週刊ヤンマガで連載されていた平本アキラ先生による『監獄学園』、連載は2011年からはじまり2018年4・5合併号をもって終了。
連載のラストの不評からから、単行本では一部修正された真のラストが公開されましたが、問題の修正部分はかなり微々たるものでした。なにか変更されたんだ!と思った読者もいたはず。
けど、ラストが全くとっていいほど修正されないってことは、平本先生のラストはあらかじめ考えていた最後だったと考えた方がしっくりきます。
というわけで、ラストに至る伏線を追いながら読み返してきますッ!
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花ちゃん登場回!
監獄学園のラストを語るには、花とオシッコは切っても切り離せない関係。女風呂を覗いたことで、裏生徒会によりプリズンに投獄されてしまったキヨシたち男ども五人。
裏生徒会による厳しいお仕置きの日々を送っていたが、いつも監視についていた副会長の白木芽衣子と一緒にやってきたのが、緑川花。
出典:監獄学園1 平本アキラ 講談社
よろしくねー♪
前髪パッツンの花の初登場コマ。裏生徒会長の書記を務めている彼女、となりにいるムチムチ眼鏡女子こと、白井芽衣子と比べても、ホンワカタイプの可愛い女子に見える。
だがしかし!
彼女もまた、暴力というお仕置きを平気でする子であったのだ!しかも、副会長とは違い、スカーとにジャージをはいているというあるまじき格好。
これでは、お仕置きの楽しみが全くない!花はただの暴力女でしかないからだ!しかも、空手でインターハイに出場したほどの実力者、男どもも真っ青の武闘派ときたもんだw
出典:監獄学園1 平本アキラ 講談社
「ハイハイ」とハイを二回言ったために・・・
花への言葉づかいをミスしてしまったシンゴ。妥協も手加減も一切無用の、脳天直撃のかかと落しをモロくらい、首の骨をグネるwww「ハイ」は一回だけでいいのだツ!
すべての始まり
そんな花にとって、一生忘れられない事件に遭遇してしまう。ただ、この偶然の産物に悪者は誰もいない、そう、神様のきまぐれ。ただただ運が悪かっただけなのだ。
キヨシという男の運がッ!
タンポポ茶を飲み過ぎたせいか、監視中に尿意をもよおしてしまった花。足をモゾモゾ、トイレまで我慢できない花は、まさかの野シ○ンを強行!
しかし、これがバットタイミング、花がしているまさにその頭上には、キヨシがいたのである!なんという偶然w
出典:監獄学園1 平本アキラ 講談社
花のおしっこの音がはっきり聞こえるこの絶妙な距離、キヨシがなぜこんなところにいたのかはさておき、必死に自分の存在を消そうとするキヨシ。
俺は木の一部、俺は木の一部、俺は今、木と同化しているのだ!と、ひたすら花がいなくなるのを耐えていたが、運が悪かった、飛来してきたカラスに驚きバランスを崩してしまうのだッ!
つまり、地面に落下、そこにはパンツを下ろしてオシッコをしている花の秘密の花園が御開帳状態!キヨシは花園に咲く一輪の肉厚な花びらを凝視!
恥部を見られてしまった花は、これ以降、キヨシにしつこく付きまとい、ことあるごとに「おしっこを見せろ」と命令する、そして、この出来事がイミフなラストへとつながるのだッ!!
花の好奇心
おしっこ事件をきっかけにキヨシを意識しはじめていった花。ことあるごとにキヨシに「オシッコ見せろ」とせがむようになっていく。
あるときは、人気のないゴミ捨て場でせがむ。オシッコみせろよ!と。キヨシが仁王立ち、その前に花が屈みこむ。キヨシのエリンギを拝むその眼差しは、まごうことなき純真無垢な子供のそれだ。
出典:監獄学園1 平本アキラ 講談社
ドキドキ
ドキドキな花、それもそのはず、男の子のエリンギなんて初めて見るわけだからね。ってことはだよ、今まで付き合ったこともないし、キスはもちろん、エリンギなんてお父さんのを見たくらい。
純粋さはときに恐ろしい怪物になりうる
これは、かの有名な歴史学者の言葉であるが、まさに今の花に当てはまる行動である!今から顔○プレイをするのだからッ!
