少し前のことです。本棚にある書籍を取ろうとしたとき、ダニのような小さな虫さんたちが、ワサワサと戯(たわむ)れていました。
気持ち悪すぎ!と思ったのも束の間、よーく見ていくと、小さい茶色い虫が部屋のあちらこちらにいるんです!
ただ、そのままノサばらせるのも癪(しゃく)なので、徹底的に交戦してやろうと誓ったのがちょうど1ヶ月前のこと(けっこう前だな)。
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生態理解・知識編まずは信頼できる情報を集める
まずはネットで調べます。「本 茶色い 虫」で検索すると、それらしいと思ったのがチャタテムシという名の虫でした。
本にいることが多く、茶色い小さな虫です。ダニのようにも思えますが、肉眼で確認できる時点で、家に生息するイエダニなどとは違うようです。
今回調べていく中で参考にしたのがアース製薬のホームページ。お客様相談質に実際に連絡して、チャタテムシについて話を伺いました。
チャタテムシの生態
チャタテムシの体長は1.5ミリメートル程度で淡褐色。小さすぎて気がつかないだけで、どこの家にも必ずと言っていいほどいる虫です。
人に悪さはしないので、放っておいても問題はないんですが、繁殖する条件が整ってしまうと、爆発的に増えてしまうんだそうです。
リアルチャタテムシ
出典:アース製薬株式会社 お客様相談室提供資料
アース製薬さんから詳しい資料をPDFでいただくことができました。極度の虫嫌いの方は注意が必要ですが、これがチャタテムシ。
英語ではブックラウス(本のシラミ)という名前がついているくらい、本(とくに古本)で見かけることが多いようです。
ただ、どこにでもいる虫のようで、窓枠、畳、米びつ、意外なところでは、新築の家にも増殖することがあるんだとか。
補足
爆発的増殖の原因「湿気」と「単為生殖」
数匹程度であればいたって普通ですが、条件がそろうと、爆発的に増殖してしまうのがチャタテムシの特徴です。その条件とは「湿気」です!
- 湿気の多い場所
- 結露が酷いのに換気してない部屋
- 梅雨の時期
また、生態も関係しています。チャタテムシは、雌単体で繁殖可能(単為生殖)な上に、卵から大人に成長する期間が2週間程度と短いのも厄介。
発生しやすいところは家具や書籍、畳、ダンボール箱、麺類や穀類などの乾燥植物質、時に鰹節やチーズ等の動物質のものからも発生しますが、大発生する時は湿度とカビの発生が絡んでいるといわれています。
出典:アース製薬株式会社 お客様相談室提供資料
チャタテムシが繁殖する条件としては、湿気が多くカビが生えやすい場所が危険ということになり、ここら辺を改善してく必要がありそうです。
痒み・発疹症状とツメダニの危険性
チャタテムシは害のない虫ですが、中には痒みを訴える人もいます。この理由はチャタテムシをエサにするツメダニにあります。
チャタテムシが大発生するとこれを餌としているツメダニが増えてきます。
出典:アース製薬株式会社 お客様相談室提供資料
チャタテムシが増殖する⇒エサにするツメダニも増殖⇒ツメダニの増殖で痒みを感じやすくなる、という流れです。
ツメダニは人と接触すると刺しますから、ちょっと厄介です。皮膚のあちこちをいっぱい刺されて、かゆみが2週間くらい残り発疹もなかなか消えません。
出典:アース製薬株式会社 お客様相談室提供資料
チャタテムシを大量(何十匹ものチャタテムシが目視で分かるくらいの量)に見つけたら、すぐに駆除してく必要があります!
徹底駆除・掃除編チャタテムシ徹底駆除方法
チャタテムシの生態が理解できたら、それをふまえて駆除&掃除をしていきます。まず、駆除ですが1回で終わりではありません。
繁殖力が強い虫であること、卵から大人になるまで二週間かかることなどから、駆除期間を「3週間」とします。
- 駆除したいなら三週間は続ける
- 基本は拭き掃除+駆除剤
- 毎日窓を開け換気の徹底
参考にしたのはハウスダスト対策掃除
注意したいのが掃除機による清掃です。掃除機の排気口からチャタテムシやダニが散布されて、逆に増殖範囲を広げてしまため絶対NG!
実はコレ、ハウスダスト対策の掃除法を参考にしたんですが、チャタテムシ駆除においても掃除機は絶対に使わないようにしてください!
ハウスダストとは?
