原作と映画から解く『アナと雪の女王』解釈|なぜアナはクリストフではなくエルサを選んだのか

既にいろんなメディアで語りつくされていますが、ぼくなりの解釈で『アナと雪の女王』を語ってみることで、何か新しい発見が生まれるかもしれない。

今回は「解釈」ということで、かなりネタバレが含まれていますので、あらかじめご注意ください。

まず、重要なキャラクターとして、真っ先に雪だるまのオラフが思い浮かびました。そして、オラフをメタファーにしてエルサ(姉)とアナ(妹)を考えていきます。

そもそも、『アナと雪の女王』の元となった原作は、アンデルセンの童話『雪の女王』と言われています。

原作と比べてみると分かりますが、全く違った作品となっているんです。原作に登場する主人公はカイという男の子と、ゲルダという女の子で、近所に住む幼馴染みという関係です。

ただ、原作をちょっとだけ意識することで『アナと雪の女王』の理解も深まってくるんです。原作の作者はアンデルセン。

正式に書くと、ハンス・クリスチャン・アンデルセン。ここでお気づきと思いますが、「クリスチャン」とあることからも、彼の作品にはキリスト教の影響を強く受けており、この背景を知っておくことでより深く理解できます。

今回考察していく主テーマは、「なぜアナはクリストフではなく、姉のエルサを選んだのか?」についてです。オラフや原作と関連付けながら考察しました。

かな~り長い文章なので、スマホからここにたどりついた方、読むの相当キツいはず・・・ですが諦めないで!

読むのに飽きたなら、また次回、挑戦してください。「アナブレ アナ雪」でググれるはず、多分。

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雪だるまオラフの役割

「アナはなぜエルサを選んだのか」を解説をしていく上で、オフラの存在はとても重要です。

アナとエルサにとって「雪だるま」には特別な存在であることがわかります。

それは、雪だるまが二人の楽しい思い出であると同時に、悲しい思い出の象徴でもあるからです。

エルサが魔法をコントロールできていた頃のアナとの関係はとても仲良しな姉妹として描かれおり、アナにとっても雪だるまの思い出は鮮明に残っていました。

これは、エルサが魔法のコントロールができなくなった後も、部屋の前で、「雪だるまを作ろう」と歌っているシーンが何度も登場することからもわかります。

そう考えていくと、オラフがとても重要な役割を演じており、大事な場面にはいつも彼がいることがわかります。そこで、まずはオラフに注目していこうと思います。

まず、映画の中において、オラフがどこで最初に登場するか覚えていますか?アナとクリストフの話を割って突然現われたところですか?いえいえ違います。その前にオラフは既に登場していたんです。

その場面をここで書いてもいいのですが、こうだらだらと書いても、読んでる人も退屈でしょうから、ディズニー公式のYouTubeチャンネルに、ちょうどオラフが登場するシーンがありましたので、まずは下のPVをご覧ください。

出典:『アナと雪の女王 MovieNEX』Let It Go/エルサ(イディナ・メンゼル)<英語歌詞付 Ver.>

魔法が使えるというエルサの秘密がバレてしまい、雪山に逃げてきたシーン。

今まで隠してきた魔法の秘密や、お城に閉じこもっていなければならない状態から開放され、「ありのままの自分」になれたというエルサの心の躍動がうかがえる歌となっていますが、彼女が最初にこの雪山で使った魔法(1:10秒あたり)が「雪だるま(オラフ)」だということにお気づきでしょうか?

そう、雪だるまといえば、エルサとアナにとって特別な存在です。エルサは無意識に魔法で雪だるまを作ったのでしょうが、ここからわかるのは「アナへの思い」です。

小さい頃、自分の魔法のせいで傷つけてしまった後悔や懺悔、そして、大人になったアナにも、同じように危険な目にあわせてしまったエルサ。

彼女の心の底にある辛い思いが「雪だるま」となって具現化されたんだと思います。ここから考えても、クリストフではなくエルサを選んだのかがうっすらと見えてきませんか?

エルサへの愛とクリストフへの愛

雪だるま。つまりはオフラはアナとエルサにとって、とても大切な存在であることが分かりました。

さらに、この他にも「真実」の愛のメタファーとしての役割をオラフは担っているのではないかと思ったんです。

ここで真実に「」を付けたのは、クリストフとアナ、そしてエルサとアナとの愛が異なっていることを強調するため。そして、どちらが本作において真実の愛なのかを比較するためです。

『アナと雪の女王』のテーマは真実の愛ですよね。

作品のところどころに「true love」というセリフが何度も登場したことからもわかります。では、アナにとって、エルサへの愛と、クリストフへの愛との違いとは一体どこにあるのでしょうか?

