21巻から新章が新たにスタートします。これまでのグリムガル以上に、さらなる拍車をかけ残酷な世界が舞台に。
気になるのは主人公のハルヒロ。レスリーに身体を乗っ取られたように見えたんですが、果たして無事なのか。
さらに、二柱の出現でパーティはバラバラに。冒険譚はこれからどう動いていくのか。21巻で明らかになります。
グリムガル21巻の時間軸整理
18巻あたりから時系列が前後したり、急に何十年も飛んだりする構成でしたが、今作もまた時間が一気に飛びます。
二柱が出現してから五十年近くが経過。グリムガルは一変し、二柱を信奉するものたちが跋扈する世界が広がります。
その中には、かつてハルヒロと共に冒険した仲間達もおり、彼らは人間とは違う「別物」として登場することに(涙。
明かされる「ニホン」
ハルヒロをはじめとし、グリムガルに転移してきた義勇兵の元の世界に関する情報はこれまであまり描かれていませんでした。
ところが、21巻ではグリムガルに転移する前の世界とされる「ニホン」の状況が、かなり詳しく描かれています。
ニホンでは、マナトという青年視点でストーリーは進みます。マナトといえば20巻でグリムガルに転移してきた子です。
西暦二千百年の「ニホン」
マナトの両親はハンター。山で獲物を捕らえ街で売り生計を立てている。貨幣は流通しておらず、物々交換らしい。
街には死体が当たり前のようにあり、ヤクザが牛耳る世界。ニホン=日本なのは間違いないが、明らかに現代の日本とは違う。
マナト曰く、ニホンの西暦は二千百年。グリムガルとニホンの時間軸は同じであり、ニホンの状況はハルヒロが居た頃とはかなり一遍したようだ。
そして、突如ニホンからグリムガルへと転移。開かずの塔の中で目を覚め、ハルヒロと出会うことになります。
謎はいまだ謎のまま
ニホンが劣悪な環境であり、世紀末的な雰囲気を感じるところなのは分かったものの、一番の謎であるなぜ転移したのかは謎のまま。
「ハルも・・・ニホンの人?」
「ニホンからこのグリムガルに来た」
「だから・・・それどうやって?」
「おれにもわからない」
出典:灰と幻想のグリムガル21 十文字青
マナトとハル(今はハルヒロではなくハルと名乗っている)の初対面の会話で、ハルも未だ移転の謎は分からないという。
ただ、開かずの塔は「方舟」とも呼ばれ、方舟には転移装置としての役割があることが判明。ニホンからの転移者は必ず開かずの塔で目覚めるのだ。
ハルヒロこと、ハルの現状
気になるのはハルの現状。まずは見た目。世界腫の消滅から半世紀ほど経過しているため、年齢もそれなりになるはず。
おれは他の生き物たちのように老化することがない。怖がらせたくないが、性格には、おれの中にいるものが、そういう存在だからだ
出典:灰と幻想のグリムガル21 十文字青
ハルは、自分の意志も記憶も維持しているようですが、レスリーを取り込んだことで、人間ではなくなっていた。
また、開かずの塔に入れるようになったのも、レスリーを取り込んだためと言えそうです。今では開かずの塔の主的な存在に。
今度ハルヒロはどうなっていくのか。不死の王に取り込まれたメリイと同じく、かろうじて共存しているのか、それとも??
仲間の出会いと新たな旅
50年余りが過ぎたグリムガル。世界腫が消滅し代わりに二柱が出現してからのハルはずっと一人だったようです。
開かず塔を根城に、人間でなくなった二柱の信奉者と戦い、生き延びていたというわけか。そして出会った新しい仲間。
リヨとヨリとの出会い
ハルは転移者マナト以外にも仲間を得ます。竜を飼い馴らし天竜山脈を越えてグリムガルにやってきたリヨとヨリの二人。
ユメは・・・生きてた。生きていてくれたんだ。あの子をルオンを守って・・・グリムガルを脱出した
出典:灰と幻想のグリムガル21 十文字青
二柱の出現によってぐちゃぐちゃになったグリムガル、その中でもユメは息子を連れて、グリムガルを脱出していたことが明かされます。
となると、ハルがランタをタヒてしまった過去があります(20巻参照)。このことをハルが打ち明けたならどうなるのか、詳しくは本誌で。
ダムロー旧市街の戦い
新たな仲間と行動を共にすることになるハル。グリムガルには、今や二柱の信奉者が彷徨っている地獄のような状況です。
オルタナ周辺にあるダムロー旧市街。かつてゴブリンが占拠していたが、今や二柱の一つ、暗黒神スカルヘルの隷属の根城に。
ハルたちがダムロー旧市街を探索する中で、ゴブリンを養殖する施設を数ヶ所確認。ゴブリンを助けるため隷属と戦うストーリーへ。
二柱を信奉する人間ならざる者
光明神ルミアリスに帰依する者と暗黒神スカルヘルの隷属との戦いは半世紀を超えても続けられています。その理由は彼らが人間ではないから。
六芒光核がある限り、帰依者たちの肉体は修復される
出典:灰と幻想のグリムガル21 十文字青
帰依者の体内には「六芒光核」があり、これを破壊しないかぎり何度でも復活する。ということは、今でもハルの仲間たちは彷徨い続けているのだ。
隷属も似たような存在へ。ハルが新たな仲間との旅=かつての仲間と戦うわけで、ハルにとっては過酷な冒険になりそうです。
灰と幻想のグリムガル21巻ネタバレ感想まとめ
新章が突入し、舞台はグリムガルながら、状況は全く違う、いや、別世界といってもいいほどの状況でした。
そして、今回の初旅はハルがはじめてグリムガルに転移してきたのと同じように、ダムロー旧市街での冒険でした。
しかも、「マナト」という同じ名前の仲間と。思えば、ここでマナトは命を落としたんだよなと、なんとも感慨深かった。
「死」ねない世界
これまでグリムガルは死と隣り合わせの世界観として描かれていたけど、新章からは死なない世界という対極な世界観になっています。
二柱の信奉者をはじめ、ハルヒロ、マナトあたりも死にづらい体質です。しいていえばリヨとヨリは死と隣り合わせな感じですね。
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