千代とキヨシと花
キヨシのオシッコプレイは、これだけでは終わらない。なぜなら、花はまだ完全には納得していないからだ。花が納得したオシッコをしなければ、キヨシは許されない!
そして、一度快楽を知った者は、常に新しい刺激を求めるかの如く、花が要求するプレイもまた、次第に過激さを増していく・・・
キヨシが保健室でア○ルの治療をしていたときのこと、突然、花も入ってきたのである!なぜか、そう!オシッコのリベンジを果たすためッ!
しかも手には尿ビン持参、ここにオシッコをしろと言うのだ!だがそのとき、最悪のタイミングでチヨちゃんも保健室へやってきたしまう。ただ、花とは違いキヨシを心配しての行動、マジ天使!
出典:監獄学園1 平本アキラ 講談社
キヨシに恋心をよせる千代
この千代ちゃん、裏生徒会長の妹にして、キヨシと同じクラスの女子。そして、キヨシに恋心を寄せる女の子でもあるのだ。
突然やってきた千代に、キヨシと花はビックリしてベットの下に一時避難することにする。しかし、この時二人はあることに気付いたしまう。
パンツを穿いていないことに!
若い男と女がベットの下で密着状態、男のエリンギがムクムクと元気づくのは無理からぬこと。しかし、ここからがアウトだった。
出典:監獄学園5 平本アキラ 講談社
キヨシのエリンギが花の秘密の花園に今まさに侵入しようとしてるのであるッ!その瞬間、まだ男を知らない花は、スーーッと気を失うしなってしまうのは、当然の反応と言える。
とはいえ、ここで重要なのは、このときエリンギは秘密の花園に入ったか、入ってないか、であるが、そんなことはヤボ、言うまでもあるまいw
メデューサの罠!
裏生徒会編終盤の終盤に事件は起こる。キヨシのオシッコをただ見たかった花の好奇心だったが、思い返せばすべて返り討ち、そのたびに花は穢(けが)れ、汚れていった。
そんな溜まりにたまった羞恥と侮蔑が爆発したのが、プリズンでのあの晩であった。このときは、初夏にしてはまだ早すぎる季節だというのに、いやに蒸し暑い夜だったという。
部屋には花とキヨシの二人だけ。
花が持っていたのはハサミとペットボトル。キヨシにとって一番恥ずかしい夜にしてやる!と鬼の形相で罵倒を浴びせる花。
一体なにが起こるん・・・だッ!!
と一瞬頭をよぎるが、花はまだ男を知らない女の子。そうムゴイことはしない。花が見たいは、昔も今変わらない。私の目の前で、私が満足するオシッコが見せろッ!なのだ。
出典:監獄学園8 平本アキラ 講談社
キヨシよ!なんだそのイケメンは!!?
しかし、今日のキヨシはナニかが違う!花の猛アタックにも一ミリも動じない、いや、むしろ、自らパンツを下ろし積極的にオシッコアピールをするのである!
キヨシのこの堂々とした振る舞いに対して、いつものキヨシでないことを悟った花は動揺する、なんでコイツ、下半身露出してるはずなのに、こんなにも堂々でいられるんだ!?
と頭がパにくる、しかし、花も花、男を知らないとはいっても、キヨシにあんなことやこんなことをされたことで、強くなっていたのである!
キヨシが場を制したかに見えたこのターン、しかし、花がこの空気を一変するのである。自らもパンツを脱ぐことで、キヨシと対等に、否、優位な立場に立ったのであるッ!
出典:監獄学園8 平本アキラ 講談社
花も、、脱ぐ!!?
なぜに花が脱ぐのか、パニックになるキヨシは思いもよらないセリフを浴びせられる。「私もあんたにオシッコをぶっかけるためだろうが!!」と。
キヨシのオシッコを見る⇒お互いオシッコをかけあう、という謎のすりかえ理論によって、花の秘密の花園、否、今やメデューサと化した彼女の下半身は、キヨシのエリンギを今にも石化しようと睨みつけるのであった、、、。
ファースト・ディープキス
花とキヨシのオシッコかけたいバトル!はたからみれば、変態同士の戯れにしか見えないが、当の本人たちは本気も本気、青春真っ盛りの男女が同じ部屋で下半身露出。
一進一退の攻防が続くかと思えば、花の精神が一気に瓦解する。やはり男であるキヨシよりもエロに関しては免疫が低いのであろうか。急に鳴き出してしまう。
出典:監獄学園8 平本アキラ 講談社
なんて私ばっかり辱めを受けるのよ・グズ・・
花の変態行動は、キヨシにおしっこを見られたことがすべての始まり。キヨシにリベンジするも、ことごとく返り討ちにあり、そのたびに汚れていった。
キヨシに色んなものを奪われた花、そんな彼女はまたしても、奇抜な行動に出でる!この状況でキヨシの唇を奪ったのだ!
