東京喰種(:re)の中でもひときわぶっ飛んでるキャラが鈴屋什造(すずやじゅうぞう)。『:re』では部下(半兵衛w)を指導する仕事もしているようで、そこには篠原特等の影響をすごく感じるところ。
個人的に什造の狂気っぷりよりも父親のように接していた篠原との描写に胸アツなものをすごく感じて、東京喰種の最終巻でのあの結末は涙なくしては・・・ねぇ(哀)
ここではそんな什造の生い立ちや『:re』でのビックマムとの因縁の関係をまとめてきます。
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初登場回
什造の初登場は偶然道端で金木研(かねきけん)で遭遇し、彼から漂う「美味しそうな匂い」が気になり財布を盗む。
学生証から身元を突きとめるも、その後の接点はしばらくはなかった。ちなみにこのとき財布に入っていた三千円をちょろまかしているが、『:re』で佐々木琲世(ささきはいせ)として再会したときに、この三千円は返金されているw
性格は狂気さをまとい、感情をうまくコントロールできないのか喰種・人間問わず危害を加え手におえないこともしばしば。その原因を辿っていくと彼の幼少期の悲惨な生活環境にあった。
喰種に飼われた子供
鈴屋什造、幼少時の頃喰種に誘拐される過去を持つ。どのような経緯なのかは定かではないが什造はビッグマダムとの悍(おぞ)ましい生活を過ごしていた。いや、生活というよりも一方的で理不尽な虐待の日々といったほうが正しい。
出典:東京喰種11 石田スイ
日々の虐待のトラウマからか什造は痛覚が著しく鈍化してしまう。ボディステッチもそんな名残りを感じさせる。
モラルの欠落は確かにあるが、彼が保護されCCGの孤児院に引き取られた後の大人たちの対応は酷いものであった。
孤児院で発生した動物虐待事件も什造に罪をなすりつけるかたちで責任をうやむやにしますます孤立してく。そんな時に出会ったのが篠原幸紀(しのはらゆきのり)であった。
私はお前が死んだら哀しいよ
ジューゾー
これは篠原特等が付けた名前だ。篠原はほかの大人とは違い什造を暖かい目で接していった。彼の壮絶な境遇を受け入れ、まるで父親のように接していく。
出典:東京喰種14 石田スイ
『東京喰種』最終回、篠原が隻眼の梟との戦いで致命傷を受け植物状態になってしまったときの「ゆっくり休んでください」という什造のセリフは印象的だった。
『:re』での什造の言動を読めば分かるように、未だモラルに欠けるところがあるが人間的な成長は目に見えて感じる。
とくに彼の口癖だった「ママにほめられるかな」「何点もらえるかな」といった幼少期を暗示するセリフが『:re』では一切描かれていないのは篠原の死が大きい。
ちなみにビッグマムが実は女装癖のある男型喰種であることが、什造の「サヨラナおとうさん」というセリフでしれっと暴露。東京喰種のこういうところはあまり好きじゃない。
ビッグマダム
『:re』29話「栖求(すきゅう)」ではオークション掃討作戦によって因縁深きビッグマダムを追いつめる。
什造はこのとき「あなたをうらんだことなんてない」と言葉を発する。このとき什造の頭に浮かんだのは膝の上でキリンの図鑑を読んでいた優しい思い出。
出典:東京喰種:re3 石田スイ
ビッグマダムと対面した最後の記憶がこんなにも優しいとは・・・什造のセリフは恐らく本心だと思う。ただ、この後のセリフには「痛みだけがあなたからもらったなにかでした」と什造の気持ちを読み取るのは難しい。
しかし1つだけ言えるのは、前作『東京喰種』で梟掃討作戦の前に篠原と上野動物園での会話。このとき什造はキリンの絵を熱心に書いていた。
出典:東京喰種13 石田スイ
キリンはビッグマダムを思い出すフックとして描かれていたが、篠原の存在によって『:re』でのキリンによるイメージは残忍なものではなくなっていた。これはやはり篠原の存在がどれだけ大きいかが分かる。
什造の中に篠原はしっかりといるのである!!
そして、在はちょっとかな~り頼りないが部下の半兵衛が什造のよき理解者(あるいは偏った愛情?)がそばにいるのであるw
成長
什造のはじめの立ち位置としては特例でCCG入局というキャラ設定から、喰種や赫子(かぐね)などの知識が全くない読者と同じ目線、いわば「読者視点」のポジションとして描かれていました。
出典:東京喰種6 石田スイ
そのため、篠原が什造に喰種について説明するという自然な流れによって、読者は世界観を理解していったはずです。続編となる『:re』では子供っぽさは薄れ、部下を育成するまでに成長(半兵衛が情けないだけかw)していきます。あの手に負えなかった問題児がねぇ~、これもそれも篠原特等の賜物(涙)
キャラの魅力に加え読者に近しい存在というのも彼が人気キャラかなと思ったりします。新たな一面を見せる『:re』での什造の活躍にますます期待大。