松原タニシさん(以下敬称略)の「恐い間取り」からはや2年の月日が経った頃、第二弾となる「恐い間取り2」が発売され(て)ました。
間取りというありそうでなかった恐本は、タニシ本人が体を張って事故物件に住むという、命がけの芸風に惚れ新刊は必ず購入。
タニシが住んできた物件は一体とはどんな場所なのか。興味本位から、九件目に登場した沖縄の某物件を検証していきたい。
沖縄にある某マンション
これまでに登場してきた物件たちは、大阪や東京などが主だった。だが、今回は日本最南端の沖縄の物件も登場する。
気になる物件を見つけるも、管理会社から拒否されたり、タイミングが合わなかったり、実際に住んでいない部屋も紹介されていた。
そんな中でひと際目を引いたのが、那覇市にある某物件。タニシの体験談は本誌に譲るとして、当ブログではこの物件を調査するこにした。
那覇市にある呪われたマンション
タニシが借りた某マンションは、過去に事件や事故があったわけではない。そもそも建てられた年数からしてごく最近、ほぼ新築の物件なのだ。
過去の事件・事故物件情報を集めてたサイト「大島てる」で調べてみても、この場所の情報は見当たらなかった。
独自に調査をしていくと、このマンションのヤバイことが明らかになった。問題は物件ではなく、建物が建っている土地に由来していたのだ。
那覇市繁華街から徒歩三分圏内
まずはこの場所がどこにあるか、調査はそこからはじまる。詳しく読んでいくとヒントとなる情報が複数。これなら特定も難しくない(はず)。
1K六帖、家賃五万五千円。那覇市の中心地で、繁華街まで徒歩三分の好立地
出典:恐い間取り2 松原タニシ 二見書房 p34
注目したいのが徒歩三分だ。賃貸情報によく記載されている、駅から徒歩〇分という謳い文句は、よく見かけるところ。
この徒歩〇分、当然ながら基準がある。1分80メートルで計算するのが一般的で、徒歩三分なら、80×3=約240メートル圏内を意味する。
となると、タニシが借りた物件は那覇市中心街から240メートル圏内にあるマンションとなる。概算ではあるが目星は付いた。
あとは、グーグルマップを活用して探していけばいい。ただ、マンションに関する情報がかなり詳しく書かれていたことにも注目したい。
ほぼ新築で内装もピカピカ。ユニットバス、トイレはウォシュレット付き。乾燥器、WiFi、玄関モニター完備
出典:恐い間取り2 松原タニシ 二見書房 p34
タニシがこの物件に出会ったのは2019年頃、ほぼ新築となれば、築5年以内と予測できる。さらには事故物件でもない、となれば、
そこで、グーグル検索で上位に出てきたホームメイトから、次のような条件で某マンションを絞り込んでいった。
- 地域:那覇市
- 賃料:5~6万(共益費・管理費を含む)
- 間取り:1K
- 築年数:5年以内
- こだわり条件:
バス・トイレ別、玄関モニター
築年数は余裕をもって5年に設定、こだわり条件は仲介業者の設備登録不備を考慮し、室内乾燥機などの細かい条件は除外し絞り込む。
該当物件数:53件
那覇市N町にある某マンション
表示された検索一覧のサムネイルには、各部屋の間取りが掲載されていることが多い。そこで本に掲載されていた間取りと見比べていく、、、
とある物件に目が留まる。
築3年、間取り、設備、築年数、いずれもが一致していく。家賃は5万代、那覇市内の繁華街から徒歩三分圏内、、、見つけた、、、
松原タニシが九件目に住んだと思しき沖縄の某マンション。このマンションは現在も存在しており、実際に住んでいる方もいた。
しかし、まだ調査は終わらない。肝心なのは周囲の環境だ。タニシによれば、このマンションの周囲は森とお墓に囲まれているという。
出典:恐い間取り 松原タニシ 二見書房p37
繁華街でこんな物件が本当にあるのか、それらしきマンションは探し当てたものの、少し半信半疑な自分がいた。
某マンションをさらに検証していく
本当にここが例のマンションなのか、さらに確信をもつために、グーグルマップでここら一体の地理を確認していくことにした。
ホームメイトで見つけた某マンションの住所をグーグルマップに入力して、検索結果をまつ、、、そしてその場所の状況が明らかになる。
出典:googlemap
こちらがグーグルマップからみた某マンションの周囲、たしかにコの字型に周囲が森で覆われている。さらに周囲の建物の形状も酷似している。
出典:恐い間取り 松原タニシ 二見書房p37
もう一度某マンションの略図と比べていく。例のマンションの形状は、、似てる、右上の半円型の建物も、、、たしかにある。
やはりここが、タニシが借りたマンションだったのか!間違いない。
沖縄に点在する神様の通り道「御嶽」
事件や事故とは無縁の物件であっても、その土地に由来する「なにか」によって、怪現象といった不可解な現象が起こることは確かにある。
沖縄には絶対に触れちゃいけない土地ってのがあるんだけど、本土の人が沖縄の土地を買い占めて、そういう場所にマンションとか建てたりするんだよね。あーあって思うんだけど、だいたい住んでいる人みんなおかしくなっちゃって誰もすまなくなるよね
出典:恐い間取り2 松原タニシ 二見書房 p34
タニシが耳にした地元の方の話。絶対に触れちゃいけない土地、沖縄にはそういった場所がいくつも存在する。
沖縄各地に点在する「御嶽」(うたき)。御嶽とは神様が姿を現すところとして、崇められている神聖な場所だ。
実は首里城も御嶽の役割を担っている。人々が集まり神様に祈りを捧げる場所なのだ。こうした、神聖な場所は那覇市各地に数多く点在する。
しかし、時代が流れ歴史を知らない本土からきた人たちが、神聖な場所を開拓し、土地をならしマンションを乱立していった。
神聖な土地に人間が我が物顔で踏み荒らしたら、なにかが起こらないはずがない。タニシが借りた部屋も、そんな場所だった。
忘れられたお墓
埼玉大学教育学部(人文地理学研究室)が運営している「今昔マップ」というサイトがある。
日本の古地図を今の地図と比べることができるサイトなのだが、昔の那覇市一体の様子を現在と比べてみると驚くことがある。
出典:今昔マップon the web (C)谷謙二
左側が90年代の那覇市、右側は現在の那覇市の地図なのだが、注意深く見ていくとお墓が点在しているのが分かる。
黒く突起のマーク、これはお墓を示す地図記号であるが、国際通り沿いの繁華街であっても、数多くのお墓が見てとれる。
出典:今昔マップon the web (C)谷謙二
たとえば、牧志町一丁目にあった巨大墓地は、緑ヶ丘公園として整備され、現在は那覇市が管理している。しかし、こうしたものばかりではない。
お墓だったり、御嶽だった土地の上に、住宅が何棟も建てられているのが今昔マップから分かる。タニシが住んだ物件もまさにそうだった。
あの場所の周囲にはお墓が点在しているが今よりも広かった。だが、その一部を切り崩して建てられたのがあのマンションだったのだ。
検証報告
那覇市にこんなにもお墓が点在しているとは知らなかった。お墓の近くには御嶽(うたき)があることも多いという。
沖縄では、新築マンションを建てるとき、人骨が大量に発見させるという話はよく聞くが、そんな場所にマンションを建てたらどうなるか、、、
沖縄には歴史や風土と相まって、そんな場所がいたるところに存在しているのであーる。
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