進撃の巨人122話にて、明らかになったユミルが始祖ユミルになった経緯。謎は多いものの明らかになったことも、また多かった。
大地の悪魔については、作中で何度かそれらしく言及はしていたものの、その正体が122話でようやく明らかになりました。
ここでは、大地の悪魔の正体について、そして、接触の意味となぜ巨人化能力を持てたのかなどを考えていきます。
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ユミルはエルディア人ではなかった?
出典:別冊少年マガジン 2019年11月号 講談社
ユミル=奴隷
まず触れたいのがユミルの家系です。122話で描かれたのは、ユミルが実はエルディア人ではなかった可能性です。
ユミルが育った村(都市)がエルディア人により滅ぼされている描写や、手に縄を縛られている描写からも、エルディア人に負けた部族で、奴隷となったのではないか。
そこで、改めて122話を見ていくと、冒頭、奴隷が舌を斬られている描写がありますが、とすれば、ユミルもまた舌を切られていた可能性は高い。
他の奴隷たちがユミルに責任をなすりつける描写では、みなが指をさしますが、これは舌を切られうまくしゃべれないゆえの動作ともいえそうです。
考察①
始祖ユミルとリンゴ
出典:進撃の巨人21 諫山創 講談社
始祖ユミルの姿は、フクロウがエルディア復権派に渡していた歴史書や、フリーダがヒストリアに読みきかせていた絵本なりに描かれていました。
いずれの始祖ユミルも少女の姿であり、手にはリンゴらしき果物を持っていました。ここでは彼女が持っていたリンゴについて考えていきます。
122話を見るかぎりユミルが少女であったことは確定しましたが、リンゴは何を意味していたのか疑問が残ります。
旧約聖書とイブとユミル
リンゴといえば、旧約聖書の「創世記」に登場するエデンの園に実っていた果実。リンゴは禁断の果実とされ、神から食べることを禁じられていました。
しかし、神が最初に想像した女であるイブは、ヘビにそそのかされ食べてしまい、エデンの園から追放されるというのが、ざっくりとした内容です。
ここに登場するイブとは、神が創った最初の女性、つまり人間の始祖です。ちなみに、最初の男の名はアダムといいます。
122話で描かれるユミルは、巨人能力を身につけた初めての人間、つまりはイブです。リンゴを持っていたのは、イブのメタファーとして描かれていた可能性はありそうです。
始祖とは、その血筋の最初の人のこと、つまり、巨人化能力を得た最初の人間だからこそ、始祖ユミルと言われているわけです。
考察②
大地の悪魔の正体とは
122話で明らかになった大地の悪魔の正体。その姿は、今まで描かれていた悪魔の容姿とはまるで異なっていました。
最初読んだとき、大地の悪魔の正体であることは分かったものの、この姿は何を意味しているのか、そこに疑問が湧いてきました。
そこで、まずは作中において触れられてきた大地の悪魔に関するセリフを追いながら、正体を考えていこうと思います。
フクロウのセリフ
そもそも始祖ユミルが出会ったとされるものを「大地の悪魔」と呼称したのは、エルディア人の歴史書に記述されていたものです。
悪魔の使い、神がもたらした奇跡、そして「有機生物の起源」と接触した少女。ここまでさまざまな呼称で言われていましたが、フクロウのこのセリフがポイントになります。
出典:進撃の巨人22 諫山創 講談社
神にでも悪魔にでもなれる
このセリフは、始祖ユミルは誰がどう見るか、その見方によってどんな姿にも捉えられるという意味が含まれています。
たとえば、悪魔の使いはマーレ側から見た呼称、神がもたらした奇跡はエルディア側からみた呼称と言えます。
この違和感の正体こそが、122話ではっきりするんですが、そもそもなぜフクロウの口からこの言葉が出たのでしょうか。
可能性として考えられるのは、フクロウもまた進撃の巨人継承者だからでしょう。進撃の巨人は未来の継承者の記憶を覗き見ることができます。
出典:進撃の巨人22 諫山創 講談社
フクロウもまた、未来の記憶を見せられた可能性があり、それは「ミカサ、アルミン、誰の記憶だろう」といったセリフからも分かります。
というのも122話のタイトル「二千年前の君へ」、これは進撃の巨人第一話「二千年後の君へ」のアンサーとして対になっています。
つまり、エレンは始祖ユミルの過去さえも知っていた可能性が高く、「二千年前から待っていたんだろ」「奴隷じゃない」などのセリフにもあらわれていました。
「有機生物の起源」の正体を探る
