キャンディ・キャンディ(以下キャンディ)を読もうと思って、通販サイトで探してみるとなぜか売っていないんですよね。
絶版とは一体どゆこと?キャンディは70年代と古い作品ながら、今なお人気の高い作品なのにどうしてなのか。
そこで、キャンディについて調べていくと、原作者と作画者間で「キャンディ・キャンディ事件」なる争いが勃発していたんです!
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補足
キャンディ・キャンディ事件
95年に原作者・水木さんが、作画者・いがらしさんを民事で訴えます。両者で結んでいた契約をいがらしさんが違反したというのです。
これをキカッケに関係は泥沼化していき、およそ5年にわたる争いの結果、水木さんが勝利した事件がキャンディ・キャンディ事件です。
よく泥沼の原因が「著作権争い」と誤認されがちですが、それはあくまで法律的視点であり、根本的な原因はいがらしさんの契約違反です。
水木・いがらし間の関係悪化年表
年月 | できごと |
1995年 | 水木・いがらし間でキャンディ関連ビジネスにおいて「双方の同意を必要とする」等の契約結ぶ |
1997年 | プリクラ事件 水木の許諾なくいがらしがキャンディのプリクラ事業はじめる⇒水木の抗議により撤去 |
1997年 | キャンディ翻訳版事件 水木の許諾なくいがらしが玉皇朝出版からキャンディ翻訳版を香港で出版 |
1997年 | キャンディ関連商品同意事件 いがらしが水木にキャンディ関連商品4点の販売同意通知送付⇒水木拒否⇒いがらし一方的に契約(95年に結んだもの)破棄⇒関係最悪に |
1997年 | キャンディ・キャンディ事件 水木はキャンディ関連商品販売停止求めいがらしを相手取り民事訴訟。キャンディ・キャンディ事件と呼ばれる一連の争いへ |
1997年 | 反訴 いがらしが「水木にキャンディの著作権はない」と主張し反訴⇒裁判の争点がいがらしの契約違反から著作権問題にすり替わる |
2001年 | 最高裁まで争われ水木勝訴⇒水木にキャンディの著作権ありとの判決 |
いがらし側の反訴内容
いがらしさんは「キャンディの絵の著作権はいがらしの単独著作物であるため、そもそも水木に許諾する必要などない」と主張したのです。
いがらしさんが犯した「契約違反」を回避するために、弁護士に言われたのか、争点を著作権にすり替えて争う姿勢を見せていきます。
反訴とは
事の発端はいがらしさんの「契約違反」
水木・いがらし間の「ケンカの原因」は、いがらしさんが水木さんと95年に結んだ契約を、いく度となく破ったことが発端でした。
いがらしさんが契約を破るたびに、水木さんはキャンディの権利を守るために、抗議や販売停止請求を一つ一つおこなっていきます。
抗議や販売停止請求はいがらしさんだけでなく、関わっている企業に対しても行うわけで、想像を超えるほどの労力と時間を費やしたはずです。
その行動は正直異常。というのも、水木さんと裁判で争っている最中でも、キャンディ関連商品を次々と販売していきます。
- キャンディ関連文房具発売⇒販売停止
- キャンディ関連飴商品発売⇒販売停止
- キャンディ関連グッズ発売⇒販売停止
- キャンディ原画販売⇒販売停止
このとき著作権問題は宙ぶらりんの状況。当然、水木さんの許諾はなく、独断でキャンディ関連ビジネスを続けていました。
その後、著作権の関係で販売停止に追い込まれた会社が、いがらしさんを相手取り裁判を起こし、多額の賠償金を支払うことになります。
いまだ泥沼関係にある理由
当初はいがらしさんの「契約違反」を追求するために裁判を起こしたはずが、争点がいつのまにか「著作権問題」へとすり替わっていきます。
- 水木⇒いがらしに契約違反の謝罪要求
- いがらし⇒水木に著作権はない
水木さんは、いがらしさんに契約違反を謝罪してほしいのに、裁判では著作権争いになり、水木さんの当初の主張は埋もれていきます。
水木さんが当初主張していた、いがらしさんの契約違反の責任の所在は、裁判が終了しても今だうやむやのままなのです!
<著作権事件>としてみれば、判決が確定したのに何故、原作者は出版などを拒否しているのか、不可解に思われるのも当然かもしれません。しかし、<未だに解決していない詐欺事件>として、考えていただければ、とても作品を生かせる状況ではないと、少しはお分かりいただけるかと思っています。
出典:水木杏子公式HP
こちらは、2006年に水木さんの公式HPに公開した文章です。真に解決したいのは契約違反(詐欺事件)なのです。
争点すり替えは弁護士の入れ知恵?
