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アナブレ

マンガ感想論

彩子(サイコ) 漫画ネタバレ結末!すべてを奪われた少女

2019年7月3日

彩子 ネタバレ感想

漫画「彩子(サイコ)」は月刊少年チャンピオンで連載されていたホラー漫画。作者は「ハカイジュウ」「切子」の本田真吾さん。

本田さんの作風はガチムチホラー系、グロい描写を得意としますが、彩子についても同様、かなりのグロ。上・下巻ではなく黒・白の二巻で完結。

とくに「彩子・白」はヤヴァイ!

救われない彩子のラストの胸クソ展開は、読む続けるのが苦痛なほど。「切子」のような悪霊で日本を転覆させるといったトンデモ展開になってないのもよいw

自分の中ではかなりの当たり作。

漫画「彩子・白」あらすじ・ストーリー

高校1年の斎賀彩子(あやこ)は、いたって普通で真面目な女の子。彼女の日常が傾いたのは、今から一年前のこと。登下校時に誰かに見られているような感覚に襲われるようになる。

それを境に彩子の周囲で不気味な事件が次々に発生していく。

彩子が欲しい、と書かれた血文字の手紙や、人間の歯入り封筒が送りつけられたりと、気味の悪い嫌がらせを受けるようになっていく。

さらには、学校で飼育している鶏の惨殺、複数の猫の死体がツギハギの状態で発見される。恐怖を感じた彩子は恋人の貴弘(たかひろ)に相談する。

しかし、そんな貴弘との関係にも亀裂が入る。好意を寄せる同級生・椎名に嫉妬され、陰湿な虐めの対象に、挙句の果てに貴弘を奪われてしまう。

身も心もボロボロな彩子。そんな中で彩子をつけ狙う殺人鬼が姿を現す・・・彩子の本当の地獄はここからだった。

普通の女の子・彩子の悲劇!

この漫画はとにかく彩子への鬼畜っぷりが酷るすぎる(誉め言葉ね)。スプラッター的な身体的苦痛はもちろん、精神に対するエグいくらいの苦痛を与え続ける。

まさに心身共にボロボロ。

途中、目を反らせたくなるような展開もあり、こんな読後感は久しぶりに味わった。とにかく彩子の苦痛は読んでいて耐え難いもの。

しかも、彩子がまたとても素直でいい女の子なのだ。とにかく性格がいい、そして、誰かが困っているなら、自分を犠牲にしてまで助けてあげるのだ。

そんな女の子が理不尽な理由で地獄へと転落してしまのである、これほどゾクゾクするような設定はあるだろうか、いや、胸クソすぎてないw

彩子 ネタバレ感想
出典 彩子・白 本田真吾 秋田書店

守りたい、この笑顔

彩子がみんながイヤなことを率先してするのは、みんなが笑顔になる、ありがとうと言ってくれる、その言葉に私もうれしくなれるからだと言います。

ええ子です、とてもええ子です。

本来ならば、こうした行いは賞賛されるべきもの、けど、今回に限っては、彼女の性格が自分自身を苦しめていくことになってきます(哀)

乾(いぬい)

出典 彩子・白 本田真吾 秋田書店
出典 彩子・白 本田真吾 秋田書店

たとえば乾との関係。

乾は彩子と同じクラスの同級生。キモイという理由だけで女子からウザがれているクラス最下層のアニオタ男子として登場します。

学校で飼育している鶏が殺された事件で、真っ先に疑われてしまったのが乾。犯人扱いされたときに、唯一庇ったのが彩子でした。

乾が生物部の部長として鶏の世話を一生懸命している姿を見ていた彼女は、乾を守ったのだが、それが裏目に出てまう。

乾は助けた彩子を必要に追い回すようになる、いわゆるストーカーだ。「僕は君の守護者(ガーディアン)」と名乗り、彩子を不気味な笑顔を浮かべながら遠くから見守るようになる。

椎名

彩子 ネタバレ感想
出典 彩子・白 本田真吾 秋田書店

さらには、椎名という同級生のギャルも彩子を追いつめていく。彩子の彼氏である野球部エースの貴弘(たかひろ)に好意を抱いた椎名。

イヤなことも率先してやってきた彩子にとって「いじめ」とは無縁な生徒でした。大人しい生徒とはいえ、乾のような底辺生徒にも、体を張って守る女の子。

ところがです。

椎名が好きになった男子生徒と付き合っていたという、ただそれだけの理由によって虐めの対象になってしまった彩子。

それでも彩子が耐えられたのは、彼氏の貴弘の存在があったから。ただ、そんな信頼していた貴弘でさえ、彩子から距離を置くようになっていく・・・

貴弘「彩子、重いんだよ」

貴弘との関係が壊れたきっかけは、椎名が強引に二人の関係に割ってきたから。貴弘の彼女が彩子だと知るや、「負ける気がいない」と言い放ち、あからさまに貴弘に近づいていく。

