暗黒大陸編ともつながってくる(かもしれない)、蟻(キメラアント)女王がどこからやってきたか問題。未だ謎の多い女王の正体を整理していくことで何か分かるかもしれない。
というわけで、今回はキメラアントの女王問題ついて考察していきます。
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キメラアントは暗黒大陸出身
そもそもキメラアント自体は暗黒大陸に生息していることは明らかになっています。単行本33巻の「危険生物 評価リスト」にて判明済みだから。
殲滅させる危険性があり、その方法は分かっているがコストが高くハイリスク、国単位~国際的な対応必要、とのこと(危険度B(凶暴性B~C、数B、繁殖力B-1、破壊力A))。
亜人種と説明されていることから、女王が人間のような姿をしていたのも納得。亜人とは人間に似ているが、人間と違った能力を持ち合わせる知的生物のことを指す。
女王で言えば二足歩行をし、声帯などを使い会話する人間とは違い、テレパシーによる命令、あるいは会話ではあったが意志疎通できるほど知的能力は高かった。
なら女王は暗黒大陸から流れ着いてきたのか、実はそう簡単に結論は出ない。そこで気になる部分を1つ1つ考察していきたい。
摂食交配での不可思議
仮に女王が暗黒大陸から流れ着いたという設定であれば不可思議なことがあるのだ。それは女王の体に人間の血が混じっている可能性を匂わせていたこと。
出典:HUNTER×HUTER19 冨樫義博
女王が暗黒大陸出身であるならば、いつ人間を捕食したのだろうか?という疑問が浮かぶ。
まず女王自身は「人間」を喰べたことは一度もないと言える。バルサ諸島に流れついたときに「人間を喰う」という発想がそもそもなかったことからも分かる。
先代女王蟻が人間を捕食していた可能性
とはいえ暗黒大陸の人類渡航の歴史を遡っていくと、キメラアントが人間を捕食した可能性は十分ある。女王のセリフをもう一度読んでみると「薄くではあるが」とある。
これは女王を産んだ前女王、あるいはその前の女王、、、と何世代か前の女王が人間を喰べたことがある可能性を示唆しているのではないだろうか。
摂食配合により特徴を次の世代に伝えていくキメラアントの繁栄方法からしても、前の女王が人間を捕食し、今の女王の血に「薄くではあるが」残っている、それを感じとったのではないか。
暗黒大陸における人類渡航回数は公式で149回記録されている。そのため暗黒大陸であっても人間と遭遇する機会はゼロではないのだ。
出典:HUNTER×HUTER32 冨樫義博
ミザイストムによれば200年以上の大昔に不可侵条約は締結されている。つまり公式の暗黒大陸渡航は200年以前の話であるのが引っかかるかもしれない。
出典:HUNTER×HUTER33 冨樫義博
しかし、実際にはそれ以降も非公式渡航がおこなわれ多数の犠牲者が出ていたことも明らかとなっているため、不可侵条約に関係なく暗黒大陸で人間と遭遇する機会はあり、前の女王が人間を捕食していた可能性は皆無ではないのだ。
また、女王がバルサ諸島に流れ着いたことから、女王が産まれた巣はメビウス湖の近くにあったのではないかとも指摘できる。ここであれば人間と遭遇するチャンスもグンと高くなる。あくまで推測ではあるが。
イルミのセリフは根拠になるのか?
次に、選挙編においてイルミのセリフが女王が暗黒大陸から流れ着いた根拠になりうのかを検討してみたい。
出典:HUNTER×HUTER30 冨樫義博
選挙編にてイルミの「外来種」という説明がキメラアント=暗黒大陸から来たと考えていいのだろうか。結論から言えば「言えない」と思う。
ここで言う外来種とは、LGN自治区、もしくはヨルビアン大陸には存在しない種という意味で「外来種」と話している可能性も指摘できるからだ。
暗黒大陸はプロハンターでも一般常識とはなっておらず(そもそもタブー)、現に十二支んのカンザイは暗黒大陸を知らなかった。イルミはこの時ヒソカに説明しているが、ヒソカは興味のないことには関心を示さないキャラ。
実際、キメラアントについて何も知らなかったことからも、暗黒大陸についても知っていたか疑わしく、確定事項とまでは断定できない。
なぜ女王は負傷していたのか?
これについては確かな根拠は見つけられない。暗黒大陸から流れ着いたと仮定するならば、
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- 強い敵に襲われメビウス湖に逃げざるを得なかった
- 暗黒大陸からバルサ諸島へたどり着く途中敵に襲われた
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などが考えられます。
通常女王蟻の周りには兵隊蟻がいるはず、しかし流れ着いたときには一匹しかいなかった。敵の攻撃で部下すべてを失ったとも考えられる。
また、女王が最初に流れ着いた場所はヨルビアン大陸のバルサ諸島南端。詳しい場所を地図で確認すると、ちょうどヨークシンシティの南(下)に位置する場所にある。
バルサ諸島で体力を回復した女王は安心して王を出産できる場所を探し求めてNGL自治区に潜伏することになる。大陸の端に女王が流れ着いたことから考えても、暗黒大陸から来たと考えていいのではないだろうか。
女王は王の出産のため安全な場所を探すという習性がある。そのため安住の地を求める中で、暗黒大陸から人類が住む世界に辿りつくことは不思議ではない。
ちなみに女王を負傷させたのがドン=フリークスとかだったら面白い。ドンが登場したとき、さらっと伏線を回収するかもねw
本当に女王は暗黒大陸からやって来たのか?
キメラアントが暗黒大陸に生息する生物であることは確定しているわけだから、女王も暗黒大陸から偶然やって来た可能性が一番高い。
しかし、キメラアント編、選挙編、そして暗黒大陸編と読み進んでいくと、どうもキナ臭がプンプンしてならない。いう間でもなくカキン帝国、そしてパリストンの存在である。
今回はある意味王道な説を紹介しましたが、パリストン陰謀説もネットでは実しやかに支持されている説でもある。そこで次回は女王とパリストン、そしてカキン帝国とのつながりという視点で書いていこうと思います。
つづく
【ハンタ考察】
→蟻女王はカキン帝国の陰謀だった!?