徹底駆除に必要なアイテムと費用
チャタテムシを駆除するためにはそれなりの準備と費用がかかります。私がした対策では、だいたい五千円程度でした。
コロコロやアルコール除菌スプレーはもともとあったことから、このくらいの費用でした。すべて揃えるとなると八千円代にはなると思います。
毎日清掃用
商品名 | 費用 |
アルコール除菌スプレー | 300円代 |
ダニアーススプレー | 695円 |
チャタテムシ駆除は拭き掃除が基本です。アルコールで除菌します。アルコールでチャタテムシは死にません。あくまで除菌が目的です。
拭き掃除には使い捨てペーパーを使います。私はキッチンペーパーを使っていました。使い捨てにするのは確実に駆除するため(あとで詳しく紹介)。
拭き掃除が終わったら、ダニ駆除スプレーを吹きかけます。私が調べた限り、チャタテムシ用の駆除スプレーがなくダニ用で代用。
チャタテムシなどの不快害虫は対象害虫ではございませんが、ダニアースや、ダニアース防ダニスプレーなども、薬剤がかかれば効果はあると思います。
出典:アース製薬株式会社 お客様相談室
ダニアーススプレーに限って言えば、直接薬剤がかかれば、チャタテムシ駆除の効果も期待できるとのことです。ご参考までに。
痒みや発疹がある場合はダニ駆除必須
痒みや発疹といった症状がある場合は、チャタテムシの大量発生によって、それをエサとするツメダニもいる可能性があるので、ダニ駆除も必要です。
床・畳の掃除
商品名 | 費用 |
コロコロ フロアクリン | 1,800円代 |
コロコロスペアテープ | 1,000円代 |
床の掃除は、普段なら掃除機をかけますが、チャタテムシには使えません。そこで、代わりにコロコロを使います。
コロコロを使う理由はチャタテムシを吸着させて駆除するためです。また、ふ化する前の卵の状態で吸着すれば増殖も抑えられます。
個人的にはニトムズがおすすめです。ダニも吸着すると明記していて、ダニよりも大きいチャタテムシもしっかり吸着します。
クイックルワイパーはどうなの?
床の拭き掃除にクイックルワイパーはおすすめしません。忌避効果は期待できるかもしれませんが、殺すことまではできません。
シートの処分にも困ります。ゴミ箱から這い出てきます。その点、コロコロならシートに張りついて身動きできないので処分が簡単です。
部屋の部分的駆除用
商品名 | 費用 |
イヤな虫キンチョール | 700円代 |
駆除スプレーとしては、キンチョールがコスパ的にも、使いやす手的にもおすすめです。大容量なので一本あれば1年は持ちます。
広範囲噴射とノズルからの部分的噴射の使い分けができる優れもの。床と壁の隙間などは、ノズル噴射で確実に駆除できます。
部屋の全体駆除用
商品名 | 費用 |
お部屋の虫キラー | 900円代 |
部屋全体の駆除をしたい場合は、それ専用のスプレーも売られています。気軽に使えるため、月に数回まくことで確実な駆除を目指します。
実際に使ってみると分かりますが、一回で完全な駆除はできません。日々の掃除をした上で、週1×3回程度は必要ですね。
ゼロデナイトは微妙
お部屋全体の駆除できるスプレーを探していたときに、駆除効果が1年持続するという商品を発見!しましたが、効果は微妙w
これをまいたあとでも、チャタテムシは普通に見かけたので、なにをもって1年持続するのか分からなかった。値段も二千円とお高め。
バルサン(くん煙剤)は有効か
くん煙剤は使用しませんでした。チャタテムシが増殖した部屋には本棚やらクローゼットやらがあるので、全滅は無理と判断。
それよりも掃除です。環境を変えなければまた増殖します。掃除した上で、それでも減らないなら、バルサンを検討してみるといいと思います。
チャタテムシ駆除スケジュール
ここまで私が実際使っているチャタテムシ駆除アイテムを紹介しましたが。実際のやり方についてもう少し詳しく説明していきます。
毎日掃除ルーティーン
アルコールの拭き掃除が一番効果があります。ホコリやゴミを溜めない、カビを生やさない、チャタテムシが住みにくい環境にしていきます。
あとは、しっかりと換気を心がければ、掃除をはじめて1週間くらいあたりから、チャタテムシを見なくなっていきます。
週一回の部屋全体駆除
くん煙剤に比べて駆除する力は劣るものの、手軽にできるから複数回続けることで、くん煙剤並みの駆除効果が期待できます。
部屋にあるものを片付ける必要は基本不要(食べ物や生き物がいる場合除く)で、駆除スプレーを部屋の中心から四方にシュっとするだけ。
週に一度のペースで三回もすれば効果が出てくると思います。もちろん、普段の拭き掃除などは続けますよ。
ゴミの処理方法にも一工夫
最後にゴミの処理方法ですが、ゴミ袋でいいのでそこにまとめます。拭き掃除した紙に、チャタテムシの卵が付着している可能性があります。
袋に入れたら、そこから駆除スプレーをして縛ることで、卵含めチャタテムシを確実に駆除することができます。
チャタテムシ徹底駆除まとめ
いろいろ説明しましたが、やることは拭き掃除の毎日徹底+換気も忘れずに。心配なら、週一回は部屋全体駆除スプレーを使う。
なぜこんなに徹底するかと言えば、チャタテムシは二週間程度で大人になるので、薬剤がかかっていない場合、すぐに増えてしまうから。
なので、チャタテムシが大量発生した場所では、三週間は徹底して掃除します。もちろん、これ以降もこまめに掃除はします。
チャタテムシが増殖した部屋は湿気が多い環境であることが多いので、今後は毎日喚起をして意識的に空気の入れ替えをしていきます。
あと、ダンボールに本やモノを入れて押入れやクローゼットに保管している場合も注意が必要。私はこのパターンでした。
特にダンボールはほどよい空間と適度な湿度、カビが発生しやすいなどの条件がそろっておりますから要注意です。
出典:アース製薬株式会社 お客様相談室提供資料
私は、ダンボールからすべての本を取り出して、専用ケースで保管するようになりました。防虫剤もいれています。
こうした努力で、ほぼ見かけなくなりましたが。季節によっては、たま~に見かけることもあり、拭き掃除+毎日換気は徹底しています。