ケバい色仕掛けによって貴弘を誘惑、そんなあからさまな作戦に野球バカ、失礼、脳筋バカはまんまと関係をもってしまう。

椎名は貴弘との既成事実を作ることに成功したのだ。

これを機に彩子との連絡は滞るようになり、ラインを送っても返事の一切がこなくなってしまう。二人の関係に深い溝(みぞ)がクッキリと開いてしまった。

彩子 ネタバレ感想
出典 彩子・白 本田真吾 秋田書店

そして、ついにこの日が来る。

貴弘から一方的な別れを告げられてしまう。貴弘と連絡が取れなくなった彩子は、ストーカーのようにしつこく追いかけてしまっていたのだ。

そんな行動に貴弘は一言「お前、重いんだよ」と痛烈な言葉を浴びせてしまう。まるで彩子に別れの原因があるかのような物言い。

ただ、貴弘が別れたい本当の理由といえば、椎名と肉体関係を持ったことで、彩子に対して気まずくなり距離をおいた、これが真実。

つまりは貴弘の裏切りが原因。

このまま彩子が本当の理由を知らなかったのならまた救われたのかもしれないけど、この残酷な事実を最後の最後で彩子が知ってしまう。

しかも、貴弘本人ではない人間から告げられてしまう。これほどキツイことはない。しかも、彩子の心はもう耐えきれないところまで張りつめてたからね。

彩子 ネタバレ感想
出典 彩子・白 本田真吾 秋田書店

実を言えば、彩子と付き合っているときから、貴弘は椎名と二人だけで会っていたことが描かれている。それは、彩子が乾を追い回していたときのこと。

このとき偶然にも貴弘が鉢合わせして乾をぶん殴るシーンがあるのだが、このとき、遠くで貴弘たちを見つめる椎名の姿があるが、このときすでに二人の関係は深くなっていたのだ。

ストーリーは救えない胸クソ結末へ!

クラス内いじめ、乾によるストーカー、そして恋人の貴弘の裏切りと別れ、それらすべてが彩子にのしかかったことで心はすでにズタボロの状態。

けど、彩子の地獄はこれだけでは終わらない。

殺人鬼の正体

これまでつきまとっていたのは同級生の乾とばかり思っていた彩子、だが、実は乾とは別に狙っていた人間がいたのである。

彩子がこんなにも傷つけられ、痛めつけられても、まだ序章に過ぎないのだから鬼畜さは異常。ここまで彩子が受けてきた仕打ちは知る由もない。

彩子を狙っていた殺人鬼とは彩子の担任・石黒。

彩子 ネタバレ感想
出典 彩子・白 本田真吾 秋田書店

石黒に殺されそうになる彩子は助けを求めるために貴弘に電話するのだが、貴弘は椎名とホテルでお楽しみ中。彩子の悲鳴を嘘だと勝手に決めつけスルーしてしまう。

そして結局彩子は石黒に捕まってしまう。

自分を犠牲にしてまで他人のために尽くしてきた彩子、でも、フタを開けてみれば誰にも助けてもらえず、心を許した貴弘にまで全否定され助けにも駆けつけてくれない。

なにが悲しいって、彩子と貴弘は恋人の前に幼馴染という関係。彩子がどんな女の子なのか、貴弘が一番分かっているはずなのに、必死の叫びを「嘘」と決めつけ一蹴してしまった。

これは救えない。

これは救えない。

これは救えない。

そして彩子の心が壊れます。

彩子 ネタバレ感想
出典 彩子・白 本田真吾 秋田書店

誰にも彩子の叫びは届かず、今までの自己犠牲がなんだったのかと疑問を持ちはじめる彩子は、自分の考えを全否定します。すべての人間を怨みを抱いていきます。

自分だけがこんな不幸な人生なんで許せない、椎名も、私を裏切った貴弘も、みんなみんな死んじゃえばいい!!!!!!!!!!

彩子の感情に芽生えが呪いの感情。そして、心が完全に壊れてしまった彩子の結末はどうなってしまうのか、是非漫画で読んでほしい。

石黒聡介という教師

教師の立場を利用した石黒は、彩子に存在気づかれることなく悪質で陰湿な行為をひそかに実行し、ほくそ笑んでいた。

正真正銘のクズ野郎です。

そんな石黒の悪意に対して、純粋すぎる彩子は抵抗できるわけもなく、狙われたが最後、壊れるまで付きまとわれてしまった。

そもそも、石黒はなぜ彩子を含め何十人もの女の子の命を奪っていたのかといえば、亡き母親を生き返らせようとしていたようなのだ。

ようだ、と曖昧な表現に留めているのは詳しくは描かれていないため。とはいえ、石黒は母親を生き返らせようと女の子を拉致してきては、人体実験をしていた。

彩子に襲いかかってきた出来事は、連続殺人鬼である精神異常者の石黒が考えてきたもの、胸クソになるのも当然である。

彩子 ネタバレ感想
出典 彩子・白 本田真吾 秋田書店

実を言えば、彩子の拷問シーンが結末に描かれている。そこで石黒の真の意図がが明かされるのだが、このときの彩子の表業を見るだけでも、その恐怖が伝わってくる。まさに

非道

の一言。

その惨たらしい惨状は、なんとも言えない感情が襲ってくる。黒編も合わせて読んだから耐えられたものの、おそらく白編だけ読むと、そのラストの恐さにトラウマになってもおかしくはない。

