単行本34巻のクロロvsヒソカ戦において、クロロが実は共闘(マチ、シャルナーク、コルトピ+長老・イルミ)してヒソカをボッコボコにしたという説が連載時に盛り上がりました。
一年越しにようやく単行本が出たので、この説をツッコンで検証していこうと思います。このタイミングを選んで検証する理由は次の二つ
②単行本になるにあたり修正が入る可能性がある
というわけで検証スタートォ!
マチ針の過ち
共闘説の一番の根拠となったのが、当初審判員に刺したアンテナが途中でまったく異なる形状の針に変わっていたこと。
ここから、闘技場内にはクロロだけでなくマチ(イルミ説もあったかな)が潜んで共闘していたのではという考察が登場しました。
出典:左)週刊少年ジャンプ201625号 右)HUNTER×HUNTER34冨樫義博
ただ、この描写は作者の単なるミスだったことが判明。単行本でこのコマを改めて見るとシャルナークのアンテナに修正されていることが分かります。つまり、あの針はマチのものでもイルミのものでもなく作画ミスでした。
操作してたのはシャルナーク?
マチの針に関係してブラックボイスを操作してたのはクロロではなくシャルナークではなかったのかという説もありました。
出典:HUNTER×HUNTER34 冨樫義博
このコマですね。
ケータイをピコピコ操作している手がクロロではなくシャルナーク、そしてクロロは電話でシャルナークに指示していたんじゃないかという説です。
ただケータイを操作している腕を見てください。
袖がありますね
出典:HUNTER×HUNTER34 冨樫義博
シャルナークには袖はないんです。いつも半袖、いやノースリーブなんですw
試合後シャルナークとクロロとのセリフも気になります。
ク「ケータイどうする?アンテナ無いけど」
シャ「大丈夫 特に使う予定ないし」
ケータイはクロロが保持しているのがこの会話から分かります。もし試合中にシャルが操作していたのなら、なぜクロロが持っているのか疑問。
人形の多さ
最初に襲ってきた人形の数からヒソカの目算では一体につき1~2秒程度かかると予想していました。
出典:HUNTER×HUNTER34 冨樫義博
ただしこの場合の人形とは爆弾アリ人形のことか、それとも爆弾ナシ人形のことを指すのか断定しかねるので、爆弾アリ人形を2秒程度、爆弾ナシ人形を1秒程度で創れると仮定します。
爆弾ナシ人形:1秒程度
爆弾アリ人形:2秒程度
ヒソカに一斉攻撃させたのは、クロロの制約を考慮すれば爆弾アリ人形ではないかと予想。また、場内アナウンスより200体程度と判明しているので、200体の人形ならおよそ4分以内で創ることができるはず(もし爆弾ナシ人形であっても3分程度で量産可能)。
出典:HUNTER×HUNTER34 冨樫義博
この時間帯であればクロロ1人でも十分に人形量産できる。さらには場内マイクを使って人形に命令することでさらに時間を短縮した。ヒソカが予想していた以上の人形が襲いかかってきたわけだ。
状況から考えても200体以上の人形が襲ってくる前、ヒソカはミスリードで頭グルグル、さらにクロロの姿を見失い場内中央でしばらくの間仁王立ちで探していた。時間の引き伸ばしはキメラアント編で実施済。
このときの時間経過が数分程度であれば量産は可能、また観客席には既に待機していた人形も20~30体はいた(ヒソカの分析より)。
こう考えていくと人形の数は思っているより常識を逸脱した数ではなく、1人でも十分に試合中に創り出すことはできたはずです。
流星街の長老は生きている!?
実は流星街の長老が生きているのではないかなんて説もありましたよね。
出典:HUNTER×HUNTER34 冨樫義博
長老が観客席にいてヒソカが見つけたような描写は確かにありますが、最初の説明でヒソカの目の前でサンアンドムーンを説明していたわけで、あの実演をどう説明するのかという疑問が残ります。
またクロロ1人でも爆弾人形は十分量産できることは先で説明したので長老を必要とする意味がない。心通った旅団ならまだしも能力を奪える力があるのになぜに長老を連れてくる、そっちのほうがシンどいだろうに。
それに死後強まる念もウソっぱちになり制約に矛盾が出てくるので、あの人はただ単に似てる人ってだけです!
マチのセリフ
クロロに敗れたヒソカは死後の強まる念によって復活する。そこにいたのがマチで2人のやり取りからヒソカが何かに気付いたような描写が描かれていた。
出典:HUNTER×HUNTER34 冨樫義博
闘う相手と場所はちゃんと選ぶことだね
このコマからヒソカは共闘説に気付いたという説です。
ただ単行本を読む限り、このセリフの意味としては「闘う相手」とはクロロのこと、そして「場所」とは天空闘技場のことを指しています。クロロの戦略は観客を使ってヒソカを攪乱させサンアンドムーンの多重爆発で仕留めるというものでした。
また天空闘技場はヒソカのことを知っている観客が大部分のためオーダースタンプとも相性がよく、場内マイクを使えば一斉に命令も下せるというクロロにとっては理想的な試合会場だった。
その後ヒソカはマチのセリフを文字って
闘う時 相手と場所を選ばないことにした
と言い返す。「相手」とは旅団全員、「場所を選ばない」とは天空闘技場のようなクロロに有利な場所ではもう戦わないという意味になる。
クロロから旅団をターゲットに変えたのはクロロが冒頭で説明していたこのセリフにも関係している。
出典:HUNTER×HUNTER34 冨樫義博
仲間の能力を借りて、ヒソカに確実に勝てる条件を揃えていったクロロ。いわば十分すぎる準備をあげてヒソカ戦に臨んだことになる。ヒソカはそれを百も承知で殺り合った。
相手十分の条件で挑むのは厳しいていうのはこういう意味でクロロに条件を合わせると勝利は厳しいものになる、だから次はクロロを殺るために手段もなにも関係なく潰していくことを決めたわけだ。
出典:HUNTER×HUNTER34 冨樫義博
単行本の最後に先生自らクロロvsヒソカ戦についての解説を載せています。これによればマチはメッセンジャーとしての役割を与えるため殺さなかったこと、シャルナーク、コルトピを殺したのはクロロの能力を削るためだとしています。
クロロの能力はサンアンドムーンは例外として奪った能力者が死ねば使うことができないという制約があった。シャル・コルピトを殺すことでクロロの能力は削られる。
要は解釈の違い。共闘編は連載当時面白い考察で、それに引っ張られていいように解釈したのが原因というわけ。実際には作画ミスや、それこそ読者のミスリードが生んだ幻の説。
補足:あと10人
このヒソカのメッセージにも説がありました。
出典:HUNTER×HUNTER34 冨樫義博
あれ、団長が頭=胴体で足が12本だから1本多くない?という考察。
クロロの命令は旅団内で最優先されますが、クロロ個人の命を旅団内で特別視はしていなかった。最優先すべきはクロロではなく旅団(組織)だから、これは「鉄の掟」と呼ばれるものでした。
つまり旅団においてクロロの存在は特別ではないわけで、足の数=団員(クロロを含む)として数えていいんじゃないのというのが私の考察。
ただし!それでも団員の頭数が1人足りないんですよね。ここらへんは正直よく分からん。