漫画「エリカ」は、少年画報社から出版のサイコホラー漫画。作者は楠本哲先生。最近では「給料日のグルメ」などホラー以外の漫画も。
副題に「戦慄の女子高生ストーカー」とモロバレしており、1巻完結にもかかわらず正体を引っ張ることなく、表紙でバラす意欲作!
編集者のセンスなのか、はたまた天然なのか。本編はホラーでありながらも、ツッコミどころアリアリの作品でした。
漫画「エリカ」あらすじ・ストーリー
作者 | 楠本哲 |
出版社 | 少年画報社 |
連載雑誌 | - |
巻数 | 全1巻 |
代表作 | 無敵道、恨まれ屋など |
臨時教師として県立湘雲高校に赴任してきた青島一哉(かずや)。2Bを受け持つことになるも早速問題発生する。
教頭によればクラス内でいじめが発生しているというのだ。登校初日、問題の生徒・閉野恵里佳(えりか)にいじめ相談をされる青島。
そして「守ってほしい」と懇願され、勢いにまかせて約束してしまう。しかし、その日をさかいに恵里佳からの異常な猛烈なアタックがはじまる。
女子高生ストーカー
エリカの正体は、表紙でネタバレされてますが、女子高生ストーカーでした、まる、というオチ。それ以上でもそれ以下でもなかった。
いじめの噂も、たしかに無視されてはいるけど、そもそも精神がイかれており、関わりたくない奴とされていたんです。
出典:エリカ 楠本哲 少年画報社
実際、クラスの様子が映っているコマがあるんですが、エリカの周囲はマスク必須(笑)。明らかに異常な状況ッ!
これらすべて、エリカの体臭が原因。そして誰も何も指摘しない、いや、言えない。何をされるか分からないから。
ちょっとの指摘でも逆ギレ必至。学校側もスルーなようで、ツッコミ要素はあるものの、これが2Bの日常なのだ。
変にかかわるとなにされるか分からない不気味な存在エリカ。すぐキレるし、体臭クサイし、頭おかしいJK、そりゃ無視しますよ。
ニコニコエリカ
出典:エリカ 楠本哲 少年画報社
ただ、赴任してきたばかりの青島先生はそんな事情は知らない。エリカのいじめ問題に手を突っ込みかかわっていく。
正直見た目は悪くはない(むしろ可愛い)。青島にはじめて接触したときには、ニコニコエリカで闇は一切感じられない。
このとき青島も普通の生徒の一人としか思っていたなかった。けど、エリカは言葉と涙で、青島にグイグイと近づいていくことになる!
エリカのドロドロ手料理
たとえばエリカの手料理。あるとき、エリカの強引な約束で島田にお弁当を作るのだが、その料理が凄まじい。これ料理ですかというレベル。
出典:エリカ 楠本哲 少年画報社
エリカの一方的なグイグイに青島は当然受け入れるわけもなく、お弁当を払いのける。そして、お弁当からこぼれ出る中身。
お弁当の定番といえば、たこさんウインナー、目玉焼き、からあげあたりで流動は一ミリもない。だけど、エリカちゃんのお弁当はドロッドロ。
なぜドロドロになるのかは知らない。そもそも、どうやって調理すればあんなことになるのか。エリカの料理センスはなさそうだ。
肩パンチ(通称肩パン)事件
エリカの青島先生へのアタックは日に日にエスカレート。そんな、エリカに対して青島も黙っちゃいない!男をみせろ青島!
