灰と幻想のグリムガル15巻の発売!14+、14++と本編とのつながりはあったものの、いずれも短編集、ガッツリ本編を扱うのは久しぶり。
とくに、ハルヒロたちの安否は14巻以降、一切描かれていなかったこともあり、ヤキモキ感は最高潮に達していた。
異界パラノから脱出できたものの、その後、なぜかひよむーがいたり、謎の薬を投与されたりと、ハルヒロたちの状況は謎のまま。
それに加えて諸王連合の進軍に、オルタナ襲撃、ユメ、ランタ含む義勇兵の安否と、広げすぎた風呂敷もようやく回収に入ります。
つまり15巻は絶対に見逃せない回ダゼ!
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グリムガル15巻あらすじ・ストーリー
まずは、15巻のストーリーをおさらいしていきます。ハルヒロたちの状況、オルタナの現状、人間族の動向をチェック。
リスタートするハルヒロたち
謎の声により目を覚ましたハルヒロたち。
ハルヒロは死んではいなかった!そして、メリイ、シホル、クザク、セトラ、キイチ、誰一人として欠けることなく無事だ。
とくにシホルは、異界パラノでトリックスターになったことで、死亡確定か?と不安だったけど、グリムガルに戻れたことで元に戻れたようだ。
14巻おさらい灰と幻想のグリムガル14巻 パラノ編終幕!シホルの運命は!
14巻はパラノ完結巻。思えばパラノ編の評判は賛否両論、むしろ「否」の方が多かったんじゃないかと思うぐらい酷評が目立ってました ...
目覚めたのはいいが、なぜか、自分の名前以外の記憶がすべて抜け落ちていた。仲間のこともすっかり消えていた。
ただ、一人だけ記憶を保っていたのがメリイ。メリイのおかげで、ハルヒロたちが仲間だったこと、パーティを組み冒険していたことを教えられる。
ひよむーの提案
ハルヒロたちが目覚めた場所は、はじめて目が覚めたあの場所。オルタナの小高い丘にそびえ立つ塔。
通称、開かずの塔。
ハルヒロがどうやってオルタナにやってきたかは不明ではあるものの、その鍵を握るのはひよむー、というツインテのウザ女。
この状況は明らかに、ハルヒロたちがはじめてオルタナにやってきた状況そのまんま。あのときも、案内役としてひよむーが誘導し、義勇兵として戦うことを強いられた。
しかし、今回のひよむーの提案は義勇兵の案内ではなく、彼女が仕えているというご主人様なる人物に従えという提案。
ひよむーの言うことを聞く。何もひよむーの奴隷になれってわけじゃーないですよ。まーでもぉ?ひよむーのご主人様の指示には従ってもらいますけどね?
出典:灰と幻想のグリムガルlevel.15 十文字青
名前以外の記憶のない状況で、ご主人様に従えと言われ困惑するハルヒロたち。だが、直感的にひろむーの提案には従わないと決断した。
オルタナの陥落、人間族の衰退
ひよむーの提案を断り、記憶のないままオルタナからリスタートをすることになったハルヒロたち。
オルタナの状況が一変していたのだ。見張り台には人影らしき姿があるが、その容姿が人影ではないことに気付く。
ゴブリン
オルタナはゴブリンたちの巣窟となっていた。単行本14++にて、諸王連合に襲撃されたオルタナの様子が描かれていたが、陥落していた。
なら、オルタナにいた人間はどうなったのか。ユメとランタの安否、チーム・レンジも諸王連合と戦っていたはずだが?
遠征軍によるオルタナ奪還作戦
状況はさらに最悪へと進む。オルタナのみならず、デッドヘッド監視塔、寂し野前哨基地、リバーサイド鉄骨要塞と、ことごとく陥落。
人間が住む町は一つとしてなく、天山山脈の麓(ふもと)に野宿するしかなかった。だが、ハルヒロたちは絶望などしない。
そんなとき出会ったのが、アラバキア王国遠征軍を名乗る一団。オルタナ陥落を受けて、アラバキア王国から援軍がやってきたのだ。
ハルヒロたちは遠征軍に協力することになり、オルタナを牛耳っているゴブリンどもを一層し町を奪還する作戦が始まろうとしていたッ!
ハルヒロの成長、決戦日
オルタナは陥落したが、市内に潜伏しゴブリンたちの動向を偵察していたのが、ハルヒロの師であるバルバラ先生。
バルバラは愛弟子ハルヒロとの再会に喜んだ。そして、オルタナ奪還作戦前に、稽古をつけてもらい盗賊スキルに磨きをかけていった。
そして奪還作戦当日
多くの犠牲がでるのは必須。千匹以上のゴブリン相手にこちらはたった二十名程度。精鋭部隊は聞えはいいが圧倒的に数が足りない。
だがやるしかない!そしてはじまるゴブリン族とのド緊張の戦い。戦況の行方は・・・
灰と幻想のグリムガル15巻まとめ
今回は、昔のグリムガルに戻ってきた感じ。ハラハラドキドキ、たとえ主要キャラでも、あっけなく死んでしまうストーリー。
そして、ストーリーもグリムガルの秘密に触れてきています。黒幕のしっぽが見えてきたようないないような。
グリムガル15巻深堀考察【ネタバレ】
ここからは、気になった箇所を考察。あらすじパートはネタバレほぼなしでしたが、ここからは一部ネタバレありの本作既読向けです。
- ひよむーと大賢者
- モーギス将軍の左遷理由
- ランタ・ユメ・義勇兵の生死
①ひよむーと大賢者
ハルヒロたちはどこから来たのか、なぜ記憶がないのか、グリムガルは現実世界なのか、これらの疑問が明らかになってきた感じがします。
それが、ひよむーがいっていた大賢者の存在。単行本14巻ラストで、ひよむーはご主人様の命によりハルヒロたちに謎の薬を投与していた。
投与する前の仲間たちの記憶があったことから、ハルヒロたちが記憶をなくした原因にひよむーが関係しているのは確定。
ひよむーが忠誠を誓うご主人様、大賢者とも言っていたソイツの正体とは誰なのか。可能性としてはアイランド・レスリー。
ご主人様=アイランド・レスリー?
