ダンまちの外伝的な立ち位置のファミリアクロニクルシリーズ。今回手に取ったのは、その中のフレイヤ編!
結論から言えば、このフレイヤ編を読んでも本編のフレイヤとシル、ヘルンの関係性については謎、17巻を待つしかなさそうです。
ただ、フレイヤが求める伴侶とはなんなのか、なにを基準に選んでるのか、このほかフレイヤの眷属についても分かる巻になっています。
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ダンまち ファミリアクロニクル・フレイヤ編のあらすじ
まずはフレイヤ巻のあらすじをざっくりと振り返ります。フレイヤの伴侶探しの旅を描く「アリィと8人の眷属」。
このほか、フレイヤの眷属たちを描いた「最強の起源」「それぞれの昔話」も収録してますが、ここでは「アリィと8人の眷属」のみ振り返ります。
フレイヤの伴侶(オーズ)を探す旅
私の伴侶はどこにいるのかしら?
いつものようにフレイヤから出る我がまま、オラリオ最強冒険者オッタルは自由奔放な女神の言動に顔を歪めていた。
フレイヤの隣に立つ者、つまりは伴侶を探し求めるのが彼女の常なる願いであった。そのため、突然姿を消してしまうこともしばしば。
誰にも言付けを残さずに、一人気ままな伴侶探しの旅に出てしまうのだ、オッタルが顔をしかめるのも当然だ。
そして、今回も自由きままな伴侶探しの旅にホームを抜け出したフレイヤ。現在、オラリオから東南に位置するカイオス砂漠に足を運んでいた。
シャルザード国とワルサ国の戦争
西カイオス砂漠では戦争が起こっていた。シャルザード国に隣国ワルサが進軍、シャルザード国の王都は陥落し、国王も殺されたという。
フレイヤが立ち寄ったリオードの町で見かけた大量の奴隷も、ワルサ国によって捕まった敵国の民が奴隷として連れてこられているからだ。
国王を失ったシャルザードが敗北を認めていないのは、逃げのびた王子がいるため。王子を擁して反撃の機会をうかがっているという。
伴侶となりうる「少女」との出会い
カイオス砂漠にあるリオードを物見遊山していたフレイヤは、一人の少女と出会う。彼女は奴隷としてこの街に連れてこられていた。
高貴で美しい、アメジストのような輝きを放つその魂にフレイヤは一瞬にして興味を抱き、そして彼女を欲した。
奴隷商から少女を解放したフレイヤ。名前を「アリィ」と名乗るその少女に、フレイヤはその正体をすでに見抜いていた。
アリィ、貴方って「男装」が似合いそうね。身なりを整えれば、そうね、きっと「一国の王子」のようにも見える
出典:ダンまちクロニクル フレイヤ編 大森藤ノ
フレイヤの突然の言葉に言葉を失うアリィ。一国の王子、、、現在戦争真っ只中のシャルザード国には王子がいたはず、、、まさか。
アリィの正体
アリィの正体はシャルザード国の王子だった。しかし、フレイヤの目の前にいるのは少女、これはどういうことなのか?
かのシャルザード王は、跡継ぎとして男児を望んでいたが、子宝に恵まれず女児のみ授かった。そのため、アリィを王子として育てていたのだ。
王子名としてアラムを名乗り性別を偽っていた。身分を暴かれたアリィはフレイヤに、戦争勝利のため力を貸してほしいと懇談するのであった。
動く最強八人の眷属!
フレイヤの命により力を貸す眷属たち。最強の武人オッタルをはじめ、レベル5以上の強者たちは、総勢8万の敵軍をたった八人で壊滅させたw
戦況はあっけなく逆転しシャルザード国は王都を取り戻し戦いは終わった。そして、君主アリィを中心に急速な発展をとげていった。
その後のフレイヤやどうなったか。
フレイヤが望むのは魂の輝き。欲するのはアリィではない。王として輝いている彼女が、フレイヤの眷属になれば、魂の輝きは陰りをみせる。
そのことを知っていたフレイヤは、あえてアリィを眷属にしなかった。そして、王として生きなさいと進言した。
それから月日は過ぎ、、、
オラリオの街中を走り回る一人の男の子。白色の髪に深紅の瞳、その少年の魂は透き通るほど純粋、まだ輝きは乏しいけど、あの子が欲しい!!!
バベルの塔から舌なめずりしながら、少年の成長をじっとりと見つめる一人の女神、、、、フレイヤがそこにいた。
おわり
ダンまちファミリアクロニクル・フレイヤ編あらすじまとめ
序盤からベルのことを執拗に粘着していたフレイヤ様。その理由は、彼女が下界に降りてから求め続けてきた「伴侶」の存在があったんですね。
伴侶となりうる人物は、魂の輝き。アリィやベルがフレイヤのお眼鏡にかかったのの、魂の輝きが魅惑的だったからなのか。
フレイヤに関する深堀り考察
ストーリーをおさらいしたところで、ここからはより深く考察していきます。既読向け記事なのでネタバレアリアリです。
取り上げるのは次のポイント!