つまりどういうことか、キヨシの大切なものを奪った、いや、奪ってやったのだ!!ファーストキスという人生で一度きりの大切で特別なキスを!
どんなこをしてもキヨシより優位に立とうとする花。「すべてはキヨシに復讐するため」、いつしか花はキヨシに対して歪んだ愛情を感じはじめていたのだ!
出典:監獄学園8 平本アキラ 講談社
あ、頭がバカになるううううっっっつ!!!
ところがだ、キヨシは花の暴走に受け身ではいなかった。キヨシは気づいてしまう、花のキスはフレンチのキス、小鳥がつつくような優しいキスだったのだ!!
場が覆った瞬間である。そして風向きはキヨシに吹く!
キヨシは、花のフレンチキスに対してディープな大人のキスで迎え撃つ!その結果、花は戦線離脱。今回もキヨシの勝利、花は返り討ちにあったことで、またしても敗北感を味わうのであった。
69事件
ディープキスを境にして、キヨシに向ける視線には「恋」の雰囲気を覗かせるようになっていく。だが、花自身は自分の気持ちに正直になれない。
しかし、それも無理からぬこと!なぜなら花がキヨシを執拗なまでに付きまとうのは、
キヨシのオシッコを見ること!
これが1巻からずーーっとさせたかったことだからだ!とはいえ、キヨシもキヨシで花を「かわいい」と感じる場面も登場するようになる。
そして、ついに、その時が来るのである!!
それは体育祭での出来事。この日、花は強行手段に出る。キヨシの男子寮におしかけ、オシッコを見せろ!と直談判に出たのである!
しかも、今回はそれだけではない、いつの間にか花の目的は、オシッコを見せろから、オシッコを掛け合うことになり、この超上級変態プレイをするために69を提案するだッ!
お互い裸になり1つの布団に入り、花は布団の中へともぐり姿勢を逆にして、エリンギを目指す、そうなれば自然と花のメディーサはキヨシの眼前に現れる!
出典:監獄学園18 平本アキラ 講談社
ピュシャーーーーーッ!!!
これぞ69、そして、ついに花はキヨシの顔面にオシッコをかけることに成功するのである、、、ここまでいく度も返り討ちにあってきた花、ようやく願いが叶ったかに思えたのだが、
キヨシの様子が・・・変なのである。
出典:監獄学園19 平本アキラ 講談社
もう普通の人間じゃない
厳密に言えば・・・「変」態なのである。
花にオシッコをかけられたことで、キヨシは「普通の人間」ではなくなってしまう、つまり「変態」になってしまったのだ!花との数々の羞恥プレイでキヨシもまた汚れていったのだ!
オシッコまみれを喜ぶ男など、ほんの一握りのマニアだけ。多くは自尊心と羞恥心とで、自我が保てなくなる。ましてや未だ恋もロクにしたこがないキヨシであれば、当然の反応である。
体育祭でのハミチン事件が物語っているように、キヨシは69オシッコ事件以降、どんどん変態性を増してくキャラへと変貌していくのだった!
【体育祭編は単行本を読んでくれ!】
カエルの王子様
いよいよ!ここからイミフ最終回への核心へと迫っていく!
体育祭も終わったある日のこと、ひょんなことからキヨシと花はお買い物と称したデートをすることになる。服を選んだり、プリクラを撮ったり、たこやきを食べ合ったり、、、
それは、まごうことなきデートである!
しかし、キヨシは花に対して恋愛対象にはない、「オシッコ」という呪いで繋がっている関係。しかし、体育祭での69事件で花のオシッコを浴びたことで、キヨシの呪いは解けたことになるのだ!