ひよむーのご主人は博学多識にしてほぼほぼ不老不死、所有する悲報財宝お宝は数知れず、終結した叡智でもって世界の謎を余すところなく解き明かし、大いなる野望を叶えんとしている偉い、すごすぎる超絶大賢者ですし
出典:灰と幻想のグリムガルlevel.15 十文字青
ハルヒロたちがオルタナに戻る前に、最後に立ち寄ったのがレスリーキャンプと考えると、ひよむーのご主人様とレスリーをつなげるのは自然な流れ。
ひよむーの「ほぼ不老不死」というセリフにも一致します。レスリーは不死の王の血を分け与えられた不老不死な存在です。
②モーギス将軍の左遷理由
初登場した遠征軍の指揮官であるモーギス将軍、彼の経歴は脱走兵の捕縛と再教育を専門におこなう黒い猟犬(ブラックハウンド)の元指揮官。
そんな彼が遠征軍の指揮官としてオルタナ奪還作戦の指揮を執っている。ただ、部下のアントニー曰く決して栄達ではないというのだ。
なぜモーギス将軍は出世コースから外れたのか。可能性の一つとして彼の性格にあるのかもしれない。度を越した行動や発言は目に余るのは確か。
その最たるものがオルタナ辺境伯の殺害。
モーギス将軍は剣を抜いた。檻の中の辺境伯は逃げなかった。(中略)将軍は剣で辺境伯の胸を突き刺した
出典:灰と幻想のグリムガルlevel.15 十文字青
将軍の一存で辺境伯を殺害した。辺境伯がいなくなった今、オルタナを統治するのはモーギス将軍ということになる。
性格に難があることが原因で、遠征軍の指揮官に左遷されたのだとしたら、これからのオルタナの状況も気になるところだ。
③ランタ・ユメの生死
ハルヒロたちは全員無事だったけど、ならランタとユメの安否はどうなのか。オルタナ襲撃でランタたちは懸命に戦っていた。
そこに現れたのがフォルガン所属の片腕の剣士タカサギ。相まみえる形で終わってしまい、その後の決着は不明。
最終章でランタとユメの生存判明!!
ほかにも生き残った義勇兵が複数いました。ランタたちは、陥落されたリバーサイド鉄骨要塞奪取のため戦っていた。
時系列の確認
ユメがオルタナに戻ってきたのは、モモヒナの弟子になっておよそ三年が経過しています。ランタもだいたい同じ頃にオルタナに戻っています。
一方、ハルヒロたちがオルタナに戻れたのは、ワンダーホールで行方不明になってから四年後。バルバラ先生との会話で明らかになった。
「それも、もう四年も前だよ」
出典:灰と幻想のグリムガルlevel.15 十文字青
ワンダーホールの頃はまだユメもランタもパーティーにいたから、ハルヒロたちはユメらの数か月後にオルタナに戻ってきたという時系列か。
灰と幻想のグリムガル15巻感想まとめ
リスタートとして二度目の「目覚め」を体験したハルヒロたち。右も左もなにも分からない状況で、再び冒険をはじめることになるとは。
ひよむーが捨て台詞でいっていた「後悔する」という言葉は本当だった、けど、ハルヒロの仲間にはユメもランタもいる。
そして、ユメとオルタナで再会することを約束していた。メリイの記憶がある限り、100%ひよむーに従うという選択はあり得ない。
そんなわけで、次回ついに!チーム・ハルヒロが全員集合が描かれるのか、、、けど、ハルヒロたち記憶なかったんだよな、次回どうなるの?
つづく
追記:終章突入
『灰と幻想のグリムガル level.15 強くて儚きニューゲーム』本日発売です。本巻から色々変えようという話は担当氏と前々からしており、白井さんもがんばってくれて、いい感じの本が出来上がりました。終章がどれだけ続くのかは未定ですが、最後まで走りきりたいです。よろしくお願いします。 pic.twitter.com/SrETQmzzBk
— 十文字青 (@jyumonji_ao) December 25, 2019
作者ツイートより15巻から終章突入らしい。グリムガルも終盤に差しかかってきたってことか。あと、担当編集といろいろ話し合ったみたい。
異界パラノ編微妙だったから、担当さんが軌道修正してくれたって感じなのかな、15巻のテイスト明らかに違ってたもんね。
個人的には最後まで描き切ってほしいし、読み続けていきたい作品の一つ。売上もラノベ部門ではそう悪くないように思うけど。
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