最終章に突入した「灰と幻想のグリムガル」。オルタナに戻ってこれたものの、記憶をなくしたハルヒロたち。
その後、アラバキア王国から派遣された遠征軍と合流し、ゴブリン族に占拠されたオルタナの奪還に成功するも、謎はいまだ多い。
16巻では、これら数々の謎が明らかになっていきます。ラストへのシナリオがほんの少しだけで見えてきた、そんな感じ。
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グリムガル16巻あらすじ・ストーリー
まずは16巻のストーリーをおさらい。モーギス将軍とハルヒロの対立、レスリーの正体とシホルの失踪と次々と難題が襲いかかります。
ただ、状況を組み合わせていくと、ラストへと向かうストーリーというか黒幕の正体が、そこらへんはのちほど詳しく。
諸王連合の状況と義勇兵の現状
オルタナをはじめ人間族、エルフ族の町を次々に襲撃、陥落していった諸国連合の軍勢は、オークや不死族らで構成されていた。
陥落された町- 影森(エルフの里)
- デッドヘッド監視塔
- リバーサイド鉄鋼要塞
- オルタナ
義勇兵はもちろん交戦したが、数の暴力とフォルガンといった強敵を前に敗走するしかなく、彼らはワンダーホールを拠点に潜伏。
その後、遠征軍のオルタナ奪還計画を知り、奪還開始の同時刻、義勇兵はリバーサイド鉄鋼要塞を取り返すことに成功した。
こうして遠征軍によるオルタナ奪還、義勇兵によるリバーサイド鉄鋼要塞の奪取を果たし、人間族はかろうじて拠点の一部を取り返した。
モーギス将軍の外道な策略
オルタナを奪還したものの脅威が去ったわけではない。諸王連合が再び進撃してくる可能性もあり、人間族の劣勢は変わらない。
さらには内部にも厄介ごとが。
遠征軍を率いるモーギス将軍である。野望のためなら残虐非道な決断を平気で下す男、その行為は明らかに常軌を逸していた。
そんな彼に目を付けられたのがハルヒロたち。オルタナ奪還の功績からして、モーギス将軍がそう簡単に手放すはずがない。
そして悪夢は現実に。
ハルヒロたちが協力を拒否する可能性を考え、シホルを人質に強敵的に部下になることを強いるのであった!
モーギス将軍の腹の中
そんな状況の中で、モーギス将軍が動く。現在ダムロー新市街を根城にしているゴブリン族と、和平協定を結ぶと言い出した。
ダムローのゴブリンとは、同盟を結べる。少なくとも、その余地はあると考えている
出典:灰と幻想のグリムガルlevel.16 十文字青
ゴブリン族との交渉には使者として「誰か」がいかねばなるまい。その使者として、白羽の矢が立ったのがハルヒロ。
モーギス将軍がシホルを人質にした意図がここにあった。ハルヒロに拒否権はなく、ゴブリンの王に会うべくダムローへと向かうしかなかった。
和平協定と明かされる真実
ハルヒロの活躍によりゴブリンとの和平協定は無事結ばれた。だが、その内容がまた一波乱ありそうなものなのだッ!
- 遠征軍はアラバキア国王から独立を宣言
- 辺境軍と改めヴェーレ獲得を目指す
- ヴェーレ獲得後オルタナをゴブリンに譲る
アラバキア国王から独立し遠征軍を独自部隊として掌握、さらに、自由都市ヴェーレの支配というスゲー野望を目論んでいた。
さらには、ヴェーレ支配の暁には、オルタナをゴブリンに譲ること独断で決めてしまった。モーギス将軍の暴走は留まるところを知らずw
つづく
グリムガル16巻ストーリーまとめ
ゴブリン族との和平協定を結ぶべく、ハルヒロたちの活躍を描くのが16巻のメインのストーリーですが、終章らしく気になる伏線も続々と登場。
とくに、開かずの搭の主の言動が気になるところです。彼の目的の先にあるものが、この作品の謎を解き明かすカギとなるのか。
詳しくは、この後で考察する既読向けの考察編にて紹介していきます。気になる人はこのまま読み進めてください。
グリムガル16巻深堀り考察【ネタバレ】
人間族が滅ぼされかけている現状ですが、そもそもはグリムガルという異世界がどんな世界なのか、そこが一番の謎です。
その秘密が明らかになるキーパーソンとして、今回登場したレスリーこと、サー・アンチェインがカギを握るのか?