出典:監獄学園26 平本アキラ 講談社
カエルから人間に戻れたっていうか
キヨシは自分がオシッコの呪いから解放されたことを、「カエルから人間に戻れた」感じだと表現する。晴れ晴れしいキヨシとは裏腹に、どこか元気のない花。
呪われた関係も今日まで、、、この言葉が花の心をざわつかせる。
そして、電車の中で花はキヨシに告白する。私と付き合えば?と、あくまで自然な告白、本気とも冗談ともとれる、フランクな告白。これにキヨシは、冗談だと思い、かるく流してしまう。
とはいえ、花は完全に冗談とは言い難い。キヨシに特別な感情が芽生えていたのは事実だから。ただ、それでも、そんな自分の心に正直になれない自分がいたようだ。
出典:監獄学園26 平本アキラ 講談社
なんであんな奴と、あんなキモイ、カエル野郎に告白なんかしたのかと。ただ、その目には大粒の涙、言葉と感情がともなっていなかった。
そして、花がイメージしたカエル、これはキヨシがさっき言っていた「カエルから人間になれた」というセリフから、花がイメージしたカエルだ。
その頭には王子様が被るような王冠が描かれている。カエルというキモイ存在、でも、ときどき王子様に見える瞬間がある、そんな花の乙女心が、王冠を被ったカエルをイメージさせたのだろうか。
雨と告白と三角関係
監獄学園の最終回は、千代ちゃんがキヨシに告白する回。そして、花は最後の最後まで自分の心に正直になれなかった回でもあった。
千代ちゃんとキヨシが付き合うことに、どうしても納得できなかった花。本心は聞けなかっけど、千代ちゃんはとっくに気づいていた様子だった。
千代ちゃんのようになりたいって当たりから、気づいていたのかもしれない。最後の最後で千代ちゃんがキヨシの告白を受け入れたときに、納得できない!納得できない!と駄々をこねまくり全力で拒否するわけだ。
監獄学園のラストを言ってしまえば、キヨシと千代ちゃんが結ばれることはなかった。理由は花がキヨシのある秘密を暴露しちゃったから。それは、キヨシの変態性!
出典:監獄学園28 平本アキラ 講談社
思えば、この縞縞パンツはラストのための壮大な伏線でそた。保健室のときも、69のときも、そして、体育祭のときも、いつも花がはいていたお気に入りのパンツ。
69事件のときに間違えてお互いのパンツをはき違えてから、それぞれがそれぞれのパンツを大切に持っていたのである!いつか履くときのためにw
縞縞パンツが千代ちゃんの告白という一世一代の大舞台ではいてくるとは、変態の正体見たり!花との数々のプレイが最後の最後で、千代ちゃんに振られるというオチに結びついた!
その後の千代ちゃんは、キヨシの変態がトラウマとなり、姉の栗原真理と同様に男嫌いになってしまったのか、裏生徒会長に就任する。その目には、かつての優しさはもうない。千代さんもまた、花同様に、キヨシの犠牲者の一人だったと言える。
なお、花とキヨシのその後の関係は不明である。
監獄学園ラストまとめ
キヨシに告白された千代ちゃんが、「こちらこそよろしくお願いします」という、あのコマで終われば大団円だったのは間違いなかった。
28巻表紙だって、満面の笑みを浮かべる千代ちゃんがいるわけだからさ。でも、花の今までの羞恥、そしてキヨシの変態性、そして縞縞パンツという伏線を考えるとハッピーエンドじゃない。
あの場面で、花が納得できるわけがない!キヨシは花のオシッコをかけられた時点で、言ってみれば伏線は仕込まれていたといってもいい。そもそも、千代ちゃんがキヨシを好きになったのは、ウソからはじまったこと。
このウソはずーっと千代ちゃんにバレることはなく、また、キヨシも正直に話そうとはしなかった。相撲好きなこと、女風呂を覗いたこと、そのすべてがウソ、そのウソに惹かれていった千代ちゃん。
出会いが出会いだから結ばれたら結ばれたでどこかしっこりこない。
とはいえ、このラストに納得はいかないのは一読者としては共感できる。そして、学園長のストーリーは本気でムダだったなと読み返して改めて思った、、、ゾ!
オワリ