個人的には始祖ユミルが接触したものの正体とは、フクロウが言っていた「有機生物の起源」が一番的確に表現しているのではないかと思います。
出典:別冊少年マガジン 2019年11月号 講談社
この姿を見るかぎり、悪魔だとか天使だとかには見えません。しいていえば水の中に生息していた「生物」のように見えます。
実を言えば、この生物の正体についてはツイッターなどですでに考察されており、「ハルキゲニア」という大昔に生息していた生物がモデルではないかと言われています。
出典:H. sparsaの生態復元想像図|Jose manuel canete
円形状の胴体に触手のような複数の肢、背中には棘のある生物、恐竜がいた時代に生息していた生物で、これが始祖ユミルが接触した生物のモデルではないかというのです。
姿形もそうですが、ハルキゲニアの生物名にも注目したいところです。ウィキによれば、ハルゲニアとは「夢想」に「~を生むもの」という接尾語(英語: -gen)を付けたものされています。
夢に出てきそうな不思議な生物という意味合いがあるとのことですが、気になるのがハルキゲニアの学名の語源です。とくに接尾語genです。
ginから派生する単語を挙げてみると、genesis(起源)、gene(遺伝子)、the Genesis(創世記)などの単語があり、とても意味深です。
始祖ユミルが巨人化能力を身につけたのは、大地の悪魔との接触、つまり起源や創世記といった単語が当てはまります。
さらには、大地の悪魔がユミルに寄生したことで巨人化能力が発現したと考えられますが、寄生したことで、遺伝子に変化をもたらし巨人化能力が発現したのかといった推測にもつながります。
考察③
大地の悪魔はユミルに寄生した説
122話で描かれた大地の悪魔は、ユミルと接触したときに触手らしきものが伸びて、その直後巨人化していました。
ユミルと大地の悪魔の接触でなにが起こったのかといえば、大地の悪魔はユミルに寄生したのではないかと考察してます。
というのも、これまで作中で描かれてきた描写からして、その可能性がかなり高い。たとえば、巨人の弱点がうなじである理由です。
大地の悪魔は脊髄に寄生
出典:進撃の巨人13 諫山創 講談社
第51話にて、巨人の弱点についてハンジが詳細に説明していますが、それによれば巨人のうなじには、縦1m横10cmの何かが該当すると言っています。
さらに、それは脳と脊髄にかけての大きさに相当すると説明しています。そして、脳と脊髄を切断すると巨人は大量の煙と共に消失する。
脳ミソと脊髄を切断、つまり巨人の弱点がうなじということになります。逆に言えば、うなじを切るとは、脳と脊髄を切断するという意味になります。
で、これは巨人に限らず人間にもあてはまります。ライナーの場合がそうでした。
出典:進撃の巨人19 諫山創 講談社
リヴァイによって脳と脊髄を切断されたときのライナーのセリフ、この時は巨人の能力によって即死は逃れたものの、脳と脊髄を切断すれば死亡することが分かります。
大地の悪魔が寄生している場所が人間の脊髄であるとすれば、うなじを切るという行為は、人間と大地の悪魔の寄生関係を切断する行為と同じはずです。
巨人化は大地の悪魔によってもたらされた能力です。とするならば、うなじを切断されたことで、巨人化能力を失うのは辻妻が合うはずです。
さらにハンジの説明に戻って、ハンジの説明には続きがあります。
出典:進撃の巨人13 諫山創 講談社
無垢の巨人についても、同化して分からないが、確かにそこに何かがあると言っており、知性巨人と同じ仕組みであることが分かります。
- ユミルと大地の悪魔接触
- 大地の悪魔がユミルに寄生
- ユミルの脊髄あたりに同化
- ユミル巨人化能力発現
考察③
大地の悪魔と始祖ユミルまとめ
ここまで大地の悪魔と始祖ユミルについて考えてきましたが、巨人化能力を得たユミルの人生はその後も不運な運命を辿ります。
エルディアの王に妻になったものの、最後まで奴隷として扱われ、死後も娘たちに喰わせるという鬼畜の所業に怨みを増大させていきます。
122話で印象深かったのは、回想でも座標での砂遊びでも、ユミルには一切の表情がありませんでした。
これは王家の奴隷という呪縛からくるものでしたが、エレンによってその呪縛を解放された後は目に光が蘇り表情を豊かにさせます。
今話で始祖ユミルの正体も明らかになりましたが、今後のエルディア人の未来どう向かっていくのか気になるところです。
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