サー・アンチェインの正体
アイランド・レスリーが不死の王の五公子の一人であることは判明してましたが、まさか開かずの搭の主だったとは。
レスリーはまた、サー・アンチェインという別の名も持っていることも明らかに。アンチェイン、日本語に訳せば「閂外し卿」となる。
そして、彼、いや、人間とは形容しがたい存在ではあるが、アンチェインの容姿についても明らかになった。まとめるとこんな感じ。
- 身長は二メートル近く
- 肩幅が異様に狭くなで肩
- 長く垂れた髭
- 黒ずんた外套、つばの広い帽子着用
- 白っぽい杖を所持(レリック)
- 両の目は義眼(レリック)
アンチェインに従う者たちもおり、ひよむーをはじめいく人かの存在も明らかとなり、義勇兵のシノハラもそんな一人だった。
シノハラとサー・アンチェインの関係
シノハラはオリオンのリーダーとして名の知れた人物。かつてメリイが属していたチームでもあり、ハルヒロとも少なからず面識はあった。
そんなシノハラが実はサー・アンチェインと通じていたとは。ただ、シノハラが自らの意思で仲間になったのではなく、すべてはアンチェインの意思。
あなたは遺物(レリック)で彼らの記憶を消した。ずっと僕らに施してきたように
出典:灰と幻想のグリムガルlevel.16 十文字青
シノハラのセリフで判明した事実は二つ。
- 記憶を消したのはアンチェイン
- シノハラは記憶を取り戻した
ハルヒロたちの記憶はアンチェインによって消されてしまった、そして、シノハラ、さらには彼のチームもまた記憶を奪われたとみていい。
ただ、シノハラのセリフには「施してきた」と過去形になっており、現在は記憶を取り戻せている可能性が高い。
暗躍するサー・アンチェイン
ひよむーがモーギス将軍に接触したのはアンチェインの指示。モーギスを利用して、障害になるであろう義勇兵をけん制が狙いのようです。
やりようによっては、義勇兵団を抑え込むのは難しくても、牽制することくらいはできるかもしれません
出典:灰と幻想のグリムガルlevel.16 十文字青
さらに、シホルを人質にしてハルヒロを操ろうとしたモーギス将軍の作戦には、アンチェインの助言があったに違いない。
その理由はモーギス将軍がハめていた指輪。アンチェインから譲り受けたレリックの効果により、ハルヒロたちは敗北した。
シホルを拉致した目的
ただ、一つ気がかりなのがシホルが軟禁されていた場所。モーギス将軍のアジトではなく、開かずの搭内であったこと。
つまり、シホルはアンチェインの元に捕まっていることになる。記憶を消されたシホルになにをさせようとしているのか。
グリムガルの謎
そもそもグリムガルはどんな場所なのか、人間以外のさまざまな生物が生息する異世界だが、真相は何一つ分かっちゃいない。
しかもである!
ハルヒロたちは異世界にやってくる前の記憶を思い出す場面もたびたび描かれ、生きているのか死んでいるかも不明な存在。
ただ、終章に突入してこの答が明らかになりそうな展開になってきた。そのカギを握るのは、やはりサー・アンチェイン。
望みが果たされれば、きみはもとの世界に帰ることができるだろう。きみがいた世界。本来、きみがいるべき場所に
出典:灰と幻想のグリムガルlevel.16 十文字青
もとの世界、きみがいた世界、これはグリムガルとは別の、ハルヒロが断片的な記憶でみた場所のことを指しているのでしょうか。
記憶を消すレリックを所持していたアンチェイン、グリムガルにやってくる人間の前の記憶が消えているのも、アンチェインの仕業だったのか?
灰と幻想のグリムガル16巻考察まとめ
カギを握る人物としてサー・アンチェインに注目です。それにしてもアンチェインの望みとは一体なんなのでしょうね。
不死の王の復活なのか、だからこそソウマやアキラたちを警戒して、モーギス将軍を利用しようと近づいたのか。
ただ、人間族は滅亡寸前、ソウマたちをそこまで警戒する理由はなんなのか、もしや、シノハラが二重スパイとか?まさかね。
あと、#2「怪物は囁く」で案内役として登場していたアリスって、異界パラノでハルヒロが連れてきた女の子なのかな。
ハルヒロたちと同じく謎の薬を投与されてしまい記憶をなくし、ひよむーに勧誘された?それとももともと仲間だった?
ただ、開かずの搭で目覚めたとき、ハルヒロたちやイオ様もいたけど、アリスの姿はなかったから、名前だけ同じって可能性もなきにしもあらず。
つづく
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