マンガ感想論

ザ・ファブル14巻 新章始動!真黒組抗争劇!

ザ・ファブル、14巻が発売されましたね―――。新章がいよいよはスタートゥしましたが、やっぱおもしろいはこの漫画。ヤンジャン含めて個人的に今一番好きなタイトル。

新しくはじまる章はファブルも関係してきそうな、真黒組の内部抗争!怪人・山岡さんの不気味な笑みと、クーデターを画策する砂山、まだまだ序盤だけどワクワクするね。

殺し屋・二郎

新章スタートとはいってもまだまださわり部分、本筋はこれかれってところなんですが、佐藤兄妹を世話している真黒組が今章の舞台。

真黒組の砂川が組を牛耳ろうと内部抗争を画策し動きだすのである。

狙われたのは二人。

若頭・海老原と組長・浜田

真黒組のトップ2である。

組長、若頭のどちらか一方を自然死に見せかけて殺して欲しいと依頼。「二郎」と名乗る殺し屋が大阪へと乗り込んでくる。

調査期間は二ヶ月。

十分な事前準備により対象者の行動をチェックし確実に仕留める、佐藤に劣らぬプロである!ザ・ファブルでは、いままさまざまな暗殺者が登場してきた。

が、いずれも佐藤と比べれば二流・三流レベルといっても言い過ぎではない。しかし、今回砂川が雇った「二郎」という男はどうも只者ではないのだ!

たとえばこのシーンである。

ザ・ファブル14 ネタバレ考察
出典:ザ・ファブル14 南勝久 講談社

真黒組の周辺を調査している二郎だが、偶然にも佐藤とすれ違ってしまうのである。公園だろうか、仕事の帰り道の佐藤とまさかのニアミス!

ザ・ファブル14 ネタバレ考察
出典:ザ・ファブル14 南勝久 講談社

同じ「殺し屋」の匂いを感じとったのか、佐藤が後ろを振り返るのだが、そこには男はもういない。こうしたコマからしても、二郎が今までとは全く違うヤヴァイ奴であるのが分かる。

佐藤同様、二郎も違和感に気付き身を隠したのかは定かではないが、佐藤よりもコンマ数秒早く察知して、姿を隠したところを考えると、なかなかのやり手であるのは間違いなさそうだ。

前章ウツボ編に登場した鈴木、コイツは佐藤が殺し屋だとは全く気付かなかった。挙句に自分から声をかける始末。あの行動は一流とは言えない。

さらに言えば、144話「ハンモックの男」での佐藤と若頭・海老原との会話が一種の伏線ともいえるよね。ただ、二郎はファブルではなく、山岡が用意した外部の人間、とはいえ佐藤の強敵になる予感はストーリーからも読み取れる!

今のところ佐藤が真黒組の抗争に巻き込まれない雰囲気だけど、まぁ~流れからして首をツッコんじゃうよね。ただ、ボスとは殺さずの誓いを結んでるわけだから、二郎とどう戦っていくのか楽しみ。

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殺し屋同士のスパーリング

ザ・ファブルのなにが面白いって、ストーリーはもちろんだけど、何気ない日常シーンなのだ。殺し屋、ヤクザを描くわけだから日常が日常でないのだ!

今回の日常会は兄妹のスパーリング回。

洋子を6秒以内に仕留めるという兄、明。殺し屋のスパーリングとは指に塗った口紅を相手の首に付けたら勝ちというもの。殺し屋に準備運動は不要、間合いに入ったら攻撃の合図。

ザ・ファブル14 ネタバレ考察
出典:ザ・ファブル14 南勝久 講談社

スーッッッッ

洋子もボスに育てられてファブルの一員、そこらの男どもでも相手にならないほど強い。だが、やはり明はそれ以上に強い。かつてボスが言っていた通り「殺しの天才」である!

興奮するクロちゃん

ザ・ファブル14 ネタバレ考察
出典:ザ・ファブル14 南勝久 講談社

わずか6秒ながらも濃い~~スパーリングを興奮しながら見ていた1人の男、黒塩(クロちゃん)である。殺し屋、いや、明に憧れる彼は、またもや首を突っ込むというお決まりのパターンへw

だが、彼は決して読者を裏切らないッ!

クロちゃんも中学時代は太平山中の番を張ってたらしく、地元では負け知らずのだったらしい。なかなかの武勇伝を持っていそうである。

が、やはり殺しのプロには敵わない。ヤクザでえもホンモノには手も足も出ない。

明の間合いに入るまでは、打撃のフリをして、掴みにかかる、、フリをして、結局打撃という、一周回ってただ殴るという頭を使ってるようで使ってない攻撃を仕かけるのだが、どんな攻撃を仕かけてこようとも明には勝てるわけもなかった。

よいおとしよ~~w

真黒組での内部抗争がはじまろうとしている中、季節は師走。明が働いているオクトパスも今年の仕事納めに入っていく。佐藤にとっては今年は一般人として過ごしてきた特別な年だったはずである。

ザ・ファブル14 ネタバレ考察
出典:ザ・ファブル14 南勝久 講談社
年末の挨拶がしっくりこない明

仕事納めの日、みんなは普通に年末の挨拶をする中、佐藤だけ1人しっくりこない様子。「よいお年よ」と微妙に言い間違えている。佐藤らしい描写だけど、やはりそこは、殺し屋として生きてきた非日常が垣間見えてしまう。

こうしたシュールなシーンはキャラ設定の勝利。一般人になりすまして生活を送る殺し屋・佐藤明。

子どもの頃に誰しも一度はやったことがある、コマ回しや凧揚げ、明が「正月と言えば」という質問に真っ先に答えていたのも、どこか悲しさを覗かせる。

でも、そこには笑いもあって、ゆえにシュール。ミサキに送られてきた凧あげの写真では、凧が米粒くらいにしか映ってないんだけど、拡大してようやく凧だと分かる、この一連の動作にミサキ同様に爆笑。

一般人とはズレた行動に笑いがあるんだけど、明の正体を思うといろいろ考えちゃう。うまいよね~ホント。

ザ・ファブル14 南勝久
出版社: 講談社
発売日: 2018/6/6
言語: 日本語
ASIN: B07DCN9CWL

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