- フレイヤが望む「伴侶」とは?
- フレイヤと「魂」の輝き
- ベルに手を出さない理由
- ミア母さんの正体
フレイヤが望むのは伴侶
フレイヤ編を読むと、昔から「伴侶(オーズ)」なる相手を探し求めていたようです。ちなみにここでいう伴侶とはなにか?
彼女の言うところの「伴侶(オーズ)」、字面の通り己の隣に立つ者を探し求めて
出典:ダンまちクロニクル フレイヤ編 大森藤ノ
とあるように、フレイヤのパートナー的存在のようです。アニィを伴侶候補としていたように、伴侶=夫とはニュアンスが違うように思えます。
男女はもちろん、種族に関係なく(さすがにモンスターは除くが)、彼女のお眼鏡にかなった相手なら誰でもよい。
というのも、フレイヤの伴侶候補になりうる基準として、その人物の「魂の輝き」が重要なポイントになってくるからです。
伴侶をオーズと読ませる理由
伴侶のルビに「オーズ」と書かれており伴侶(オーズ)と読ませていますが、このオーズとはなんなのでしょうか。
北欧神話を根拠にするなら、女神フレイヤの夫(配偶者)に「オーズ」が登場します。作者はこの設定をダンまちに持ってきたのかな。
フレイヤは魂の輝きをみる
今回登場したシャルザード国の王子アリィを手放す決断をしたのも、彼女の魂の輝きに関係していたものでした。
私が見惚れたのは「王」であろうとするあの子の輝き。あの子が「王」でなくなれば、その輝きはつまらないものに・・・
出典:ダンまちクロニクル フレイヤ編 大森藤ノ
と、伴侶候補として認めたアリィに対して、彼女自身(外見、性格など)ではなく、魂の輝きに見惚れたからこそ手放す決断をしています。
こうして考えると、なんでフレイヤがこれまでベルを遠くで見ているだけだったのかも納得です(ときどき接触はしてたけどねw)。
フレイヤの下界の立ち振る舞い
ちなみに、フレイヤは下界におりたさい、彼女の魅了によってあらゆるものを支配しないことを信条としていたようです。
その理由として、
全く労せず手に入れた万物になんの価値があるのだろうか
出典:ダンまちクロニクル フレイヤ編 大森藤ノ
彼女の思うがままに物事が運ばなくても、それはそれで娯楽の一つとして楽しめるからとのこと。もちろん、下界を尊重しているという理由もあります。
ベルに手を出さない理由
フレイヤの現在の獲物(伴侶候補)はベルです。ベルはフレイヤになびかない男の子、今回のアリィと似てます。
そんなベルの魂に一瞬にして虜になったフレイヤ、それから、彼を観察し続け一人悦に入る日々をお送ることになるw
ベルに手を指さないのは、アリィのケースを参考にすれば、魂が成長していく様子を側でじっくりと見たいがためといえそうです。
我慢できなくなったのが16巻
ただ、本編16巻ではフレイヤが今まで待って待って待ち続けてきたけど、とうとう我慢できなくなってしまいました。
けど、ベルに拒絶されたことで、これまで見守っていた立場から、自分のモノにすると好戦的なフレイヤが描かれてしました。
フレイヤはどうやってベルを盗りにいくんでしょうね。無理やり自分のモノにする方法はいろいろあれど、強引に奪っても意味がないと思う。
【おまけ】ミアとフレイヤ
ちなみに、フレイヤ編ではミアの正体について触れています。ミヤは豊穣の女主人の店主として「ミア母さん」の相性で知られるドワーフの女性。
実は彼女は元フレイヤ・ファミリアの団長。ただ、フレイヤを慕うわけではなく、訳あって「借り」があり、それが理由で入団したようです。
そのためか、のちに脱退。ミアが団長だった頃、若き日のオッタルも入団しており、ミアを目標に日々鍛錬していたエピソードも描かれています。
本編16巻でシルが実はフレイヤだったことが明らかになったけど、シルがフレイヤであることはミアは知っていた可能性もありそうです。
ダンまちクロニクル フレイヤ編まとめ
フレイヤについて知りたいなら読んでそんなしの一冊です。フレイヤの常なる願いは伴侶(オーズ)を見つけることにあります。
ベルにあんなにも粘着するのも、フレイヤが認めた伴侶候補、しかも、これまでにない魂の輝きの持ち主のため、どんなことをしても手に入れたい!
今後のフレイヤの動きは本編に期待!
オワリ
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