最強伝説 黒沢 ああ無常、40代・独身・孤独・・・そんな男の日常漫画

穴平建設に入社して26年、今年44歳を迎えることになった黒沢齢男(としお)。いまだ未婚、同棲はおろか、付き合っている女性すらいない。誕生日だというのに祝ってくれる友人もなく、今日も居酒屋で一人夕飯を済ませる黒沢。

ふと思う。

最近浮いていないか?俺の人生

得たものといえば、齢とシワと、ガタついてきた体・・・同期入社で入ってきた奴らはリストラされて会社を去るか、出世して上にあがるかだ。

黒沢はそのどちらの道でもなく、「年長」という理由で現場監督の肩書きは一応もってはいるが、ようは「運がよかった」のだ。今の時代、俺の年代で使えない奴らは容赦なく首を切られてしまう。

職があるだけましなのかもしれない。

ハァ、それにしても孤独だ、淋しい、俺は何のために生きているのだろうか・・・

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もう一人の齢男

はじめから少しりシリアスになってしまったが、正直そこまで絶望感のある漫画ではないことは言っておきます。ただし、面白さの中にも、ダークな部分が見え隠れしているのは間違いない。

たとえば、こんな話。

淋しすぎて、いてもたってもいられないとき、そんなときは決まって唯一ともいえる「友達」に愚痴をもらす。

無口な友達は、いつも黒沢の愚痴を聞いているだけだが、それが黒沢にとっては逆にいいのかもしれない。

最強伝説 黒沢
出典:最強伝説黒沢① [kindle] 福本伸行 P38

太郎、黒沢はこの交通整理の人形に「太郎」という名前をつけ友達になったのだ。

淋しい、淋しすぎる黒澤、だが・・・

最強伝説 黒沢
出典:最強伝説黒沢① [kindle] 福本伸行 P39

なぜか胸にグッとひっかかってくる。

ギャグ漫画ではあるが、その影にダークさが見え隠れしているだけに、読んでいるとたまに怖くなる。そんなところもまた味になって面白い。

人望が欲しい

淋しすぎる男・黒沢だが、彼は仕事で生きていくことを決意する。黒沢が働いている同僚たちは、みないい奴らばかりだが、決定的に欠けているものがある。それは、

人望!!

役職的にも「現場監督」というポジションでありながら、下からの人気はなく、会社でも浮いている存在になりつつあった。

40代、平社員にとって会社での立ち振る舞いが難しい年頃である。

最強伝説 黒沢
出典:最強伝説黒沢① [kindle] 福本伸行 P39

まるで平坦な自分の人生とは裏腹に、悩み続ける今の心境のような、うねる坂道を上がりながら決意する黒沢。さて、同僚たちの人望は集まっていくのか?

ここから、黒沢の最強伝説が幕を上がっていくことになっていくことに・・・なる?

嫉妬に狂う

会社には必ずといっていいほど頼りになる社員はいるもの。残念ながら黒沢は実力というよりも、運でここまできてしまったのだが、穴平建設にはそんなスーパーサラリーマンともいえる、何もかもが完璧な男が一人いた。

その名は、赤松

若干28歳にして、複数の現場監督を任されている将来有望な男である。そして、なによりも憎らしいのは、既に美人の奥さんと、かわいい子供がいる家庭を築いていることだ。

最強伝説 黒沢
出典:最強伝説黒沢① [kindle] 福本伸行 P61

44歳、独身、出世の見込みもない黒沢が嫉妬に狂わないわけがない。私生活がダメなら、仕事でがんばるしかないと心に決めた黒沢。なんとか自制しつつも、勝てない!勝つことができない圧倒的敗北感!!

しかし、黒沢は諦めない。

最強伝説 黒沢
出典:最強伝説黒沢① [kindle] 福本伸行 P67

アジフライ弁当

黒沢の作戦、それは同僚の胃袋を掴むこと。肉体労働の最大の楽しみは、昼休みの仕出し弁当である。黒沢はその弁当に、前日スーパーで大量に購入した差し入れの「アジフライ」で労おうと、弁当に一つずつこっそりとし忍ばせる算段を計画する。

姑息!

最強伝説 黒沢
出典:最強伝説黒沢① [kindle] 福本伸行 P116

44歳らしからぬ思いつきなのだが、黒沢の姑息な計画に笑ってはいけない。もしかすると、喜ばれるかもしれないからだ。さて、この作戦は同僚に受けいれらることができるのだろうか(笑)

ないようである日常

独身のおっさんの日常は仕事でも私生活でも悩み多きものだが、それでもなんとか生きている。黒沢は漫画だけのフィクションなようでも、実は共感する男性は多いように思います。

世代が違っても、既婚者でも、学生でも、男ならきっと読み耽ってしまい、いつしかハマッている自分に気がつくはずです。「最強伝説 黒沢」かなりおすすめ。

最強伝説 黒沢 1 福本 伸行 [電子書籍版]
2002年12月、土木作業監督・黒沢(くろさわ)は、自分の人生があまりにも満ち足りていないことに焦りを覚え、「人望が欲しい・・・!」という自らの欲求に気付く。44歳の誕生日を迎え、それを機に生き方を変えようと奮闘する。
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