まず、エルサから見ていくことにしましょう。

エルサとアナはそもそも仲のいい姉妹だったのですが、エルサの魔法が原因で、二人の心がすれ違っていきます。しかし、お互いの本心は昔のように仲良くしたいという思いがあるはずです。

エルサが雪山で最初に魔法で雪だるまを作ったように、そして、アナがエルサのことを信じて連れ戻しにきたように、二人の心はどこかでつながっているのです。

しかし、エルサはアナのことを思えば思うほど、魔法のコントロールが効かなくなり、いつも暴走してしまうという裏腹な結果になってしまう。

これは、エルサにとってアナを傷つけたというトラウマの深さ、それと同時に、二人の姉妹のすれ違いの深さも表しています。お互い心の奥底では仲良くなりたいと思いながらも、それができな二人のすれ違いな関係が読み取れます。

次に、クリストフに対してアナはどんな感情をもっていたのでしょうか。

アナにとって、クリストフはエルサを探すために雇った使用人程度にすぎませんでした。そのため、後半部分までクリストフに対して、いい人とは思っていても、恋愛感情までは持っていなかったと思います。

それは、アナがハンス王子に部屋に閉じ込められたときに、オラフが言った(ここでもオラフが重要や役割を担っていることがわかりますね)

「クリストフはアナのことを愛している」

という言葉でやっと自分の心に気がついたくらいですから、クリストフに対してそれほど意識していなかったはずです(自分の感情に気づかなかったとも言えますが、ラストを考えると、真実の愛という観点でいえば、エルサほど重要なキャラではない)。

つまり、アナとクリストフとの関係は、映画の後半部分までクリストフの一方的な愛という図式になっていて、二人の関係は「真実」の愛というよりも「恋愛」といった方が正しく、この関係はラストまで変わりません。

クリストフはいつからアナのことが好きだったのか?

ここで、ちょっとよこ道にそれますが、クリストフがアナのことを昔からずっと好きだった(この考察はあまり自信ないのですが)のではないのかと妄想できます。

クリストフは小さいときに一度アナに会っている場面が冒頭のシーンでありましたが、おそらくこの時点でクリストフはアナに恋をしていたのではないかと思うんです。

というのも、クリストフのセリフにはよく「恋愛のエキスパートの友人がいる」というセリフが出てきますが、ということは、クリストフは小さい頃から恋愛についての悩みを持っていて、その友人にいつも相談していたと考えることができませんか?

もちろん、これはぼくの勝手な推論ですが、どうもそんな気がしてなりません。だとすると、クリストフは小さい時に偶然見たアナにずーっと片思いをしていたわけで、なんだかクリストフがさらにいいキャラに思えてきます。

ここまでの考察まとめ

本題に戻って、「真実の愛」がテーマであると考えた場合、はじめに言った「なぜアンはクリストフではなく、エルサを選んだのか」の回答となる準備がおおよそ整いました。

ここで長々と書いてきましたので、一度整理してみようと思います。

まず、原作はアンデルセンの童話であり、映画は全く違う作品となっているのですが、アンデルセンの作品にみられるキリスト教的な影響がこの作品にもあるよという点。

次に、雪だるまのオラフは、この作品ではとてもとても重要な役割をしているので、注意してみることが大切だよという点。

最後は、アナとエルサ、アナとクリストフとの愛の形は違うよという点でした。

以上整理終わり。

さて、ここまで読んでいただきましてありがとうございます。ですが、残念なお知らせがあります。

この先、文章はまだまだ続きます。ですが、もう一息です!最後までがんばって(辛くても、つまらなくても)読みましょう。レディゴー(let it go)精神はここでは禁物です!

オラフは真実の愛のメタファー

それではいよいよ本題へと話を進めていきます。アナにとってエルサとクリストフのどちらを大切に思っているのかといえば、これは間違いなくエルサでしょう。

この作品ではあからさまなセリフは一切ないのですが、アナとクリストフとの明らかな身分の違いはどうしても無視することはできません。

クリストフがなかなかアナに自分の気持ちを伝えられなかったのも、クリストフの性格だけが原因ではなく、アナが女王という立場にあったことも要因の一つだと思います。

特に印象的だった場面が、瀕死の状態のアナを城まで運んだシーンです。クリストフはアナを城の兵士に預けますが、命の恩人であるクリストフへの対応といえば「ありがとう」というお礼の一言だけで、すぐに門が閉まります。

このシーンは、明らかな身分の差というものも表現しています。

そして、ここから核心へと迫るのですが、この作品の最後には、アナとクリストフは相思相愛にはなれたのですが、ラストはクリストフに新しいソリをプレゼントして、キスをして終わりです。

『美女と野獣』を手がけたスタッフがかかわっているそうですが、どうして結婚シーンでラストを迎えなかった(いってみれば中途半端なラスト)のでしょうか?

