漫画版エヴァにおいて、アスカの描写はアニメ版や旧劇場版に比べて残酷さや、重要さはあまりなかったように思います。
そして、シンジとの関係性についても、意識こそしていたかもしれません(キスをせがむシーンなんかもありましたし)が、恋愛感情があったかといえば疑問です。
むしろ、レイとシンジとの関係性にページを割いていた印象があります。そんなわけで、漫画版のアスカについて語ります。
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アスカ初登場シーン
アスカの初登場は、単行本4巻から。
エヴァ弐号機パイロットとしてドイツからきた天才少女。そして、使徒との初戦も同じくここから。
出典:新世紀エヴァンゲリオン(4) 貞本 義行 カラー
初登場にして単独勝利という鮮烈なデビューを果たしたアスカ。ただ、これが彼女にとっての一番の見せ場であったのは言うまでもない。
次第にウツ展開へと進み、精神崩壊をきたしてしまうわけですが、最後の最後でアスカは「心」を取り戻す。
エヴァ弐号機と魂
ゼーレが送り込んだエヴァ量産型との戦闘で自分を取り戻したアスカですが、彼女が操縦するエヴァ弐号機についてここで今一度整理していきます。
まず、弐号機に宿っている魂とは、当然のごとくアスカの母親です。漫画版では名前については言及されていませんが、アニメ版から母親の名前はキョウコでした。
出典:新世紀エヴァンゲリオン(9) 貞本 義行 カラー
提唱した本人(エヴァに関係する理論であることは間違いないが、漫画版では特に言及されていない)自らが接触実験に臨みますが、失敗に終わる。
この実験によりキョウコの魂はエヴァ弐号機に取り込まれてしまったことで精神が崩壊。娘を認知することもできない状態になり、アスカは辛い幼少時代を過ごすことになります。
碇ユイとは異なり、体の復元には成功しています。そして、もう一つ。エヴァ弐号機は何をベースに造られたのかという点です。
特に、零号機にこの問題を投げかければエヴァファンの間で議論が止まないと言われるほど、曖昧というかいろんな解釈が出きてしまいます。
ただ、弐号機に関しては難しくありません。それはカヲル君のセリフにしっかりと根拠があるからです。漫画版で言うと、単行本11巻。
出典:新世紀エヴァンゲリオン(11) 貞本 義行 カラー
カヲル君が弐号機を使ってセントラルドグマに磔にされているリリスに接触してサード・インパクトを起こそうとした場面。
ちなみに、このとき弐号機に宿るキョウコの魂は、自ら閉じこもっているためカヲル君は簡単に操れたわけですね。これはカヲル君本人が解説済み。
アスカとシンジ
アスカといえば、シンジとの関係性が気になるところですが、漫画版ではシンジとの関係はそれほど深くは描いていません。
というのも、単行本14巻でサード・インパクトが起こり、LCLと化した人類が黒き月に還元されていくシーンで、
出典:新世紀エヴァンゲリオン(14) 貞本 義行 カラー
最後にアスカがイメージしたのがシンジではなく、加持リョージだったころからも分かります。漫画版ではアスカは加持一筋でした。
サード・インパクトの世界でシンジとアスカが再開するシーンがあります。アスカはこの世界でも日本にいました。
出典:新世紀エヴァンゲリオン(14) 貞本 義行 カラー
ドイツ人設定というのも変わっていない。そして何より性格も(おそらく)変わっていない。
そこが残念でならない。
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