漫画「彩子・黒」との時系列と関係性

漫画「彩子」は白編と黒編の二部構成になっていますが、ストーリーはそれぞれで完結。とはいえ、互いに補完してる部分もあるから両方読むのが結局おすすめってなる。

白編だと、「SAIKO(サイコ)」という若者の間ではやっている呪いアプリはまだ登場していません。というのも、このアプリは白編の主人公である彩子の怨念が宿ったもの。

つまり、白編は呪いのアプリがどうやって誕生したのかを描いており、黒編で呪のアプリが世の中に出回ってしまった状況を描いています。

黒編は彩子の呪いをどうやって解けばいいのかを探す一種の謎解きです。また、呪いが発動する条件は、白編で描かれていた条件で、そうした意味で白編と黒編は互いに補完してます。

より深く作品を味わいたいなら二冊まとめておすすめ。あえてどちら1冊をすすめるとしたら、断然白編です。怖さのレベルが全然違います。

黒編・白編の時系列

彩子 ネタバレ感想
出典 彩子・白 本田真吾 秋田書店

ここで作品の時系列についても触れておきます。白編の冒頭では呪いアプリ「SAIKO」について話している場面が描かれています。

そして、次のページでは「一年前」にさかのぼっており、呪いアプリが世の中に出回る前の世界を描いています。

そして、呪いアプリが誕生して一年後の世界を描いているのが黒編。白編と黒編の時系列は同じではありません、ちょうど一年のズレがあります。

彩子の呪いは終わったのか問題

ちなみに、白編・黒編両方読んだ方限定の考察になってしまいますが、悪霊となった彩子の呪いは結局なくなったのか問題が気になるところ。

黒編では次々と彩子の呪いによって女の子たちが犠牲になりますが、結末では彩子の元彼氏にして椎名に鞍替えした貴弘を呪い殺す場面があります。

そこで、彩子は「さ、行こ」ではなく「さ、逝こ」と貴弘を呪い殺すときだけ「行こ」ではなく「逝こ」と、漢字が違ってるんです。

悪霊になった元凶である貴弘を殺したことで、彩子もあの世へと逝ったのかどうか不明ではあるものの、彩子の呪いを逃れたキャラもいたので無事成仏してほいいと願いたいところ。

漫画「彩子(サイコ)」感想まとめ

恐怖度、胸クソ度、救われなさ度、どれをとっても高い評価を付けれる漫画でした。ちなみに、タイトルの彩子(サイコ)ですが、思いっきりダジャレでした。

呪いアプリ「SAIKO(サイコ)」は最高(サイコー)の答えを返してくれる人口AI搭載アプリ、さらに、彩子の呪いが発動するときの決まり文句が

彩子 ネタバレ感想
出典 彩子・黒 本田真吾 秋田書店

これwww

さ、行こ、というセリフと共に女の子とたちが次々と殺されていく。この「さ、行こ」という合図が少しサブイため、黒編はやや恐怖さが薄れてしまっているようないないような。

ともかく、彩子が呪いを発動するときのお決まりのセリフが「さ、行こ」。言わずもがなではあるが、「さ、行こ」は「サイコ」とかかっており、ある意味ここが一番ゾッするw

ホラー度大満点の作品!

黒編は作者の悪いクセであるトンデモ展開が顔を覗かせるので、怖さでいえば白編には及ばない。そういった意味でも、白編をまずは読んでいただきたい。

ホラー漫画ではストーリーも当然重要、けど、それ以上に画力の高さも必要な要素。それこそ画力だけで興奮させるエロ漫画並に必要なのが実はホラー漫画。

あり得ない状況、ありえないバケモノをどうやってリアルに、本当にいるかのように読者に納得させるのは、画力以外ないわけで、ホラー漫画は美しいなんて表現する人もいるくらいだからね。

その意味では「彩子」は申し分ない。彩子の悲痛な表情はゾクゾクッっとさせる魅力がある上、ストーリーも胸クソ(いい意味で)展開さは読み応えあり!

1巻でサクッと読み切れる分量も手が出しやすいと思う。グロNGの方は残念だけど、ホラー漫画好きに関係なく未読の方はぜひ一読してほしい漫画!

彩子・白 本田真吾
出版社: 秋田書店
発売日: 2018/4/6
言語: 日本語
ASIN: B07BGYG8CL

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