不可能と言われた無農薬でのリンゴ栽培を成功させ、「奇跡のリンゴ」としてマスコミで大々的に取り上げられたリンゴ農家の木村昭則さん。
2006年12月放送のNHK「プロフェッショナル 仕事の流儀」で取り上げられたことで木村さんの認知度は全国に広がっていった。
その後、書籍や映画化にまでなり日本一有名なリンゴ農家となった。幻冬舎から出版された『奇跡のりんご』ではリンゴの無農薬栽培の奮闘記がつづられてる。
そこには11年に及ぶ苦悩と試行錯誤が書かれているが、1つ気になるのが読み進めていくと、なぜか「宇宙人」というワードが急に登場してくることだ。
冗談なのかはたまた真面目に言っているのか、この本だけでは判断は難しい。そんなとき月刊ムーが木村さんに目を付けてしまう。
木村さんへの取材といえばりんごに関することが当たり前、しかし月刊ムーはさすがである。りんごではなく宇宙人に喰いついた。
果たしてムー取材班は、木村さんからどんなトンデモ話を聞き出すことに成功したのかw
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木村のファンタジー
書籍『奇跡のリンゴ』で語られる「宇宙人」エピソードはどんな流れで登場してくるのか、まずはそこから触れていきたい。
木村が酔って気分が良くなると、決まってする不思議な話がある。
宇宙人に会った話だ。
出典:奇跡のリンゴ 石川拓治 NHK「プロフェッショナル仕事の流儀」制作班監修
この本はNHKが監修として携わっている。
そのため仕事の流儀よろしく、感動ストーリーにしようとする意図が強く感じられる。つまり、キナ臭いトンデモ話にならないようにそれらしい文章で説明しているのである。
ユングに言わせれば、空飛ぶ円盤は全体性の象徴ということになる。大きな困難に陥って自分を取り戻そうともがいているときに、現代人が見る典型的な幻視のひとつだ。
出典:奇跡のリンゴ 石川拓治 NHK「プロフェッショナル仕事の流儀」制作班監修
この説明でお分かりの通り、NHKは木村さんが証言する「宇宙人」をやんわりと否定して、ユングを例に幻視、幻覚として処理している。
無農薬栽培が行きづまり家計は火の車、周囲から村八分のような扱いを受け、実親からは勘当され、心身ともに疲弊しきっていた当時の木村さん。
こうした極度の精神状態が幻を見せていた、一時的なノイローゼとして説明しているのだ。
なるほど
木村さんの宇宙人話はファンタジーでありネタなのだと、トンデモ度を是が非でも下げようと心血を注ぐのだ。
しかしちょっと待ってくれ!
NHKは感動話に持って行こうとしても月刊ムーは許さない、なぜならトンデモ話を真に受け真実を追い求めていく雑誌なのだから。
なにが公共放送だ、なにが受信料だと喧嘩を売る、俺たちが本当の取材ってやつを見せてやるとでもいうように、ムー取材班は断言する。
木村さんは宇宙人に遭ったのだ
とwwwww
月刊ムー渾身の取材
では月刊ムー取材班が掴んだ木村さんの宇宙人遭遇とはいったいどんな話なのだろうか。取材班は木村さんが住んでいる青森県中津軽郡岩木町に向かった。
私にとっては、無肥料・無農薬でリンゴを栽培したことも、異星人に遭ったりUFOに連れていかれたりしたことも、真実なんだよな。だから、私は話すのな
出典:ムー2017年 06月号
ムーの取材に快く引き受けてくれた木村さん。
まるで、コンビニにでも行くかのような感覚で、気軽に宇宙人ネタを話してくれたという。取材によれば木村さんはUFOや異星人、龍、霊界といった話が大好きなのだという。
出典:ムー2017年 06月号
取材班に見せてくれた一枚の写真。
これは木村さんの故郷の岩木山の上空に突然現れたUFOを撮影したときの写真だ。UFOは頻繁に目撃しているという衝撃発言をする木村さん。
やはり只者ではない!
さて核心部分はここからである。『奇跡のりんご』でも宇宙人に遭遇した体験談は記されている。が、木村さんが宇宙人と遭遇したのは一度だけではないのだ。
一度目の遭遇は書籍にも登場する。
ソクラテスのような顔をした宇宙人に遭遇した話である。そしてムーの取材で明らかになったのが二回目の遭遇である。
このときにはりんご栽培は軌道に乗りはじめ、心身ともに穏やかな時期だったそうだ。つまり、幻覚やノイローゼといった精神疾患が原因とは言い難いのである。
NHKが指摘するユング説では説明が付かないのだ!
二度目の遭遇では、宇宙船の原動力だという「K」という物質を宇宙人に見せてもらったというのである。厚さ1センチ、一辺が20センチほどの三角形の物体で、持ったときズシリとかなりの重さを感じたという。
出典:ムー2017年 06月号
▲ムー取材班にホワイトボードを使い遭遇エピソードを熱心に語る木村さん。漢字の「亜」のような文字を宇宙船で見たと証言する。
ムー取材班の結び
このように木村さんは真面目に宇宙人ネタを話すのである。仮に宇宙人と遭遇していたとするならば、1つの疑問が浮かび上がる。
それは、
なぜ宇宙人は木村さんと積極的にコンタクトをとりたがるのか?まさか入手困難な奇跡のリンゴが目当なのだろうか。
この指摘についてムー取材班では次のように結論付けている。
かつて木村さんの畑では、リンゴの木が今にも枯れそうな状態になっていた。それが今では、世界一のリンゴが実る畑になっている。今の地球も、あのときの木村さんの畑と同じだ。それを甦らせるための起爆剤となることを、宇宙は木村さんに期待しているのではないだろうか。
出典:ムー2017年 06月号
宇宙が木村さんに期待している、なるほどさすが月刊ムー。
UFOや宇宙人の話を口に出した途端に眉をひそめるのが普通のリアクションだ。そのため木村さんは普段は夢(ファンタジー)だと最後に付け加えお茶を濁す。
NHKの取材のときがまさにそうであった。
しかしムー取材班に対しては対応は違っていた。日本でも稀有なトンデモ雑誌、やはりどこか通じるところがあったのではないか。きっとそうに違いない。
奇跡のリンゴ 石川拓治 NHK「プロフェッショナル仕事の流儀」制作班
ムー2017年 06月号