粘着に疲れ怒りマックスの青島、先生にあるまじき暴力で、エリカの猛アタックを粉砕していく。完全に肩はいってますね↓
出典:エリカ 楠本哲 少年画報社
タックルという名の肩パンチを口顎に浴びせる青島先生。「目には目を」の精神で、対話での解決は一切しませんッ!という気合を感じる。
この漫画は、エリカの戦慄ストーカー行為がポイントですが、青島もまた、ツッコミどこと多めの暴力ですべてを解決していくのだw
エリカの闇は両親にあり
エリカの境遇はどうも幼少期にあるようです。エリカの叔母によれば、幼い頃に両親からヒドい虐待を受けていたようなのだ。
両親が人間の心を持っていなかったのか、ほかに理由があったのか不明ながら、異常なほど愛情を渇望していことが、今の姿にしてしまったのか。
とりわけ気になるのが、エリカの一人称な呼び名です。もしや、エリカの深層心理を表しているのではないだろうか。
エリカという一人称
出典:エリカ 楠本哲 少年画報社
エリカは自分のことを「エリカ」と名前で呼んでいました。一人称が名前の女子はどこかきな臭い。異性を意識するぶりっ子タイプなのか。
5chには、一人称女子は自己中心的なキャラ、かまってほしいという潜在意識が潜んでいるとかいないとか。
そういえばタイトルもエリカだッ!となると、エリカの一人称キャラは考えに考えた設定なのか、この作品は奥が深いのかも(白目)。
漫画「エリカ」の結末・ラスト
エリカのストーカー行為に恐怖した青島は、その後学校を辞めることを決意。エリカとの関係の一切を絶とうとします。
青島は奥さんと郊外に移り、仕事も食品会社の営業職に再就職。赤ちゃんも生まれ、平穏な毎日に戻ったと思いきや、エリカの影がッ!?
出典:エリカ 楠本哲 少年画報社
うしろ!うしろ!
かなりの胸くそな結末。アパートを見つけ出し会いにきたエリカ。青島は台所にあった包丁を掴み切りかかろうとします。
だが、エリカだと思っていた相手は実は奥さんでしたというラスト。エリカのストーカー行為は、確実に青島の精神を蝕んでいたのです。
平穏だと思っていた毎日は、実は青島の精神はボロボロで、エリカの悪夢にうなされ、思い出しては吐き気をし、いつもエリカの影に怯えていた。
そして、ついに!夢ではなく本物のエリカが目の前に現れたことで、恐怖の限界値は越え、精神がおかしくなったというオチ。
奥さんを殺したのも、あまりの恐怖に奥さんとエリカを間違えてしまったという痛恨の凡ミスをしてしまったからでした。
出典:エリカ 楠本哲 少年画報社
ラストでは、精神がおかしくなった青島が精神病棟のベットの上で「お前の料理が食べたい」とうわ言をいう青島の姿、その横にはエリカがッ!
両親を殺したのはエリカ説
ツッコミどころはあるものの、かなりゾッとする漫画。そして、本作では触れてないものの、気づいてしまったことが一つ。
過酷な幼少時代を過ごしたエリカは、祖母や知人など、複数の人間をタヒていた。そして、彼女の殺人衝動は今にはじまったことではない。
小学生の頃にも、同級生を殺したようなニュアンスが。おそらく彼女の異常性から考えれば、手にかけていた可能性は高い。
出典:エリカ 楠本哲 少年画報社
両親が早くに亡くなった!!?
両親と言えば、エリカに虐待していましたが、死亡とは不可解です。というのも、エリカの両親は作中に登場していますが、いずれも若い。
病気や事故も考えられるけど、エリカの殺人衝動が幼い頃から芽生えていたのであれば、両親を殺めていた可能性は高い。実際に身内である祖母も平気でタコ殴りにしていたわけだし。
漫画「エリカ」に関する感想・評価
漫画「エリカ」に関するみんなの意見を集めてみました。一番多かったのは「怖い」「ホラー漫画」という感想。
読者は恐怖を感じてページをめくるたびに恐怖がゾワゾワやってくる、今まで読んだ漫画で一番怖かったっていう感想もあるくらい。
もう一つは陰鬱エンド。担任として手を差し伸べた青島が、仕事も妻も子供も、そして自分自身までも失ってしまうラストは救えない。
今日更新されたLINE漫画のエリカってやつ最強にバッドエンドで今日の活力失われた、この漫画やばい
— ちゃーちゃん (@72chaachan) July 21, 2016
ライン漫画にあるエリカって漫画今まで読んだ漫画の中で短い作品だけれど1番強烈でインパクトあったし軽くトラウマレベル…
— りく (@rixxx_9) August 27, 2018
昔読んだけどラストがトラウマすぎて今でも覚えてるってツイートがかなりの数あるんですよね。一番怖いのは人間(真理)。
漫画エリカの最終回まとめ
ここまで漫画「エリカ」についての感想を話してきましたが、みんなの感想や評価からしても、読後感は実にさまさま。
個人的にはエリカの異常すぎる行動にゾワッとしました、トラウマ作品といわれている理由も最終回を読めば分かります。
1巻完結ものなので、気になる方はぜに手に取ってみてください。ただ、読後感が最悪なのはご注意くださいw