか普通週一連載でこんな無謀なことはしないwしかし、それをやってのけるのが冨樫という漫画家なのである。

編集者と読者を犠牲にしてwww

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念の奥深さ

ヨークシンシティ編では念の基礎を、そしてグリードアイランド編では念の応用までをビスケからみっちりと教わる。基礎四大行を発展させて凝や堅、硬といった応用技を習得していったゴンたち。

グリーンアイランド編
出典:HUNTER×HUNTER15 冨樫義博

とくに今編では念の極意について説明しているコマが二つある。1つはゴンたちに修行させているビスケ。念使い同士のバトルでは「思考の瞬発力」の重要さを説く。

未知の相手と戦うときにいかにすばやく思考し対処するのか、それによって勝敗が決まってしまうのだ。そしてもう一つの極意はレイザーのセリフ。

グリーンアイランド編
出典:HUNTER×HUNTER17 冨樫義博

念の攻防移動は戦いの基本であるとともに「奥義」でもあるのだと言う。念のさらなる習得のためにグリードアイランドで修業してきたゴンとキルア。

その集大成としてお披露目の場があのドッジボール試合という舞台だった。作者はここで修行の成果と成長ぶりを描いたわけだが、そこにはビスケの言葉を借りればダイヤモンドとサファイアの原石の2人の天才がうまく描き分けられていた。

天才の描き分け

まずゴンはレイザーを打ち負かすためにキルアにボウルを持たせ修行で編み出したジャンケングーでオーラを増大させ打ち抜く方法でレイザーを倒そうとした。

さらに驚くのはゴン・キルア・ヒソカの三位一体によってレイザーの攻撃を真正面から受ける方法を思いつく。ボマー戦もそうですがゴンの戦いにはビスケの言う「思考の瞬発力」によって戦況を逆転させる力を描く。

グリーンアイランド編
出典:HUNTER×HUNTER17 冨樫義博

一方でキルアはゴンの無茶な要求も困り顔1つせずその経験とセンスでもってなんなくこなしてしまう。

今までキルアはもちろんゴンも非凡な才能を見てきたが、グリードアイランド編でゴンの「思考の瞬発力」の高さ、そしてキルアのオーラの攻防移動にみる天性のセンスによってそれぞれの天才の特徴をきっちりと描き分けているのだ。

ジャンプ方式

ゴンとキルアの成長回がグリードアイランド編の位置付けになると思うが、もう一つ忘れてはいけないのが2人の友情の物語回でもあるということ。

グリーンアイランド編
出典:HUNTER×HUNTER18 冨樫義博

ラスト、ビスケが「ジンにあったらどうするの?」という問いに「キルアを紹介するよ、最高の友達だって」というセリフで終わる。

実は2人がお互い友情を確かめある場面は幾度となく描かれている。14巻の冒頭では「キルアとこれてホントよかった」とBLチックな展開にキルアもテレる場面も描かれていた。

念修行を通じて強さだけでなく2人の友情も描いていたのは見逃せない。そう考えるとグリードアイランド編は少年マンガ、いや、少年シャンプの王道である「友情・努力・勝利」をしっかりと描いている編でもあったのだ。

キルアとの友情を深めビスケの元で修行という努力によって念を強くしていき、レイザーやゲンスルーを倒し勝利していく。少年ジャンプの精神がすべてがつまっているわけで、この章が好きな読者が多いのもうなずける。

ただ残酷なことに次のキメラアント編で2人の関係が壊れてしまう、この急変ップリは次の編で見ていきたい!

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