前回漫画「王様ゲーム(無印)」を紹介しましたが、評判通りかなりヒドい漫画という結論に至る。
ヒドすぎて逆に読みたくなるマンガ「王様ゲーム」。それでもけっこう売れてるのはエログロ描写がクセになってるからでしょう。
なんせ終極では、ヒロインが公園で真っ裸になるシーンとか、無印ではカットされていたS○Xシーンもバッチリ描いてる。
ストーリーとかどうでもいいから、エログロを読みたい読者にはとびっきりのごちそうだから、続きがきになっちゃう。ボロクソいっているぼくも、実はそんな一人。
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ストーリー・あらすじ
王様ゲームから7ヶ月後、ただ一人生き残った金沢伸明だが、転校した呉広高校で悪夢が再び襲う!王様からのメールが送られてきたのだ。
送信者は「王様」
[aside type="boader"]王様ゲームのルール
●クラス全員強制参加
●王様の命令は絶対服従
●命令は24時間以内に行うこと
●命令に従わなければ「罰」を受ける
●途中で止めることはできない[/aside]
またしても王様ゲームがはじまってしまったのだァ!
しかし、伸明以外の生徒たちはイタズラメールだと思い無視してしまう。だが、王様の命令はすべて本当のこと、生徒たちは命令を達成できず次々と罰を受けていく。
俺のせいで、また仲間が死んでいく・・・
今度こそ伸明は王様ゲームを止める方法をつきとめ、生徒たちを救うことができるのだろうか?
残り、23人・・・
理不尽な命令で死んだ女、彩
王様ゲームシリーズは毎回ツッコミだらけ!
そのため細かいことを言えばキリがない、そこでここでは「明らかにおかしくね」という部分を大々的にピックアップしていこうと思う。
はじめは理不尽な死に方をしていった倉本彩。終極では前作と同じ命令が王様から出されていた。足を舐めるとか、胸を触るといった王様ゲーム好例のセクハラ命令。
そんな中、倉本彩の命令は「大切なものを殺せ」というもの。これは王様ゲーム(無印)でも言ってるんだけど、この命令自体が矛盾だらけ。
前回では主人公の金沢伸明が命令を受け、彼女でもなく親友でもなく、親でもなく、いきなり「好き」って言いだしてきた奈美という生徒を殺して命令を達成した。
出典:王様ゲーム 終極 3 金沢伸明 連打一人
なら終極でも自分が好きな人を殺せば命令が達成するかと言えば、そうじゃなかった。彩は好きな人を殺しても服従達成にはならず死んでしまう。
流れからして愛犬や両親を殺せば達成されたっぽいんだけど、それなら前回の伸明のケースはどうなるんだと、思いっきり矛盾しているのである。
前作の無印同様、終極でもストーリーに置いてきぼりをくらうことになってしまった、この時、頭の中ではハテナマークが咲き誇っていた、ホント見事なくらいに?????
友情とは?友達とは?
王様ゲームを経験している主人公の伸明は目の前で彼女や友達を次々に殺された過去から、「命」の大切さ、「絆」の大切を知っているキャラであることは押さえておきたい。
出典:王様ゲーム 終極 3 金沢伸明 連打一人
転校初日は王様ゲームがまた始まるのでは?と生徒とも距離をおいてビクビクしていた伸明も、人と人との絆の大切さをみんなに説いていき、一致団結して王様に立ち向かうまでになっていた。
けど、結局伸明はどうしたいのかがブレブレ。前回の王様ゲームで生き残るのは一人だけって分かっている上で、それでも誰も死なせたくないと言う。
その信念を貫くんだったらいいよ、それでも王様の殺戮ゲームは続いていくってな感じでホラー感が出るからね、けど、肝心の伸明のキャラがブレッブレなのだ。
出典:王様ゲーム 終極 2 金沢伸明 連打一人
赤ん坊と老人 命の重さは一緒か?
といい瀕死ながらもまだ生きている生徒(=瀕死の生徒を老人にたとえている)を殺してしてしまえと平気で言うのである。
おまっ!
命の重さを一番分かってるのは伸明、お前のはずだろ!さらには「道理に従っているばかりいると後々苦しむぞ」言い放つ、お前がそれい言っちゃぁお終いだわ。
生徒全員が生き残れないのは分かっている、それでも「全員で生きたい」というのが伸明のキャラだろ。矛盾があるのも、甘いのも、すべて分かった上で、それでも「全員で生き延びたい」っていってんだろうが!!
ほかの生徒は分かるよ。目の前で友達が死んで、気が狂って、胴体からもげた頭部をボールにしてサッカーはじめちゃうぐらいだからさ、けど、伸明、お前は王様ゲームの唯一無二の良心としてあるべきなんじゃねぇのか?
言わば奈津子とは真逆、正反対のキャラとして伸明がいたはずなのだが・・・。
終極編から考える王様の正体
ツッコミはここまでにして、いよいよ本題。
王様の正体を解き明かしていこうと思う。終極のラストを読むと、実は前作で登場した王様とは別のウイルスの可能性が高いのである。
前回は主人公・伸明のクラスメイトの智恵美の母親・本多奈津子が32年前に研究していた「暗示プログラム」が暴走、自己増殖し、それが王様ウイルスとして生徒たちに強力な自己暗示をかけ殺していった。
生徒たちが自殺をしたり、首や腕が吹っ飛んだのはすべて暗示によるもの。つまり強力な暗示法を持ったコンピュータウイルスが王様の正体だった。
出典:王様ゲーム 終極 5 金沢伸明 連打一人
だが、終極での王様の正体は33年前に宮澤(みやざわ)という研究者が発見した自我を持つウイルス「ケルドウイルス」が王様の正体だと判明する。
ケルドウイルスは恐怖という感情により増殖し、ネットワークを通じて自己増殖もする特性をもっているらしい。つまり、前作の「暗示法」で殺していった王様とは殺し方が違っている、つまり王様は一人ではない可能性がある。
アニメのラストについて
アニメでは「終極」のラストを採用。
が、王様の正体までは明らかにされていなかった。ただ「参加者全員が死なないと人類は滅亡する」というメールから、ケルドウイルスが王様の正体と言えそうです。
ラストで里緒奈が伸明とともに海に入ったのは入水自殺をはかるためでしょう。生存者が一人でもいれば王様が人類を滅ぼすって言われたわけだからね。けど、結局王様ゲームを止めることはできなかったというオチだった。
この後のネタバレを言えば、王様はネットワークを通して全国に蔓延、日本滅亡のシナリオへと進んでいきます。これはアニメ版のラストでも匂わせていました。
王様ゲームまとめ
王様ゲーム・終極は悲しいですが、前回とほぼ同じストーリーではじまり、そしてなんの伏線も回収しないまま終わっていきました。
王様の命令っていうけど、なんでルール説明のときだけ敬語使ってたのとか、奈津子が「狂ってなんぼな」と急に大阪弁キャラになったり、宮澤ってどこから湧いてきたのとか、ツッコミたくなる設定はいくらでもある。
とはいえ、松本里緒奈のツンデレ感、無意味に多いパンチラ・ムネチラショットなども前作よりボリュームアップしていて楽しめるには楽しめる・・・かな。
けど、ストーリーが進まなすぎてさすがにナえた、王様シリーズはこのほかにも「臨場」「滅亡」「起源」と続くんだけど、王様の正体とか正直もうどでもいいw