その問題(著作権問題)を正当化せんといがらし氏の弁護士、取り巻きの漫画家や漫画評論家たちが画策しています
出典:水木杏子公式HP
水木さんの説明によれば、著作権を争点にしたのはいがらし側弁護士の画策だといいます。裁判に勝つため意図的にズラしたのでしょうか。
また、著作権管理は95年まで講談社がしていましたが、キャンディの著作権範囲は原作者と作画者両方にあるとして扱っていたようです。
その間にいがらしさんから著作権に関する不服は一切なく、裁判で突然主張したことから、主張と言動が一致していないのが気になります。
いがらし側のふところ事情
そもそもいがらしさんは、なぜこれほどキャンディ関連ビジネスを強引に進めていたのか。その背景には金銭的事情があったようです。
90年代にいがらしさんの仕事がなくなっていったのは事実です。レディースコミックもブームが去ると仕事がなくなっていって、講談社ではほとんど仕事がないということになりました
出典 封印作品の謎2 安藤健二 太田出版
封印作品の謎2の中で、講談社の版権管理部門で働く竹村さんの証言より、90年代に入りいがらしさんの仕事が激減してきます。
一方、水木さんはといえば、児童作家として大成しキャンディ以外での仕事も多く、安定した収入を確保できていたといいます。
封印作品の謎
判決後のキャンディ関連商品の行方
97年から5年にわたり争われたキャンディ・キャンディ事件は、2001年に最高裁で原作者の水木さんにも著作権があると判決が下ります。
これにより、キャンディ関連商品は原作者の水木さんと、作画者のいがらしさんの二人の許諾がなければ販売できなくなります。
そして不幸にも、この判決により、キャンディ関連商品は世の中から完全に消えます。アニメ、ビデオなど映像物、漫画も絶版・放送禁止に。
キャンディ漫画・映像物販売状況商品 | 販売状況 |
KCコミックス | 講談社から出版の単行本全9巻は2001年に絶版 |
文庫版 | 中央公論社から出版の文庫全6巻は99年に絶版 |
アニメ | アニメ再放送禁止、ビデオ、DVDなどの映像物の販売不可 |
実は2004年にコンビニ本として、キャンディ漫画復刊の企画が持ち上がったんですが、水木側の承諾が下りず実現しませんでした。
キャンディ・キャンディが小説で読める理由
ちなみに2010年に小説版キャンディが出版されています。著作権の問題から小説での発売が限界だったといえそうです。
キャンディを読む方法はないの?
漫画は絶版前は普通に流通していたので、中古であれば読むことはできます。とはいえ、現在の相場は1万円以上と高額です。
キャンディ漫画中古価格状況通販サイト | 販売価格 |
駿河屋 | 13,200円~【文庫版】 |
まんだらけ | 12,100円~【単行本】 |
アマゾン | 12,000円~【単行本】 |
DMMコミックレンタル最強説
この記事では、キャンディ漫画を読むための方法がメインなので、私が調べた限り一番気軽に読める方法を紹介しますw
それが、DMMコミックレンタルの利用です。1月115円から借りられ、現時点で一番お得に読める方法です。
DMMレンタル | サービス内容 |
レンタル冊数 | 10冊~最大50冊まで |
レンタル料金 | 1冊115円 |
レンタル送料 | 840円 |
キャンディ・キャンディを読める日
キャンディ漫画やアニメ、関連グッズなどは、お二人の関係がよくならない限り発売は難しく、今でも修復には至っていないようです。
キャンディファンとしては、手軽に作品を読みたい願望がありますが、漫画ならDMMのコミックレンタルでかろうじで読めるのが現状。
結局どっちが悪いの?
こればかりは当事者同士の問題なのでなんともですが、水木さんは民事裁判までして争う必要はあったのか、冷静さに欠けていたのではいか。
いがらしさんは、地方裁判の時点で非を認め、水木さんに謝れなかったのか。お互いに和解するチャンスがあったように思わなくもない。
結局、当事者の2人以外には誰にも解決できない問題なのだ
出典 封印作品の謎2 安藤健二 太田出版
参考資料
封印作品の謎2 安藤健二 太田出版
キャンディ・キャンディ事件 名木田恵子HP
キャンディ・キャンディ(wikipedia)
キャンディ・キャンディ事件解決の為に最大限の尽力をした講談社