恐らく、この疑問について考察をすることで答えが見てくるはずです。ポイントは、やはり雪だるまのオラフでした。

オラフはこの作品では重要な役割をしていることは既に話しましたが、「真実の愛」のメタファーの役割も担っていたというのがぼくの解釈です(こちらもちょこっと話しましたが、覚えてます?)

メタファーとは比喩のことで、何かを遠まわしに言い表すときに使うレトリックのこと。そして、オラフが真実の愛のメタファーと考えたのは、オラフの溶け具合によって「真実の愛」かどうかを見分けることができるからです。

この作品の主テーマは「真実の愛」です。しかし、本作で描かれている愛の形は2つあります。

エルサとの愛とクリストフとの愛の2つを描いています。僕がそれぞれの愛の形を比べてるにあたって、オラフがとても役立ちました。 

それは、次の2つのシーンが根拠になっています。

最初のシーンは、アナがハンス王子に部屋に閉じ込められて、今にも凍えて死にそうな場面。

クライマックスへと向かう重要なシーンでオラフが登場してきます。アナを暖めようと暖炉に火をいれる場面で、クリストフはアナのことが好きなことを話したことによって、アナもクリストフへの愛に気づき、吹雪の中で彼の名前を叫びながら探していきます。

重要なところは、オラフがアナにクリストフが好きであることを話すとき、オラフは暖炉の火で少し溶けてしまうのですが、完全に溶けずに元に戻ってしまいます。これが、つまりはメタファーなのです。

そもそも、オラフとは一体何なんでしょうか?雪だるまの精?いいえ、オラフはエルサが魔法で作った雪だるまであり、アナとエルサにとって特別な存在です。

オラフは、ずっとアナを傷つけ続けているというトラウマをもち、今もアナに危害を及ぼしてしまう可能性があるため、誰も住んでいない雪山に隠れました。

そうした心の思いが魔法に伝わり「真実の愛」のメタファーとしてオラフが誕生したのではないかと思うんです。つまり、はじめから「真実の愛」の答えがアナのすぐそばにあり、最後の最後でようやくそれに気がつくことができたんだと思います。

だからこそ、クリストフの愛ではオラフは解けなかったのです。もちろんこれはアナとエルサの愛と比べてということであり、二人が仲直りした後のクリストフとの関係はまた違ってくるので誤解しないように。

「真実」の愛ではなく、「恋愛」として描かれているため、ラストがクリストフとの結婚シーンではなく、ソリのプレゼントをしてキスするという、恋人までしかディズニーは描かなかったのだと思います。

原作「雪の女王」からの考察

最後に、原作から論の補強をしていこうと思います。なぜキリスト教をここで持ちだすのかというと、冒頭の説明を覚えていますか?

原作のアンデルセンの作品には、キリスト教の影響を受けているという特徴が指摘できるため、ここでキリスト教について触れることで、さらに理解を深めるためです。

聖書において「家庭」の位置づけを考えてみた場合、家庭とは神から与えられたものと解釈できるそうです。

「・・・それで人はその父と母を離れて、妻と結び合い、一体となるのである」
(創世記2:24)

「彼らはもはや、ふたりではなく一体である。だから、神が合わせられたものを、人は離してはならない」
(マタイ19:6)

これは聖書の一文ですが、家族というのは人類存続の基本単位としてとても重要な意味があります。そのため、キリスト教にとって「結婚」や「夫婦生活」は特別な意味を持ちます。

キリスト教の立場から考えても、なぜクリストフがアナと結婚しないままラストを迎えたのかも理由が見えてきます。

結婚とは、つまりは家庭を持つことと等しいわけですから、聖書の解釈からいえば結婚も「真実の愛」と定義することが可能であるため、中途半端なラストになったのではないかと思います。

つまり真実の愛とは「家族愛」であり、今作で描きたかったテーマでもあったというのが僕の解釈ということになります。そして、これが「なぜアナは最後クリストフではなくエルサを選んだのか」の答えとなります。

疲れた。

コメント

  1. もり より:

    誤字が多すぎじゃないですか?

    • KaoruAnatu anabre より:

      誤字多すぎですね(といいますか読めたもんじゃないですね・猛反)。修正しておきます。

  2. お姫様 より:

    アナがアンになるし、エルサがエレサになるし、いい話かもしれないけど、話が入ってこない

    • KaoruAnatu anabre より:

      お姫様さま

      誤字脱字の指摘は以前もありまして、修正したと思っていたのですが・・・すみません。ご指摘ありがとうございます即刻修正いたします。

      追記

      登場人物の名前を間違えるというあり得ないミスのオンパレードでした。お姫様さまにはご指摘非常に感謝しております。